「利用されまくってますね。こういうふうになると予想はできましたが、あまりにも無残。アホすぎます。同時に、怒りがこみ上げてきました。もっと目を開いて、現実を直視してほしいんだよ」
日本語を勉強するため、「人民日報」の日本語版をテキストとしている中国東北部にいる北京人と話をしているときの言葉です。友人の日本語はかなり上達していると感心すると同時に、真髄を突いていると思います。
小沢一郎幹事長を団長とする民主党代表団の訪中についてです。
「人民日報」の日本語版では、「日本の国会議員143人が直に見た中国」として、このように伝えられています。
民主党副幹事長の福田昭夫議員は北京通州区張家湾鎮皇木廠村村の共産党支部書記から説明を受けると、こう言ったそうです。
「日本では、農村建設も大きな課題だ。今日ここで、新しい形の農村を目にした。ここでは高齢者の生活が資金面で援助されている。われわれは学んだものを持ち帰らなければならない」
オリンピック写真室で写真を見た斉藤進議員は、「どの写真もすばらしい。オリンピックの雰囲気が感じられ、オリンピックのために中国の人々の払った努力が伝わってくる」
これはかなりおかしいと感じ、ちょっと検索をかけてみると、産経新聞がこんなことも伝えていました。
「8月の衆院選で初当選し、中国を初めて訪れた玉木雄一郎衆議院銀は、「中国の成長と躍動を実感した。政権交代したので、中国と党レベルでの新しい展開をつくっていくことが大事だ」と感想を語った。
今回の訪中、中国共産党中央対外連絡部と中華全国青年連合会の招待だそうです。数日間の招待旅行で、見せつけられるものだけを見て、その国の実情が把握できたと認識する姿勢は不遜そのものだと思います。
広い中国です。何十年かけて中国の友人、初対面の人たちと話をしたり教えてもらったり、また見たり訪ねたりしても、なかなか実情を把握できません。
それを数日間の滞在でいとも簡単に理解・了解し、結論づける発言をする。あるいは知ったかぶりをする。これが議員なのでしょうか。
友人、知人が多い中国ですから、どこぞの国のように「この世にうらやむものはなにもない地上の楽園」であってくれるならばいいのですが、実際の中国は日本同様に楽園ではありません。
中国の成長と躍動が本当だとすれば、なぜ短期間に達成できたとされているのでしょうか?
成長と躍動が喧伝されるなか、なぜ地方から北京に出て、中央政府に直訴する農民が絶えないのでしょうか?
今からでも遅くはありません。ノーテンキな発言をしているということは、読んでないでしょうから。
例えば、農村の実態、農民の窮状を具体的かつ詳細に、中国人自身が書き綴った『中国農民調査』でも熟読してみていただきたい。
ごく普通の中国人から、国会議員が「利用されまくってますね」と言われるほど、哀れなことはありません。
それに、日本とは比べものならないほど格差が広がる中国に行ってさえ、この程度の甘い認識だとすると、議員連中には日本の格差の現実などまず認識することはとうていできないでしょう。
暗澹たる気持ちになりました。
日本語を勉強するため、「人民日報」の日本語版をテキストとしている中国東北部にいる北京人と話をしているときの言葉です。友人の日本語はかなり上達していると感心すると同時に、真髄を突いていると思います。
小沢一郎幹事長を団長とする民主党代表団の訪中についてです。
「人民日報」の日本語版では、「日本の国会議員143人が直に見た中国」として、このように伝えられています。
民主党副幹事長の福田昭夫議員は北京通州区張家湾鎮皇木廠村村の共産党支部書記から説明を受けると、こう言ったそうです。
「日本では、農村建設も大きな課題だ。今日ここで、新しい形の農村を目にした。ここでは高齢者の生活が資金面で援助されている。われわれは学んだものを持ち帰らなければならない」
オリンピック写真室で写真を見た斉藤進議員は、「どの写真もすばらしい。オリンピックの雰囲気が感じられ、オリンピックのために中国の人々の払った努力が伝わってくる」
これはかなりおかしいと感じ、ちょっと検索をかけてみると、産経新聞がこんなことも伝えていました。
「8月の衆院選で初当選し、中国を初めて訪れた玉木雄一郎衆議院銀は、「中国の成長と躍動を実感した。政権交代したので、中国と党レベルでの新しい展開をつくっていくことが大事だ」と感想を語った。
今回の訪中、中国共産党中央対外連絡部と中華全国青年連合会の招待だそうです。数日間の招待旅行で、見せつけられるものだけを見て、その国の実情が把握できたと認識する姿勢は不遜そのものだと思います。
広い中国です。何十年かけて中国の友人、初対面の人たちと話をしたり教えてもらったり、また見たり訪ねたりしても、なかなか実情を把握できません。
それを数日間の滞在でいとも簡単に理解・了解し、結論づける発言をする。あるいは知ったかぶりをする。これが議員なのでしょうか。
友人、知人が多い中国ですから、どこぞの国のように「この世にうらやむものはなにもない地上の楽園」であってくれるならばいいのですが、実際の中国は日本同様に楽園ではありません。
中国の成長と躍動が本当だとすれば、なぜ短期間に達成できたとされているのでしょうか?
成長と躍動が喧伝されるなか、なぜ地方から北京に出て、中央政府に直訴する農民が絶えないのでしょうか?
今からでも遅くはありません。ノーテンキな発言をしているということは、読んでないでしょうから。
例えば、農村の実態、農民の窮状を具体的かつ詳細に、中国人自身が書き綴った『中国農民調査』でも熟読してみていただきたい。
ごく普通の中国人から、国会議員が「利用されまくってますね」と言われるほど、哀れなことはありません。
それに、日本とは比べものならないほど格差が広がる中国に行ってさえ、この程度の甘い認識だとすると、議員連中には日本の格差の現実などまず認識することはとうていできないでしょう。
暗澹たる気持ちになりました。