音楽3番組
わたしは、ほぼ毎週3つのテレビ音楽番組を観ている。時々このブログで紹介している『おんがく交差点』、『クラシックTV』、『題名のない音楽会』である。
いずれも30分番組で、録画してコーヒータイムの友としている。クラシック音楽は好きだがど素人の私には格好の番組である。
『おんがく交差点』(テレビ東京、土曜日朝8時}:落語家の春風亭小朝さんとバイオリニストの大谷康子さんがMCを務めている。
ゲストには洋の東西さまざまな楽器の演奏家が招待される。世界各地の民族楽器が紹介されるが、感心するのはそれを演奏するプロの日本人演奏家がいることである。
小朝さんは、大谷さんの相槌をまじえながら、ゲストにその楽器との出会い、習ってきた体験談、楽器の特徴を訊ねる。つぼをついた質問で、ゲストの音楽への思いが引き出される。
なんといってもこの番組の魅力は、大谷さんとゲストとのコラボで、まさに音楽の交差点である。サービス精神豊かな大谷さんは、音楽に合わせた衣装を着て、見事なアンサンブルを聴かせてくれる。
先週はスロベニア音楽を専門にするアコーディオン奏者の安西はじめさんがゲストで、民族衣装をまとった大谷さんと、スロベニアのポルカとワルツを楽しく演奏してくれた。
『クラシックTV』(NHK Eテレ、木曜日夜9時):イケメンのピアニスト清塚信也さんと、アイドルの名残が残る歌手でモデルの鈴木愛理さんが司会を務める。
テーマを設け、それにふさわしいゲストを招いて清塚さんが蘊蓄を傾け、愛理さんがゲストともにひたすら感心しながら相槌を打つ。
なぜその人がふさわしいのか不明のお笑いタレントをゲストに招いて、いつの間にかテーマとタレントの芸との共通点を説明し、乗せてしまうような清塚さんの話術に感心する。
和音とかフレーズのリズムとか、聞いただけではわからないことを、清塚さんがピアノで再現してくれて、なんとなく納得させられる。しかし、これが身につかないのはひたすらわたしの不徳の致すところである。
先週のテーマはバイオリンの名器ストラディヴァリウス。ゲストはバイオリニストの役をしばしば演じる俳優の門脇麦さんと、サン・ロレンツォと名付けられたストラディヴァリウスを所有するバイオリニストの古澤巌さん。
名器がいかにして作られるかの解説とともに、古澤さんの奏でる素晴らしい響きを楽しんだ。
『題名のない音楽会』(テレビ朝日、土曜日朝10時):3つの番組の中では一番の老舗である。今年は60周年に当たるそうで、わたしは初代の黛敏郎さんが司会していた時から、切れ切れではあるが観続けている。
現在の司会は歌手で俳優の石丸幹二さんとアナウンサーの武内絵美さん。ホールで聴衆の前で演じることがしばしばある。
この番組の魅力のひとつは、実験的な演奏である。異色の楽器のアンサンブル、マリンバとギターのような困難とされてきた楽器の組み合わせによるコラボが試みられる。
超一流の演奏家を招いて、石丸さんのインタビューを交えて、たっぷりとした演奏も楽しませてくれる。
先週は、60周年を記念して企画されている、18歳以下のメンバーによる「未来オーケストラ」の指揮者、山田和樹さんによるオーディション風景が放送された。
小学生から大学生まで、経験期間も10か月から10年以上と様々で、いずれも見事な腕前だった。書類選考で選ばれた104名の応募者に山田さんはいずれも感嘆し、全員を合格とした。
これから、リハーサル風景、本番と放送されるのを楽しみにしている。
これら3番組はいずれもクラシックを基幹としているが、ジャズ、ポップス、和楽、民族音楽、さらには演歌にまで触手を伸ばし、音楽の楽しみを追求しいる。
肩の凝らないクラシック音楽番組として、これからもコーヒーとともに楽しんでいきたい。
(写真はいずれもテレビ画面を撮影)
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