読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「あの日、マーラーが」

2015年12月01日 | 日記
藤谷 治(朝日新聞社)

音楽を文字で表現できるというのは素晴らしい。
後半のマーラーの第五交響曲を、第一楽章から第五楽章まで、聞いている登場人物たちの感情を交えて多彩に表現できている。
久しぶりに感動できた小説だった。前半は少々ゆったりしすぎの感があるが、後半からスピードに乗る。
実際の錦糸町ホールであった事実から小説としてつづった物語だが成功していると思う。

内容紹介は
『2011年3月11日。 東京・錦糸町の錦糸ホールで新世界交響楽団のコンサートが開かれようとしていた。
演目はマーラーの交響曲第5番。しかし、14時46分、世界の風景が一変する。
震災による混乱の中、3カ月前に離婚したばかりの八木雪乃、 音楽評論家の永瀬光顕、アイドルおたくで今は楽団のヴァイオリニストのファンである堀毅、夫亡き後三田のワンルームマンションで暮らす川喜田すずらは会場に向かうが……。
NHKでドキュメントにもなった実在のエピソードに着想を得た、音楽と人間の関わりを見つめる傑作長編』

マーラーの五番がこのような曲だったのかと再認識。音を文字にできるという意味でも傑作でしょう。
良い言葉に出会った。・・・『芸術は、人間を人間たらしめるものだ』
音楽好きに沿勧め。
コメント
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