魔法の弾丸

自己に対する選択毒性

ほんとうに出会った者に別れはこない

2011-08-19 23:06:32 | Weblog

あなたはそこにいた 退屈そうに
右手に煙草 左手に白ワインのグラス
部屋には三百人もの人がいたというのに
地球には五十億もの人がいるというのに
そこにあなたがいた ただひとり
その日その瞬間 私の目の前に


あなたの名前を知り あなたの仕事を知り
やがてふろふき大根が好きなことを知り
二次方程式が解けないことを知り
私はあなたに恋し あなたはそれを笑い飛ばし
いっしょにカラオケを歌いにいき
そうして私たちは友達になった


あなたは私に愚痴をこぼしてくれた
私の自慢話を聞いてくれた 日々は過ぎ
あなたは私の娘の誕生日にオルゴールを送ってくれ
私はあなたの夫のキープしたウィスキーを飲み
私の妻はいつもあなたにやきもちをやき
私たちは友達だった


ほんとうに出会った者に別れはこない
あなたはまだそこにいる
目をみはり私をみつめ 繰り返し私に語りかける
あなたとの思い出が私を生かす
早すぎたあなたの死すら私を生かす
初めてあなたを見た日からこんなに時が過ぎた今も

あなたはそこに/谷川俊太郎



映画を観たり、舞台を観にいったり、ライブを聴いたり、詩を読んだり。


集中することは視野を狭くすることでもあるのです。



僕は、自分が好きなこともしたいのです。

同じような人間にはなりたくないのです。



久しぶりに詩集を味わうと、心の躍動を感じました。



まだ自分らしくいられているのかな。

もはや誰にも届かないこのブログも存在する意味があるのかな


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未来

2011-08-14 19:23:38 | Weblog
以前、ある短編の中で、人の魂はみなそれぞれの塔の上に一人だけ住んでいると書いたことがありました。社会というのは、そのような塔の立ち並ぶ平原であって、その上に一人ずつ人が住んでいる。われわれは互いに他の人を見ることはできるし、大声でどなって話をすることもできるけれども、なにしろ塔の上にいるのだから抱き合うことはできない。そのためには、塔をおりなければならないのに、ぼくたちはみな身体というものの囚人だから、一緒にはなれない。魂は身体の内部に閉じ込められているから、魂同士は融合できない。誰かを愛すると言っても、そこにはどうしても距離がある。ぼくの心は他の誰か心と融け合うことはできない。これが孤独と悲しさの理由ではないかと思ったのですが。

未来圏からの風/文・池澤夏樹 写真・垂水健吾






今、僕の心は迷っています…












自分なりの誠意を込めたつもりが

2011-08-12 23:54:08 | Weblog

僕は、裏切られてもいいから、全面的に信頼したいのです。
心の内を全部見せて、それでも裏切られたら、仕方ないと思っているのです。


人間は他者との関係が必要だと思うのです。
その過程においては、多かれ少なかれ迷惑をかけているのです。


できるだけ迷惑をかけずに、何でも独りでやってしまうことは
僕にはできないのです。やれる能力もないのです。





相手を信頼して迷惑をかけて、関係を築くことで僕は今までやってきたのです。





それさえも徹底的に否定されるのならば、僕はどうすればいいのだろうか…



もう限界なのかな。