■『宇宙のしくみ 星空が語る』(誠文堂新光社)
藤井旭/著
「ビジュアルサイエンス」というだけあって、間近で見ているような天体写真が満載で、見ているだけでもうっとり。
内容は以前読んだのとかぶる部分もあるけど、より詳しく、広範囲に知ることができる1冊。
【内容抜粋メモ】
●月
「ジャイアント・インパクト」
巨大衝突説。生まれたての地球に火星大の天体が衝突し、飛び散った破片が集まって月になった。
月が地球の周りを公転するのと、月自身の自転の周期が一致しているため、地球から見える面はいつも同じ表側だけ。
低い月は大きく見えるのは、ヒトの目の錯覚によるものらしい
月が宇宙進出の基地になることは間違いなさそう(
地球を出発してわずか4日ほどで到着できる
海水が1日2回満ち引きするのは、月と太陽が海水を引っ張り合うことによるもの。
満月・新月の頃は満ち干がとくに大きい「大潮」、上弦・下弦の半月の頃は小さめの「小潮」となる
「星食」
月がその背後に星座を隠すことがある。1年に20回ほど。詳細は「天文年鑑」等で知ることができる。
「惑星食」
月が明るい惑星をその背後にかくす現象。見られるチャンスはめったにない。
●太陽系
「ハビタブルゾーン」
太陽からの距離が生命の居住環境に好適とされる範囲。
「水星探査機メッセンジャー」
水星を周回してデータを送り届けている。
●金星
地球と双子の惑星といわれるくらい似ているが、高温・高圧の恐ろしい環境は「温室効果」のせい。
2012.8.14は「金星食」(私なにしてたっけ?
●火星
接近ごとに地球と火星間の距離が違うため、15年ごとに大接近と小接近が繰り返される。
火星の軌道はずっといびつ。
「テラフォーミング」
希薄な二酸化炭素の大気を少しずつ酸素に変え、地下の水などを利用できるよう工夫すれば、
第2の地球にできるかもといわれている。ただ、1000年以上必要
火星はかつては大海原が広がり、生命も存在したらしいといわれる。
「火星人襲来!?」
1894年以来、私財を投じて建てた天文台で火星観測をはじめたパーシバル・ローウェルが、
火星に見える無数のスジ状構造が知的火星人が建設した運河だと主張して関心を集めた。
1898年、H.G.ウェルズの「宇宙戦争」が大ベストセラーになる。
1938年、オーソン・ウェルズによってラジオドラマ化され、4回も「これはドラマです」とことわりを入れたにも関わらず、
聴いていた人がパニックになり、逃げまどう事件が起きた
タコ型宇宙人は何回見てもカワイイねぇ!
●小惑星
「小惑星帯メインベルト」
火星と木星の間には、ミニ天体の小惑星の大群が漂っている。
小惑星の中には衛星をもつものが多い。
●木星
「ガリレオ探査機」
木星の周囲を巡って詳しい観測を行った。
●土星
土星の環の厚さは100mにもならない極薄なので、15年ごとに「環の消失」現象が起こる。
「カッシーニ探査機」
土星の周りを4年以上周回し、ようすを探っている。
●冥王星、太陽系外縁天体たち
「探査機ニューホライズン」が2015年に冥王星に到着予定。
さらに観測が進めば、第9番目の惑星も見つかるかもしれないと期待される。
●彗星
彗星本体の「核」の大きさは、直径10km前後。もろい核は、しばしば分裂が観察される。
コマが頭部をつくり、太陽の反対方向に尾が伸びる。進行方向の反対にのびるわけではない。
「周期彗星」は、おもに木星などの強力な重力で軌道が楕円に変えられ、太陽を周回するようになった。
「放物線」「双曲線軌道」は地球に再接近することがなく一度だけの出会いになる。
彗星は生命の運び屋の役割をしているのかも
「マックノート彗星」
2007年に見えた史上最大級の大彗星。昼間でも見えた。次に見れるのは約9万年後。
「ヘール・ボップ彗星」
5000年前に出現、次回は2400年後に戻ってくる。
周期は少しずつ短くなっていくものがある。
「オールトの雲」
太陽系外縁天体より1光年離れた辺りに、太陽系全体を丸く取り囲むように無数の小天体が浮かんでいるらしい。
●流れ星
太陽系に漂う砂粒ほどの小さな塵が、秒速10kmという猛スピードで地球の大気圏に飛び込んで発光するもの。
「散財流星」は夜半後のほうが多めに見られる。
満月クラスの明るさの「火球」だと、稀に地上に隕石として落ちてくる。
●流星群
流星群を出現させるのは、周期彗星たちがその軌道上にまき散らしていったチリの群れ。
彗星の軌道と地球の出会う場所が毎年決まったころになるため、流星群の出現時期も毎年同じころになる。
「しし座流星雨」
チリの濃いかたまりに遭遇すると、流星群より多くの流れ星が出現する。
1833年の「しし座流星雨」では、人々は「世界が火事だ」と泣き叫んだとも伝えられている(怖いよ・・・
●隕石
火星と木星間をめぐる小惑星帯からやってくる。
中には太陽系の誕生前の赤色巨星や超新星爆発のチリなどを含む「炭素質球粒隕石」もある。
人類が最初に鉄に接したのは「隕鉄」だったともいわれる。
「火球」の中には、雷鳴のような大音響で地上に落ちてくるものがある(どんな音だろう・・・
●クレーター
地球に衝突した直径10kmの小惑星衝突で恐竜が絶滅したとされる。
ユカタン半島あたりに直径180kmのクレーターがその証拠として残っている。
地球では侵食・風化で古いクレーターは消えてしまう。
「アリゾナ隕石孔」
5万年前の衝突跡。
地球衝突の危険性のある小天体はいくつか知られているが、「アポフィス」の動向が注目されている。
今のところ直径1km以上の危険天体は見つかっていないので心配ない。
彗星の大きめの核の衝突エネルギーは、水素爆弾10万個分と同じ
木星面にのこった衝突痕
「直方隕石」
世界最古の落下目撃隕石。「飛び石伝説」が語り伝えられている。
桐の箱の裏に「貞観3年・・・」と書かれている。西暦861年。
1492年の「エンジスハイムの隕石」が最古とされていたが、それより600年も前。
******************************星の一生
●原始星
星と星の間の真っ暗な部分には「星間分子雲」が大量に漂っている。
とても希薄で、-260度という冷たさゆえ目では見えない。
●散開星団
「星間分子雲」の中では、星の卵となる濃いかたまりができる。
星は数百個以上の集団となって生まれるのがふつう。
すばる
●太陽
太陽活動はすべて磁力線で操られている巨大な発電機のような性質をもつ。
「コロナ」の温度は100万度近い。加熱の原因はまだ分からない。
太陽の終わりは「惑星状星雲」→「白色矮星」が残り→「黒色矮星」となって消える。
「白色矮星」の大きさはほぼ地球大。スプーン1杯のかけらでも約1トンの重量。
「赤色超巨星」
重く生まれた星は、より明るく激しく輝くため、燃料消費が激しく、短時間で一生の終わりが近づき「赤色巨星」に変身する。
「くじら座のミラ」は赤色巨星のひとつ。
「近接連星」
2つの星が隣り合ってめぐる。
「コール・サック」(石炭袋)
南十字星の近くに真っ黒な暗黒星雲がある。
「石炭袋・・・空の穴だよ」『銀河鉄道の夜』
●超新星は超重量級の星の最期の輝き
「ベテルギウス」は赤色超巨星。
1987年、青色超巨星が超新星爆発を起こした。
●星の世代交代
超新星爆発後、金、銀、銅、鉄、ウラン、プラチナなどを一瞬で作ってまき散らし、
次の星づくりの素材としてリサイクルされることが、太陽系の化石天体(隕石)に含まれる物質から明らかになった。
●超重量級の星の終末はブラックホール
ブラックホールには表面がなく、「事象の地平面」と呼ばれる範囲が存在するのみ。光も出れない境界線。
わたしたちは、別々の過去の星の輝きを同時に眺めている。
******************************天の川
●天の川銀河
無数の微光星の集まり。いて座とさそり座の間でもっとも幅広い。
オーストラリアや南半球では、頭上で驚くほど明るく見える。
「おとめ座のソンブレロ銀河」
天の川銀河を真横から見たような姿。
「おおぐま座の不規則銀河」
りょうけん座の子もち銀河M51
●衝突・合体する銀河
宇宙は意外と混雑していて()、銀河同士の衝突はあちこちで見られる。
ブラックホール同士も合体して「超大量質ブラックホール」に成長するらしい。
●銀河群と銀河団
銀河はたいて群れをつくる。
重力レンズ
●ビッグバン
宇宙の膨張が加速していることが明らかになっている。
宇宙の進化
●ダークマターとダークエネルギー
ダークマター(暗黒物質)やダークエネルギーの正体はまだつかめていない。
宇宙の膨張や伸縮、将来像にかかわっているといわれる。
●宇宙のかたち
「閉じた宇宙」
「平坦な宇宙」WMAPの温度パターンから、宇宙の曲率はほぼ0だと示している。
「開いた宇宙」
「並行宇宙」「多宇宙(マルチバース)」
「ブレーン(膜)宇宙論」
宇宙は高次元の膜でできていて、永遠の過去から未来につながっており、
すぐ近くにありながら、お互い見ることも触ることもできず再生を繰り返しているという説。
大反跳ビッグバウンス説
******************************惑星
「池谷・関惑星」
1965年、2人が同時に発見した超彗星。
当時の若い天文ファンらを熱狂させ、以後、日本人の「コメットハンター」を続出させた。
1956~1976年は、まさに大彗星の当たり年だった。
「アレンド・ロラン彗星」
頭部から太陽方向に尾がのびる“アンチ・テイル”が印象的だった。
●ハレー彗星
「ハレー探査機ジェット」が頭部に大接近、ジャガイモのような核の姿をとらえることに成功した。
●しし座流星群
2001年、約33年ごとに繰り返された流星雨が出現した。1晩に約8000個。
●金星日面経過
2004年、日本で130年ぶりに見れた。
金星の日面経過は稀で、2012年を見逃すと、次は105年後(わたしは何してたっけ?
「串ダンゴ皆既日食」
1991年、バハ・カリフォルニア半島で、太陽中心、月中心、地球中心を一直線に貫く串ダンゴのような日食が見られた。
******************************星空観察
赤く点滅する航空機などを除き、明るい光点が動いているのは人工衛星の場合が多い。
中でも明るいのは「国際宇宙ステーション」/驚
●双眼鏡
倍率は5~7倍と低いが、肉眼よりは見える。
●天体望遠鏡
レンズや反射鏡の口径が大きいほど像が明るく鮮明に見えるという性質がある。
倍率は焦点距離の短い接眼レンズを使うほど大きくなるので、望遠鏡選びの基準にしなくてもよい。
天体を自動的に視野内に導入できるものもある/驚
気流の乱れが安定した晩に見ること。
「シュミット・カセグレンン」「屈折望遠鏡」「反射望遠鏡」(ニュートン式)
デジカメやケータイのカメラに望遠鏡をのぞかせて写すと、月面など明るい天体は簡単に写しとれる。
●プラネタリウム
全国およそ300館以上の科学館やプラネタリウム、公開天文台があり、
季節ごとのプラネタリウム投影、天体観望会を開催している。
注目の季節の星座
<夏>
「南斗六星」を見つければたどりやすい。
「カシオペヤ座」
<秋>
秋の星空は、たったひとつの星座神話から成り立っている。
「ペガススの大四辺形」
「アンドロメダ座の銀河M31」
<冬>
全天一の輝星「シリウス」「プロキシオン」「ベテルギウス」の冬の大三角形。
「ヒアデス星団」「プレアデス星団(すばる)」
黄色味を帯びた1等星「カペラ」
<春>
「スピカ」「春の大曲線」
著者の藤井さんは、那須高原に「白河天体観測所」をつくった。
その後、オーストラリアに「チロ天文台」をつくる。「星になったチロ」
藤井旭/著
「ビジュアルサイエンス」というだけあって、間近で見ているような天体写真が満載で、見ているだけでもうっとり。
内容は以前読んだのとかぶる部分もあるけど、より詳しく、広範囲に知ることができる1冊。
【内容抜粋メモ】
●月
「ジャイアント・インパクト」
巨大衝突説。生まれたての地球に火星大の天体が衝突し、飛び散った破片が集まって月になった。
月が地球の周りを公転するのと、月自身の自転の周期が一致しているため、地球から見える面はいつも同じ表側だけ。
低い月は大きく見えるのは、ヒトの目の錯覚によるものらしい
月が宇宙進出の基地になることは間違いなさそう(
地球を出発してわずか4日ほどで到着できる
海水が1日2回満ち引きするのは、月と太陽が海水を引っ張り合うことによるもの。
満月・新月の頃は満ち干がとくに大きい「大潮」、上弦・下弦の半月の頃は小さめの「小潮」となる
「星食」
月がその背後に星座を隠すことがある。1年に20回ほど。詳細は「天文年鑑」等で知ることができる。
「惑星食」
月が明るい惑星をその背後にかくす現象。見られるチャンスはめったにない。
●太陽系
「ハビタブルゾーン」
太陽からの距離が生命の居住環境に好適とされる範囲。
「水星探査機メッセンジャー」
水星を周回してデータを送り届けている。
●金星
地球と双子の惑星といわれるくらい似ているが、高温・高圧の恐ろしい環境は「温室効果」のせい。
2012.8.14は「金星食」(私なにしてたっけ?
●火星
接近ごとに地球と火星間の距離が違うため、15年ごとに大接近と小接近が繰り返される。
火星の軌道はずっといびつ。
「テラフォーミング」
希薄な二酸化炭素の大気を少しずつ酸素に変え、地下の水などを利用できるよう工夫すれば、
第2の地球にできるかもといわれている。ただ、1000年以上必要
火星はかつては大海原が広がり、生命も存在したらしいといわれる。
「火星人襲来!?」
1894年以来、私財を投じて建てた天文台で火星観測をはじめたパーシバル・ローウェルが、
火星に見える無数のスジ状構造が知的火星人が建設した運河だと主張して関心を集めた。
1898年、H.G.ウェルズの「宇宙戦争」が大ベストセラーになる。
1938年、オーソン・ウェルズによってラジオドラマ化され、4回も「これはドラマです」とことわりを入れたにも関わらず、
聴いていた人がパニックになり、逃げまどう事件が起きた
タコ型宇宙人は何回見てもカワイイねぇ!
●小惑星
「小惑星帯メインベルト」
火星と木星の間には、ミニ天体の小惑星の大群が漂っている。
小惑星の中には衛星をもつものが多い。
●木星
「ガリレオ探査機」
木星の周囲を巡って詳しい観測を行った。
●土星
土星の環の厚さは100mにもならない極薄なので、15年ごとに「環の消失」現象が起こる。
「カッシーニ探査機」
土星の周りを4年以上周回し、ようすを探っている。
●冥王星、太陽系外縁天体たち
「探査機ニューホライズン」が2015年に冥王星に到着予定。
さらに観測が進めば、第9番目の惑星も見つかるかもしれないと期待される。
●彗星
彗星本体の「核」の大きさは、直径10km前後。もろい核は、しばしば分裂が観察される。
コマが頭部をつくり、太陽の反対方向に尾が伸びる。進行方向の反対にのびるわけではない。
「周期彗星」は、おもに木星などの強力な重力で軌道が楕円に変えられ、太陽を周回するようになった。
「放物線」「双曲線軌道」は地球に再接近することがなく一度だけの出会いになる。
彗星は生命の運び屋の役割をしているのかも
「マックノート彗星」
2007年に見えた史上最大級の大彗星。昼間でも見えた。次に見れるのは約9万年後。
「ヘール・ボップ彗星」
5000年前に出現、次回は2400年後に戻ってくる。
周期は少しずつ短くなっていくものがある。
「オールトの雲」
太陽系外縁天体より1光年離れた辺りに、太陽系全体を丸く取り囲むように無数の小天体が浮かんでいるらしい。
●流れ星
太陽系に漂う砂粒ほどの小さな塵が、秒速10kmという猛スピードで地球の大気圏に飛び込んで発光するもの。
「散財流星」は夜半後のほうが多めに見られる。
満月クラスの明るさの「火球」だと、稀に地上に隕石として落ちてくる。
●流星群
流星群を出現させるのは、周期彗星たちがその軌道上にまき散らしていったチリの群れ。
彗星の軌道と地球の出会う場所が毎年決まったころになるため、流星群の出現時期も毎年同じころになる。
「しし座流星雨」
チリの濃いかたまりに遭遇すると、流星群より多くの流れ星が出現する。
1833年の「しし座流星雨」では、人々は「世界が火事だ」と泣き叫んだとも伝えられている(怖いよ・・・
●隕石
火星と木星間をめぐる小惑星帯からやってくる。
中には太陽系の誕生前の赤色巨星や超新星爆発のチリなどを含む「炭素質球粒隕石」もある。
人類が最初に鉄に接したのは「隕鉄」だったともいわれる。
「火球」の中には、雷鳴のような大音響で地上に落ちてくるものがある(どんな音だろう・・・
●クレーター
地球に衝突した直径10kmの小惑星衝突で恐竜が絶滅したとされる。
ユカタン半島あたりに直径180kmのクレーターがその証拠として残っている。
地球では侵食・風化で古いクレーターは消えてしまう。
「アリゾナ隕石孔」
5万年前の衝突跡。
地球衝突の危険性のある小天体はいくつか知られているが、「アポフィス」の動向が注目されている。
今のところ直径1km以上の危険天体は見つかっていないので心配ない。
彗星の大きめの核の衝突エネルギーは、水素爆弾10万個分と同じ
木星面にのこった衝突痕
「直方隕石」
世界最古の落下目撃隕石。「飛び石伝説」が語り伝えられている。
桐の箱の裏に「貞観3年・・・」と書かれている。西暦861年。
1492年の「エンジスハイムの隕石」が最古とされていたが、それより600年も前。
******************************星の一生
●原始星
星と星の間の真っ暗な部分には「星間分子雲」が大量に漂っている。
とても希薄で、-260度という冷たさゆえ目では見えない。
●散開星団
「星間分子雲」の中では、星の卵となる濃いかたまりができる。
星は数百個以上の集団となって生まれるのがふつう。
すばる
●太陽
太陽活動はすべて磁力線で操られている巨大な発電機のような性質をもつ。
「コロナ」の温度は100万度近い。加熱の原因はまだ分からない。
太陽の終わりは「惑星状星雲」→「白色矮星」が残り→「黒色矮星」となって消える。
「白色矮星」の大きさはほぼ地球大。スプーン1杯のかけらでも約1トンの重量。
「赤色超巨星」
重く生まれた星は、より明るく激しく輝くため、燃料消費が激しく、短時間で一生の終わりが近づき「赤色巨星」に変身する。
「くじら座のミラ」は赤色巨星のひとつ。
「近接連星」
2つの星が隣り合ってめぐる。
「コール・サック」(石炭袋)
南十字星の近くに真っ黒な暗黒星雲がある。
「石炭袋・・・空の穴だよ」『銀河鉄道の夜』
●超新星は超重量級の星の最期の輝き
「ベテルギウス」は赤色超巨星。
1987年、青色超巨星が超新星爆発を起こした。
●星の世代交代
超新星爆発後、金、銀、銅、鉄、ウラン、プラチナなどを一瞬で作ってまき散らし、
次の星づくりの素材としてリサイクルされることが、太陽系の化石天体(隕石)に含まれる物質から明らかになった。
●超重量級の星の終末はブラックホール
ブラックホールには表面がなく、「事象の地平面」と呼ばれる範囲が存在するのみ。光も出れない境界線。
わたしたちは、別々の過去の星の輝きを同時に眺めている。
******************************天の川
●天の川銀河
無数の微光星の集まり。いて座とさそり座の間でもっとも幅広い。
オーストラリアや南半球では、頭上で驚くほど明るく見える。
「おとめ座のソンブレロ銀河」
天の川銀河を真横から見たような姿。
「おおぐま座の不規則銀河」
りょうけん座の子もち銀河M51
●衝突・合体する銀河
宇宙は意外と混雑していて()、銀河同士の衝突はあちこちで見られる。
ブラックホール同士も合体して「超大量質ブラックホール」に成長するらしい。
●銀河群と銀河団
銀河はたいて群れをつくる。
重力レンズ
●ビッグバン
宇宙の膨張が加速していることが明らかになっている。
宇宙の進化
●ダークマターとダークエネルギー
ダークマター(暗黒物質)やダークエネルギーの正体はまだつかめていない。
宇宙の膨張や伸縮、将来像にかかわっているといわれる。
●宇宙のかたち
「閉じた宇宙」
「平坦な宇宙」WMAPの温度パターンから、宇宙の曲率はほぼ0だと示している。
「開いた宇宙」
「並行宇宙」「多宇宙(マルチバース)」
「ブレーン(膜)宇宙論」
宇宙は高次元の膜でできていて、永遠の過去から未来につながっており、
すぐ近くにありながら、お互い見ることも触ることもできず再生を繰り返しているという説。
大反跳ビッグバウンス説
******************************惑星
「池谷・関惑星」
1965年、2人が同時に発見した超彗星。
当時の若い天文ファンらを熱狂させ、以後、日本人の「コメットハンター」を続出させた。
1956~1976年は、まさに大彗星の当たり年だった。
「アレンド・ロラン彗星」
頭部から太陽方向に尾がのびる“アンチ・テイル”が印象的だった。
●ハレー彗星
「ハレー探査機ジェット」が頭部に大接近、ジャガイモのような核の姿をとらえることに成功した。
●しし座流星群
2001年、約33年ごとに繰り返された流星雨が出現した。1晩に約8000個。
●金星日面経過
2004年、日本で130年ぶりに見れた。
金星の日面経過は稀で、2012年を見逃すと、次は105年後(わたしは何してたっけ?
「串ダンゴ皆既日食」
1991年、バハ・カリフォルニア半島で、太陽中心、月中心、地球中心を一直線に貫く串ダンゴのような日食が見られた。
******************************星空観察
赤く点滅する航空機などを除き、明るい光点が動いているのは人工衛星の場合が多い。
中でも明るいのは「国際宇宙ステーション」/驚
●双眼鏡
倍率は5~7倍と低いが、肉眼よりは見える。
●天体望遠鏡
レンズや反射鏡の口径が大きいほど像が明るく鮮明に見えるという性質がある。
倍率は焦点距離の短い接眼レンズを使うほど大きくなるので、望遠鏡選びの基準にしなくてもよい。
天体を自動的に視野内に導入できるものもある/驚
気流の乱れが安定した晩に見ること。
「シュミット・カセグレンン」「屈折望遠鏡」「反射望遠鏡」(ニュートン式)
デジカメやケータイのカメラに望遠鏡をのぞかせて写すと、月面など明るい天体は簡単に写しとれる。
●プラネタリウム
全国およそ300館以上の科学館やプラネタリウム、公開天文台があり、
季節ごとのプラネタリウム投影、天体観望会を開催している。
注目の季節の星座
<夏>
「南斗六星」を見つければたどりやすい。
「カシオペヤ座」
<秋>
秋の星空は、たったひとつの星座神話から成り立っている。
「ペガススの大四辺形」
「アンドロメダ座の銀河M31」
<冬>
全天一の輝星「シリウス」「プロキシオン」「ベテルギウス」の冬の大三角形。
「ヒアデス星団」「プレアデス星団(すばる)」
黄色味を帯びた1等星「カペラ」
<春>
「スピカ」「春の大曲線」
著者の藤井さんは、那須高原に「白河天体観測所」をつくった。
その後、オーストラリアに「チロ天文台」をつくる。「星になったチロ」