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【みんな生きている】姜哲煥編

2010-08-11 20:29:51 | 日記
《北朝鮮を知り尽くした姜哲煥記者が天安沈没事件とその後を斬る!》

今年3月26日に黄海のペンニョン島沖で発生した哨戒艦・天安沈没事件は北朝鮮の攻撃によるものだったが(と、断定したが)、中国やロシア、韓国国内の親北朝鮮団体等が慎重な態度を示しているために北朝鮮を十分に断罪出来ずにいる。
こうした中、日本のある新聞が「天安を巡る外交では北朝鮮が勝利した」と報じたが、これはもっともらしい見方だ。韓国でも天安沈没事件の真実を信用しないという国民が3割にも上り、罰を受けるべき罪人よりも被害者のほうが苦痛を味わうという何とも奇妙な事態に陥っている。
金正日(キム・ジョンイル)総書記と側近たちは天安を沈没させただけでも大成功だと言えるのに、韓国国民を戦争の恐怖に陥れて韓国の世論を分断させたのだから、北朝鮮が言葉通り「大勝」を収めたと歓喜してもおかしくはない。
天安の攻撃を主導したとされる呉克烈(オ・グクリョル)国防委員会副委員長は今回の作戦で勝利を収めたことにより軍内部での立場を一層強化し、敗北主義が蔓延していた北朝鮮軍にも勝利の自信が漲っていることだろう。
このように、表面上は北朝鮮の完璧な勝利に見えるが、実際のところ金総書記が得たものは小さく、逆に失ったものの方が大きいと言える。
北朝鮮出身の記者の目には過去の二つの政権(金大中・廬武鉉政権)下で韓国国民に浸透した安全保障に対する無関心さが、大韓民国の安全を脅かす最も恐ろしい「内部の敵」として映っている。
今回の件で、戦争に対する恐怖であれ何であれ、安全保障の重要性について国民の意識が芽生えたのは幸いなことだ。また、北朝鮮が極秘に準備してきた戦力の実体が明らかになったのも意味のあることだ。韓国軍がこうした戦力への対策を講じることが可能になったからだ。
天安沈没事件を機に韓国政府は北朝鮮に対する一切の支援を中断した。朝鮮労働党39号室が主導する海産物の水揚げも全面的に禁止され、北朝鮮の主な貿易会社は窮地に立たされた。
貨幣改革(デノミネーション。通貨単位の切り下げ)の失敗により北朝鮮の市場が麻痺して天安沈没事件で外貨収入が激減するや、庶民から上層部まで政権に対する激しい不満が噴出した。
天安攻撃を成功させて得意顔を浮かべる北朝鮮軍部は、今や他のエリートたちからは目の敵にされている。「経済難の解決が急務なのに、軍部の石頭たちは火に油を注いでいる」というわけだ。
最近平壌を訪問した在外韓国人たちは、北朝鮮の高位幹部たちの態度に変化が見られたと話す。
貨幣改革以前は外部の支援にケチを付けて突っぱねてばかりだったが、今では「トウモロコシ一粒でもいただければありがたい」と頭を下げているとのことだ。「本当に大変なことになった。今後どうなるのか、誰にもわからない。どうか助けて欲しい」と哀願する幹部もいたという。
底辺の住民はもちろん、これまで余裕のあった幹部クラスまでもが生活苦に喘ぐほど切羽詰まった状況にあるというわけだ。軍隊でも配給が円滑に行われず、食事がトウモロコシとジャガイモだけという光景が当たり前になっている。こうした中、金総書記の権威にヒビが生じないわけがない。
さらに、日本海と黄海で行われた韓・米合同軍事演習は北朝鮮軍部に圧力と苦痛を与えたはずだ。兵士に食べさせる当座のコメさえ不足して状況で対応訓練など考えにくいからだ。
天安沈没事件についての断罪は目に見える短期的な結果ではなく、時間をかけて徐々に成果を挙げるものと信じたい。
たとえ戦闘には負けたとしても、自由統一を成し遂げられる主導権は大韓民国が握っている、という事実だけは忘れないようにしたい。



※この記事については
【みんな生きている】
呉克烈編
(au版・2009年6月8日掲載)
【みんな生きている】
朴南基編
(3月22日掲載)
【みんな生きている】
天安沈没事故編
(5月6日掲載)
【みんな生きている】
金総書記訪中編
(5月6日掲載)
【みんな生きている】
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(8月3日掲載)
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