ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

まるで おとぎ話

2023-10-26 | 発達性協調運動障害児

先日、久しぶりにダイスケ君(小3)のレッスンをしました。

御家族が入院されたので、暫くレッスンをお休みしていたのです。

 

3ヶ月ぶりに会ったダイスケ君は背が伸びて、
すっかり少年になっていました。

御挨拶を済ませ、ピアノの椅子に座らせようとした途端、

「先生あのね、鬼から電話がね。。。」

と鬼の話を始めました。

最初は何の事か分かりませんでしたが、
よく聞いてみると。。。

【鬼から電話】というアプリがあって、
ダイスケ君は、その話をしていたのです。

例えば、ゲームばかりしていると、
お母さんのスマホが鳴り、

「約束の時間を守りなさい

~と、鬼から電話で叱られる~というアプリです。

今、結構流行っているみたいですね。

 

ダイスケ君は、その鬼を怖がっているのか?
それとも面白がっているのか?

おそらく両方だと思うのですが、

久しぶりのレッスンだというのに、
鬼の声の真似をしたりして、夢中で喋り続けます。

 

 

「ダイスケ君、そんなに鬼の話ばかりしないでよ。
ららみ先生、怖くなっちゃうよ。」

「あっ、ごめんなさい。」

ダイスケ君は、申し訳なさそうに謝りました。

 

「あのねダイスケ君、
そんな怖い鬼に、優しい音楽を聴かせたらどうなるかしら?」

「う~ん。。。優しくなるかな?」

「うん、優しい音楽は人を優しくするから、
きっと怖い鬼も優しくなるんじゃないかな?」

「じゃあ、僕弾いてみる。」

そう言って、ダイスケ君は宿題の【※ちょうちょう】を弾きました。
   ※ぴあのどりーむより

 

久しぶりにダイスケ君の音色を聴いたら、
所々、リズムに揺れがありました。

速くなったり遅くなったりしていたのです。

なので私は

「ねえダイスケ君、まずららみ先生が優しい気持ちで弾くね。
その優しい気持ちをダイスケ君が受け取って、
ダイスケ君も優しく弾いてね。
きっとそれが鬼にも伝わると思うから。」

と言いました。

お手本を聴かせることによって、
リズムの揺れを矯正しようと思ったのです。

 

「うん、分かった

「鬼は相当怖ろしいから、
1回聴かせたくらいじゃ無理だよね。
何回聴かせたら鬼は優しくなるかしら?」

「20回かな。 僕、20回弾くよ

「え~っ、それは凄いね。
でも、まず3回やってみようよ。
ららみ先生→  ダイスケ君→  ららみ先生→   ダイスケ君。。。
順番順番で3回弾こう

 

その後約束通り、私とダイスケ君は、
順番に3回ずつ【ちょうちょう】を弾きました。

勿論私もダイスケ君も、優しい音色を意識して弾きました。

 

「ダイスケ君、3回共、凄く優しい音で弾けましたね。」

「はい、優しく弾きました。」

「音の長さも速さも100点でしたよ。素晴らしいです

「はい。」

ダイスケ君は嬉しそうです。

 

「これでどうでしょうか?
鬼は優しい気持ちになったと思いますか?」

「はい、なったと思います。」

「あ~良かった。
これでららみ先生も安心しました。
どうもありがとう。」

私がそう言うと、
ダイスケ君は、満足そうに笑いました。

そして、あとの2曲も、優しい音色で弾く事を意識して弾いていました。

 

ピアノの音色で怖い鬼を更正?

純粋でロマンチストのダイスケ君らしく、
まるで お伽話みたいなレッスンになりました。

 

 

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