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いつか、夕日の美しい絶景の地にカフェを・・と願う私のバーチャル・カフェ。未知の音楽と人との出会う場所。

ホルショフスキーの弾く「子供の情景」

2008-05-31 14:27:06 | たまに聴くならこの一枚


無心に遊ぶ子供たちを見て、あの名演奏を想い出しました。
あの曲・・・。 96歳に近い現役のピアニスト、ミエチスラフ・ホルショフスキーの弾く、シューマンの「子供の情景」です。

この演奏のほぼ5年後、ホルショフスキーは100歳の生涯を閉じましたが亡くなる寸前まで「100歳のピアニスト」と
して活躍しておりました。
私がホルショフスキーという人を知ったのは,彼が来日した折のカザルスホールでの録画をテレビで見て以来のことです。
おぼつかない、ややヨロヨロとした足取りでずっと年下の奥様に手を引かれ、舞台に現れたホルショルスキーは、
96歳の年齢どおりの老人で、とてもこれからショパンやリストを弾く人には見えませんでした。
しかし、いざピアノを弾き始めると、テレビを通してさえ分かるほど一つ一つの音に温もりと「こころ」を感じ、
私は思いがけないほど感動で心の底まで揺さぶられたものでした。

そう、ホルショフスキーは他のどんなピアニストとも違う音を出します。
暖かく、包み込まれるような演奏・・・。
特に私が好きなのは彼の弾くショパンのマズルカと、この「子供の情景」です。

シューマンはこの曲の作曲にあたって、「子供の心を描いた、大人のための
作品」を意図したそうです。
う~ん、奥の深い味わいのある言葉ですねえ・・。

ところでそのホルショフスキーの演奏ですが、やはり極めつけは「トロイメライ」
だと私は思います。無数のいろいろな「トロイメライ」を聴いてきましたが、ホルショフスキーの「トロイメライ」はいつ聴いても、
何度聴いても新鮮な感動で私の心を満たしてくれます。

100歳のピアニストが奏でる子供心の描写。
この曲を弾く時、ホルショフスキーの胸を去来するのはどんな思いであったのでしょうか・・・。

MIECZYSLAW HORSZOWSKI: MOZART / CHOPIN / SHUMANN
Fryderyk Chopin,Robert Schumann,Mieczyslaw Horszowski
Nonesuch

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