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羽花山人日記

徒然なるままに

がん検診

2023-01-13 16:59:01 | 日記

が ん 検 診

學士會会報No.957に,国立がん研究センター検診研究部部長中山富雄さんの『がん検診の正しい受け方』という記事が載っていた。なるほどと思わせられることがいくつか記載されているので,わたしなりの解釈で紹介する。

がん検診とは定期的な検査によってがんを早期に発見し,早期治療によってがんによる死を回避することをいう。

がんの進行を,検査を考慮に入れて相別に分けると,突然変異によって細胞にがんが発生する時から無自覚だががんが発生して可視化する(検査可能となる)までの期間,そこからがんの症状が発現するまでの期間の二つに分けられる。後者は,detectable preclinical phaseと呼ばれる。これは,検診可能な前臨床的相とでも訳すべきだろうか。以下DPPと省略する。

がん検診が有効なのは,DPPの間にがんを発見して治療(臨床)を開始できることである。ところが,進行が速い悪性のがんの場合には,検診から次の検診までの間にがんが発生から発症まで進行してしまい,検診が意味をなさない場合が多い。逆に,進行が遅い良性のがんの場合にはDPP中にがんを発見し,治療を開始できる確率が高くなる。

また,データによれば,検診を受けたグループと受けないグループの間に,がん死亡率で差が出るのは,検診後4,5年経ってからで,有効な検診であっても直近数年間のがんによる死亡を防ぐのは難しいことを意味している。

従って,ある期間を設定してその間にはがんによる死を免れることが,検診の目的として妥当になるが,その期間に余命が保障されていることが前提になる。最近超早期発見が話題になっているが,仮に従来よりも10年あるいは15年発見が早まるとして,15年あるいは20年の余命が要請されることになる。

検診は,金銭的にも肉体的にも負担を与えるので,無駄な検診や過剰な検診を避ける必要がある。著者が推奨しているのは,胃がんは50歳から,乳がん・子宮頸がん・胃内視鏡検診は2年に1回である。

わたしは,胃の内視鏡検査は一昨年,大腸の内視鏡検査は4年ほど前にそれぞれ受け,いずれも異常なしであった。現在は緩解状態だが,潰瘍性大腸炎を罹患しているため,がんを併発する可能性があると言われ,4年に1回程度の頻度で内視鏡検査を受けてきた。3年前の人間ドックでPSA値が基準を越えていたので,前立腺について泌尿器科で再検査を受けたが,所見的には異常がなく,PSA値も標準になってきている。

今年の暮れに大腸内視鏡検査をと医師に言われているが,余命を考えると,胃がん,大腸がんに関してはこれで最後にしようかと考えている。

 

冬の散歩道で

阿見町にて撮影

 

STOP WAR!

コメント (3)
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