騎馬で芸術沼に突撃してみた

2018-12-03 12:16:25 | 日記

(登場人物)

ダウ―=D   ベルナドット=B

 

D
じゃあ記号化話の続き、は~じめ~るよ~。

 

B
いやいやいや、その前にこの絵は一体何だい?

 

D
「アンダルシア」をゴッホ風にしてみました。

 

B
スペインなのに「ゴッホ風」とはこれいかに・・・

 

D
いやまあオランダ旅行とかフランス旅行の話をしたんで、最近マイブームの画像加工の遊びとかけてみたんさ。

 

B
ほう、さよか。ちなみにドイツ旅行の話も出てたけどそっちは??

 

 

D
こんなん出ましたけど。場所は前にも書いた西川口~東川口の途上やな。

 

B
ああ、表現主義風ね。フランスとかは、自然主義(naturalism)や印象派(impressionism)を典型例として物質の外形を精緻に表現することに意を注いでいったけど、ドイツの表現主義(expressionism)は感情表現・内面の反映を重視していった、というヤツだな。

 

D
なぜ英語で書いたし・・・

 

B
そりゃあーた、訳語で抜け落ちるものを表現するためよ。naturalって「自然の」って意味の他に「本質的な」って意味があるけど、ただ「自然主義」って言っても、下手すりゃ「あー、自然を描くのね」ってアホな間違いをするだけじゃんよ。

 

D
natural lawを「自然法」って訳すみたいな?

 

B
まさにそう。あれって「本質的」であるから、基礎的とか最重要とかいう意味にもなり、万民法(誰にでも適用される法)とかにつながるわけじゃん。「自然」つったら何のことやらわかりませんわ。あとimpressionismとexpressionismについては、そう書いた方が二項対立図式が読み取りやすいじゃん。

 

D
まあ意図は理解したぜよ。ただまあ表現主義の由来がポスト印象派のゴッホであることを考えれば、両者の対立はある意味辺り前のことだけどな。もっとも、そこにドイツロマン主義の流れも入ってる点を無視すべきではないけど。

 

B
客観性ないしは間主観性を重視する表現と、(民族であれ個人であれ)固有性を重視する表現の差異と言ってもいいよね。自然法VS歴史法学みたいな。その意味では、ヨーロッパでしばしば繰り返されるプラトン的視点とアリストテレス的視点の対立がここにも見て取れるな。

 

D
まあそうだね。ただ、対立しながらも、実は「片方があるからもう片方が存在できる」というある種の共犯関係というか、共依存に注意した方がいいのではないかしらん。

 

B
なんかデリダおじさんみたいなこと言ってるねー。

 

D
デリダってダレダ?ああ、なんか普段しない会話をしてたら頭がクラクラしてきましたわ・・・

 

B
じゃあ全部ぶっ壊しちまおうぜ!ってことでこんなん出ましたけど。場所は新宿区役所近くの交差点。

 

 

D
ダダ星人かよ!

 

B
すべての人の愛するものを消しさり、無に帰してくれようぞ~。

 

D
あらこわい(・∀・)でもそれって、対象に極めて重要な、あるいは交換不可能な価値を見出す精神性がなければ、あんま意味なくない?あんたが今まさに「複製技術」の実演をやってみせたわけやけど、そうやってただの瓦礫の山と化したものにどうして執着するだろうか、いやしないのである、と。

 

B
まさしくデータベース化だな。「ポプテピピック」「レディプレイヤー1」「シュガーラッシュ」全てそうだけど。

 

D
まあ今の作品例で言うと、それを土台にしてても訴えようとするテーマというか方向性は同じじゃないけどね。ポプテピピックは様々な形を用いたデータベースの中の戯れだけど、シュガーラッシュはデータベース化による越境がもたらす解放と、そこで生まれる絆の話だし(ある意味、「日常の描写→非日常の経験→(今までとは違って見える)日常への回帰」という極めてオーソドックスな展開でもある)。まあ一応前者に関しても、ポプ子とピピ美の関係性という点に注目するという読み方(戯れそのものではなく、「二人の戯れ」のバリエーションとみなす)はあって、そういう需要を持つ層も取り込めたのが大きかったと思うけどね。

 

B
なるへそね。しかし、データベース化してただの横並びになった時、もはや反抗も破壊も意味をなくしてしまうわけやなー。どでかい壁や建物ならともかく、瓦礫の山に挑みかかってもただのドン=キホーテですわい。

 

D
そう、カフカ的なるものはもはや成立しないのだよ。脱構築や既存の価値観への反抗を目指した現代美術の袋小路ってのもそういうことだし。

 

B
うーん、カフカ的なものが成立しないってのは、趣味嗜好のレベルの話に限定される気がするけどなー。それはともかく、現代美術の件はちょっとおもしろい動画があったので掲載しておくよ。ちなみにPart2で紹介されてる「ザ・スクウェア」がそれにあたる。

 

 

 

 

D
こ、このタイミングで1時間を超える動画ですかい・・・あんた鬼畜やね(;´Д`)

 

B
まあブログなんていつでも、いくらでも見返せるし、別にいいでしょ(*´ω`*)

 

D
己を凶悪と思わぬ者の笑顔は、暴徒の形相よりも恐ろしい。

 

B
何ボナパルトおじさんみてーなこと言って格好つけてんだか。

 

D
お後がよろしいようで・・・

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