goo blog サービス終了のお知らせ 

「ボクセルポリゴンな日々」 - UnityでMakersとVRをつなぐ挑戦 -

Unityプログラムで3DCGアセットデータをVRや3Dプリンターで利用可能にする最新技術や関連最新情報を紹介します。

【ニュース】Photoshop最新版が3Dプリンター出力サポート機能を搭載!

2014年01月16日 21時01分14秒 | 3Dプリンター
Adobe社の代表的な画像編集ツール「Photoshop」については知らない人はにないと思いますが、

最新版の「Photoshop CC(Creative Cloud)」において、

なんと3Dプリンターでの立体出力をサポートする機能を搭載してきました。

筆者が集めた情報によりますと、以下の機能を有しているそうです。


1.3DCGモデルのポリゴン数縮減機能

  → ポリゴン数を任意の数に減らす機能です。
 
2.ポリゴンモデルのボクセル化

  → 「ボクセル」すなわち画像データにおけるピクセル(=画素)に匹敵する
    立体表現の最小単位立方体を使ってポリゴンモデルを厚みのある立体データ
    に置き換えます。

3.ボクセル化に伴うポリゴンモデルの立体出力対応化

  → 3Dプリンターでの立体出力を考慮していない3DCGモデルをボクセル化する
    ことにより、厚み情報を持った3Dプリンター出力対応の3Dデータに作り変
    えられます。

4.サポート材の自動設定機能

  → 3Dプリンターで立体出力する際、人間の腕や髪の毛等の細い部分を支える
    「サポート」と呼ばれるパーツの出力について自動で指定できる機能を
    搭載しています。※
 
    ※ サポートは3Dプリンター出力用ツールでも自動的に設定できますが、
      Photoshop CCの新板では光造形型3Dプリンター出力を想定している
      との事です。但し一部の低価格機種には適合できない可能性を指摘
      する声もあります。

5.出来上がった3Dデータの立体出力サービスへの連携

  → このサービスは米国等での限定利用になる可能性がありますが、
    メニューし並べられた立体出力サービス会社に作成したデータを送付して
    立体出力を依頼できる機能が用意されています。


元々Photoshopは3DCGとは無縁のツールと思われがちですが、
CreativeCloud世代のず~っと前から3DCGデータをプレビューしレンダリングできる機能は用意されていました。

そしてその機能をやっと役立てるステージとして、「3Dプリント」機能が用意された訳です。

筆者もPhotoshop CS4を画像加工と印刷に活用していますが、

2D印刷だけにとどまらず、3D印刷においてもデファクトスタンダードを取ろうとする

Adobe社の攻めの姿勢に敬服します。




これは、3Dプリントが一般に普及する勢いの強さを示す事象でもあると思います。


先日、アメリカではInternational CES(国際消費者向けエレクトロニクスショー)が開催されました。

ここで3Dプリンター大手各社は一斉に低価格な3Dプリンターの発表を行っています。

そして日本円で8万円を切る野心的な価格の3Dプリンターが大手3Dプリンターメーカーから登場しています。

こうした動きに呼応するかのように、3Dプリンターをサポートするソフトウェアも

低価格&初心者向けの新しいツールが登場してきています。

今年は昨年よりもさらに3Dプリンターとその出力品を個人が楽しめるようになりそうです。(^^)

【遅】明けましておめでとうございます。

2014年01月10日 18時21分05秒 | 3Dプリンター


新年明けましておめでとうございます。

本年も当ブログを宜しくお願い致します。


って、1月10日で既に大阪ではえべっさん(えびす講)が始まっちゃってます。遅いよ私!><。



しかし、なぜ最近ブログの更新をせずここまで引きずっていたかというと、

直近で様々な案件が動いていて、それに対応せざるを得ないという事情があります。

どれくらい大きな案件かというと、

思わず事務所の模様替えを実行しなければならない程の案件です。

(ちなみに現事務所は2008年に今の場所に移って以来一度もレイアウト変更はしていません。)


今年も3Dプリンターに関する様々な新情報や新サービス、新機種をお伝えしていこうと思います。

また、私が進めているプロジェクトも今年は様々な展開が予定されています。

まだ今はオープンにすることは出来ませんが、その時期が来たらご報告したいと思います。



・・・・・

あ、それと、

昨年12月24日のクリスマスに、新しいMMDモデルをリリースしました。

今度は「電車」です。

しかもこれがMMDモデル初の京阪電車となります。

その名も「2代目1000型」・・・って、阪急電鉄の最新鋭電車じゃないですよ。

こちらはなんと今から77年前に新造された電車なのです。



画像を見て頂いて分かる通り、

実は質感モーフを搭載していて最新鋭の京阪電車カラーに変更することが出来ます。

「そんなことして何の意味がある?」って?もちろん俺得のためです。(^^)

その他にも様々な部分が動き、変わり、光ります。

・台車の回転
・車輪の回転
・ブレーキの緩&解(モーフ対応)
・ワイパーの回転
・客用扉の開閉(モーフ対応)
・乗務員扉の開閉(モーフ対応)
・車内乗務員扉の開閉
・吊り革のスイング(個別ボーン&親ボーン対応・全体スイングモーフあり)
・クロスシートの転換(一斉転換モーフあり)
・前後ヘッドライトの点灯/消灯(モーフ対応)
・前後尾灯の点灯/消灯(モーフ対応)
・戸締保安灯の点灯/消灯(モーフ対応)
・パンタグラフの上げ下げ(モーフ対応)
・車体色の変更(旧特急色・旧普通色・エレガントサルーン色・コンフォートサルーン色・新普通色)
・ヘッドライト・尾灯・戸締保安灯のAutoLuminousへの対応

これだけやるのに車体にボーンを入れまくりました。(汗)

今後時間ができたらヘッドマーク(京阪鳩マーク)とか作っていきますので、よろしくお願いします。

MMDモデルデータのDLはこちらからお願いします。(^^)


「3DCGと3Dプリンターで同人Makersを目指す勉強会」開催しました。(^^)

2013年12月10日 18時38分26秒 | 3Dプリンター

(写真提供:高橋 謙司様)

ということで、先日このブログでご案内しました。

「3DCGと3Dプリンターで同人Makersを目指す勉強会」(於:fablab北加賀屋)

を無事開催することが出来ました。

講師の私を入れて12名というこじんまりとした勉強会でしたが、

ご参加の皆様は熱心に講義に耳を傾けて下さいました。

また、今まで私が3Dプリンターで出力してきた作品も一堂に展示しました。

材料は石膏粉末式フルカラーおよびFDM方式のABS素材、そして光硬化型樹脂の3種類でした。

以下の写真は勉強会参加者のS.J様が撮影された当日の展示状況です。




なお、S.J様はご自身のブロマガで今回の勉強会についての内容を詳細に取り上げて下さっています。

興味をお持ちの方は是非ご一読をおすすめします。(^^)

S.Jのブロマガ
MMD×3Dプリンター勉強会参加レポート(S.J様)



そして、私の方からも当日の勉強会の際に使用したパワーポイント資料をPDF化したものを以下のURLで公開致します。


「3DCGと3Dプリンターで同人Makersを目指す勉強会」PDF資料


・・・・・・・・・・

今回の勉強会の内容を読まれた方は、

「あれっ?3Dプリンターよりも3DCGの話が多いぞ?」

と気づかれると思います。


これは3DCGデータの、とりわけキャラクターモデルの歴史を紐解くことで、

3DCGがいかに発展してきたかという技術的側面と、

3DCGによって描き出されるキャラクターモデルを立体出力する意義を追求したかったのですが、

今回は3DCGの歴史と技術を説明するので手一杯でした。

次回は具体的に3DCGキャラクターを動かして、その結果を3Dプリンターで出力するという

ワークショップ形態の勉強会を実施したいと考えています。


そして、3Dプリンターを使って立体出力を楽しむには、

3Dデータのモデリングについての原理原則を厳密に学ぶより、

手近なデータを自分好みに加工して3Dプリンター出力するという楽しみを、

多くの方に知って頂きたいと考えています。


また近いうちに勉強会を企画したいと考えていますので、

その際は宜しくお願い致します。

要注目まとめ:「MMDモデルと3Dプリンタ出力の可否」(^^)

2013年12月05日 12時02分33秒 | 3Dプリンター

艦娘も3Dプリント。MMDデータを3Dプリンタ用データに変換する「ボリュメトリック・ラスタライザ・エンジン」(Gizmode)
http://www.gizmodo.jp/2013/12/pc-9801ra3dmmd3d.html

先日、「EasyRecaster」の根幹技術である「ボリュメトリック・ラスタライザ・エンジン」をギズモード様に記事として取り上げられた時、

ツイッター上ではMMDを使って映像制作をされてらっしゃる方(=MMDerさん)を中心に様々な論議がタイムライン上で繰り広げられました。

 

私の見られる範囲でタイムラインを追いかけると、想像通りMMDer皆さんは以下の点について懸念を持たれているようでした。

 

1.自分の作ったモデルが勝手に立体出力されて販売される事態になるのでは?

2.作者の了解を得ず勝手に立体出力をやっちゃう人がかならず出てくる。

3.2次創作3DCGモデルなのに、勝手に立体出力されてフィギュアとして販売されるかも知れない。

 

これらの問題は、3Dプリンターの普及とともにいずれ表面化するものと思われます。

しかし、3Dプリンターがこれから普及しようとしている現時点において、

これらの論議をスタートできることは非常に有意義なタイミングだと思います。

 

こうしたタイムライン上のご意見を几帳面に収録し、

ツイートのまとめサイト「Togetter(トゥギャッター)」に掲載された方がいらっしゃいます。

とらみ(@tryme_)さんです。

 

このまとめには上記で紹介したMMDerさんの不安や、逆に3Dプリンターへの希望。

そして上記の不安への対策を提案されているMMDerさんの意見がまとめられています。

 

MMDerさんも、そしてまだMMDを触ったことがないけど3Dプリンターには興味ある方も、

ご一読をおすすめします。(^^)

 

MMDモデルと3Dプリンタ出力の可否 - Togetterまとめ

http://togetter.com/li/597760


プラスチック粉末積層型最新フルカラー3Dプリンター、登場!

2013年12月03日 17時36分19秒 | 3Dプリンター
Introducing 3D Systems' ProJet® 4500 3D Printer


衝撃的な最新3Dプリンターが登場しました。


フルカラー3D立体出力(最初から色付きで立体出力物が製造できる)が可能な3Dプリンターといえば、

今までZPrinterシリーズ(現在はProjetシリーズ)の独壇場でした。

その方式は、敷き詰められた微細な石膏粉末に接着剤と同時にカラーインクを吹き付け、

インクジェットプリンターの原理で色を付けながら一層ずつ印刷を行い、

一層が終わると印刷面をわずかに下にさげて新しい石膏粉を敷き詰め、再度印刷を繰り返す。

最終的に石膏分に覆われた形で立体物は形成され、粉の中から「発掘」さながらの作業で完成した立体物を取り出します。


しかし、石膏粉を接着剤で固めただけの出力物はとても脆く、

取り出した後「含浸」という工程でシアノアクリレート系有機溶剤(アロンアルファ系の瞬間接着剤の原料)を吸収させることで最低限の強度を持った出力物になります。

それ故に、この最終工程作業には粉の飛沫を処理できて、なおかつ有機溶剤に対する防護が可能な環境での作業が要求されます。

すなわち一般オフィスの中でとか、住居環境の中では出来ない作業なのです。

また、この後工程があるためにZPrinterによるフルカラー3D出力物は普及型の3Dプリンター出力物と比較して割高な費用がかかっていました。



もしこれらの後工程の問題が解決すれば、

フルカラー3Dプリンター出力はもっと手軽になると思っていました。


ところが!

今日その問題を解決した新型フルカラー3Dプリンターが登場したのです。

それがProjet4500シリーズです。

12月3日に行われる3Dプリンター等機器の展示イベント「EuroMold 2013」にて初披露されるとのことです。


このProjey4500は、従来の石膏粉末材料からプラスチック粉末材料に切り替えたことが最大の特徴です。

そして積層時は接着剤で固めるのではなく、デモ映像を見る限りレーザーで溶融積層を行なっています。

このため、上記で説明した「含浸」工程がまるまる不要になっています。

すなわち、後加工でシアノアクリレート系有機溶剤を含浸させて出力物の強度を上げる必要はないのです。


さらに、プラスチック材料である優位性として「出力品の弾性が向上した」があります。

石膏粉末出力品は含浸をかけた後でも壊れやすく、少しのショックで割れたり欠けたりすることがしょっちゅうありました。

しかし今度の新型ではプラスチック材料となったため壊れにくくなっただけでなく、

ボール型のものは床に落とせば跳ね返るといった弾性を持ったものまで作られるようになりました。

これにより、iPhoneケースだとiPhoneを実際に嵌めこむことができる最終製品をこれ1台で作成することが可能です。


これが何を意味するのか?答えは簡単です。

この新型3Dプリンターは、工業製品の試作物を作るためのものではありません。

これ1台で、金型を作らずにカスタムなプラスチック製品を一気に製造できるパフォーマンスを持った工業機械なのです。

例えば家庭用プラスチック製品。

例えば電化製品の本体ケース。

例えば趣味のプラスチック模型のカスタム製造。

そして、例えば完全少数ロットオーダーのフィギュア生産。

おそらく金型1個を発注する値段の2-3倍ちょいの値段でこのフルカラー3Dプリンターを購入すれば、

こうした製品を作っている現場だと、精度が許されるならば直ぐに元が取れてしまいます。

特にフィギュアの生産においては、金型生産に対抗しうる量産価格を叩き出せる可能性があります。

今後は 金型の持つ最大の優位性である「表面の美しさ」で勝負するか、

量産個数を増やして単価が下げれる商品で差別化を図るかのいずれかでの勝負となってきます。


いずれにせよ、2013年の年末に凄いニュースがやってきたものです。

まさに3Dプリンター元年の最後を飾るに相応しい3Dプリンターとなるでしょう。(^^)