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うたのイラスト(「胸の振子〔ふりこ〕」)

服部良一さんという人は、稀代のメロディーメーカーで、
この「胸の振子」も何ともロマンティックなメロディーが快い。
作詞は詩人のサトウ・ハチローさん。
「胸の振子」というタイトルは、分るようで分らない。
心の中で、通奏低音のように続く想い、ということだろうか。
しかし、二人きりで何も言わずに空を見つめているというロマンティックな情景に、何か諦念のような、暗い影が差すのも感じられる。

暗いこの世という言葉が出て来るが、昭和22年の歌だから、戦争の影というわけではないだろう。
生活は今よりずっと苦しかっただろうが、本質的には人生の苦しさは今と変わらないだろう。
生きるつらさを慰める「君のあかるい笑顔」とは、この歌自体の持っている優しさなのかもしれない。
YouTubeで石川さゆりさんが歌っているバージョンが素敵だ(観客席の声が少々うるさいが)。CDになっているのだろうか。

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