メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1996.12~ part1)

2013-09-01 13:53:36 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は緑色のノートからご紹介。
後半はビートルズ関連のものを集中的に観てたみたい。

  

photo1:絵本の中の少女が印象的だったからコピったもの。
photo2:ついにXファイルはサードシーズン突入。
photo3:ジョンの伝記や、ビートルズを総ざらい。

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『BOWIE the video collection』

出演:デヴィッド・ボウイ ほか
♪Space Odity
レコーディングスタジオで生ギター弾いてるシンプルなつくり。真っ赤なツンツンヘア。

♪John, I'm only dancing
レザージャケットに頬には錨のマーク。ギターはナイル・ロジャースかな?ヘビみたいなダンサーが2人踊ってるとっても妖しい。

♪Jean Genie
ライヴっぽいけどノーアレンジ。モンローっぽい女の子も出てくる。イヤリングに犬の首輪。

♪Life on Mars
やわらかい水色のスーツと合わせた真っ青なシャドー。目の色が違うのを強調してる。人間じゃないな、やっぱこのヒト。

♪Be My Wife
だいぶメイクは落ちたけど、この目と口紅はおばさんみたい。茶ストライプのシャツでギター弾く。

♪Heroes
ノーメイクでチープレザー、細い白い肌に吸い付くようなシャツ、ライトを背に歌うストリート・キッズ風。

♪Boys keep swinging
スーツでキメて、腰振りながら歌う。3人の女装コーラスが皆カツラをとって口紅をぬぐうけど、
3人目の老女は投げキッスを送るのが笑える。

♪Look back in anger
天使のボウイを描くうち、自分の横顔がペイントされちゃう。楽器弾いてるより演劇のほうが合う。

♪DJ
やけっぱちなDJ。町を歩くとなぜかキスしてくるのは男ばっかり。となりの黒人はニコニコしどおし。ガスマスクは笑える。

♪Ashes to Ashes
凝ってる。CDジャケットでも見た美しきピエロと、精神病院の中で病んでるメイジャートム。
鎖につながれてるところなんかそのまま芸術作品になる。

♪Fashion
全然ウケないライヴハウスで歌うボウイ。
町では舞踏会マスクをつけた人々が食べ物を恵んでもらってる。ダンサーも出るけどたいして踊らない。

♪Wild is the Wind
モノクロでミニオーケストラをとり囲んだ渋いつくり。ボウイが七色の声を持ってるっていうコピーもあったっけね。

♪Let's Dance
異国情緒。アジア系の男女がアメリカへきて、道路まで磨かされて、高級給レストランに、ビーチにと夢をはせるけど、
結局赤いパンプスを履き捨て、故国の自然とたわむれる。曲とイメージ違うけど、当時ボウイの考えていたことか?
現地のヒトに囲まれると、ほんと小さいね。

♪China Girl
いきなりラーメンマークに囲まれちゃうのが笑える。これは面白いボウイの一面。当時噂だった彼女かな?
この世界中のファンを酔わせた歌どおりの進行。ボウイがフツーの男にかえって?中国人女性に夢中だったのがすごく伝わってくる。
ストレートなラブシーンばかり。

♪Modern Love
売れに売れてた頃をしのばせるライヴステージ。金のかかった月のセットや華やかな衣装。金髪をより黄色に染めてるボウイ。
大コンサートホールに大バンド。

♪Blue Jean
これが噂のスターと冴えない男を演じて話題になったってやつ!
クラブのスターでアラジンセインスタイル(フェイスペイントがスゴイ)に
うっとりの彼女の横でワインの栓と闘ったり、とちって焦る。メイクでこうも変わるんだね。

♪Loving the Alien
やたら凝ってるけど一貫性なし。真っ青に塗った顔で祈ったり。ラストは感電。

♪Dancing in the Street
スゴイビューティフルなビッグスター2人の組み合わせ!これも話題になったね。
唾もかからんばかりに顔を寄せ合ってシャウトする。おじさんもまだ頑張るぜって感じ。
家路(夜、皆が眠ってからね)我も我もと競って踊るラストはどっちのおしりがキュート?

♪Absolute Beginners
同名の映画のテーマソング。映画シーンをカラー、ミュージッククリップをモノクロのハードボイルドスタイルで。
ティナ・ターナー風ダンサーに導かれ、キスして川に消えるなんてロマンティック。

♪Underground
映画続き。GREAT!今までで一番イイ!緑がかった画面の中で路地裏のマンホールの階段を降り、地下世界を発見するボウイ。
映画でおなじみのキャラクターが続々登場。ホグルやドアノブ、ガラクタ婆さんや、目玉植物。
ボウイが自分をはいでアニメに変身するシーンもびっくり。隠れた名曲。

♪As the world falls down
サントラにも入れなかったの? 再び映画シーンを混ぜ、J.コネリーにもD.レインにも似てるヒロインを使って
妖しい日本人系メイクのボウイのカラーコピーが出てくる。

♪Day in Day out
捨て子の女の子が大人になり盗みに売春、ついには子どもと遊ぶ家を警察に壊されるまで白黒の天使がカメラで撮る。

♪Time will Grawl
ムキムキダンサーにのされるボウイ。ムキムキ女ダンサーが仕返しする。このグループとツアーしてたんじゃなかったっけ、この頃?

♪Never Let me down
ダンスコンテストだが審査はレフリー、みなダラダラと愛し合う。純真な黒人少女と踊るボウイのラスト。

♪Fame '90
ラストをしめるのはコレ。コンサート見に行ったのも6年前?!この映像もスクリーンに流れてた。
あのフシギで早い動き、もしかして手話?あのブロンドダンサーとも噂になったよね?
しっかりした体つきでクルクル回る全く新しいタイプのダンスが魅力的。


『MOTOWN return to the APOLLO』(1985)

出演:ビル・コスビー、ジョージ・マイケル、スモーキー・ロビンソン、リチャード・プライヤー、ドリフターズ、
テンプテーションズ、フォー・トップス、ウィリー・タイラー、メリー・ウェルズ、マーサ・リーブス、スティーヴィー・ワンダー 
デューク・エリントン、ジョー・コッカー、パティ・ラベル、キャブ・キャロウェイ、ボーイ・ジョージ、リトル・リチャード、
ファッツ・ドミノ、ウィルソン・ピケット、ジミー・ランスフォード、ナット・キング・コール、アル・グリーンほか
これはすごい!スペシャル・ナイト・ショー
後のミュージック界に多大な影響を与え、今もなおバリバリ第一線にいるビッグな大スターが一挙に見れるなんて!
アポロって劇場は古風な造りで巨大ホールじゃないけど、高く聳え立つ観客席、広くはないステージには
ビッグスターがアマチュアコンテストで落ちたり、エド・サリバンショーがあったり、今は亡きビッグネームが毎晩ライヴで歌い、
美しいダンサーがダンスを見せ、A train でやってきた観客は盛り上がり、やじも飛ばす。
試練の場、チャンスの場、成功の約束でもあり、音楽の歴史、ソウル、ロック、タップあらゆるエンタテインメントの総結集だった。
50周年パーティは2時間30分たっぷりその素晴らしい1ページ1ページを紹介し、これからの世代にも引き継いでいる。
それをリバイバル世代の私たちがこうして遠く離れた地でともに感動し、興奮できるのは奇跡的。
ラストのS.ワンダーの熱い涙の跡は、モータウン全盛期から現在に至るまでのあらゆる想いを伝えてくれる。


『DARK STAR』(1974)
監督:ジョン・カーペンター 出演:ダン・オバノン ほか
いやあ、思いっきりチープで妖しい映画『FUTURE KILL』なんて予告編の後だし、
前半のどーでもいいような展開でいーかげんに時間のムダかと思ったけど、
どんな映画もラストまで観ないと良さって分かんないもんだね。
まさに'70代のノリでマイナーなファンにはいまだ語り継がれているらしい今作、フシギな余韻を残してくれる。

宇宙をロマンする心は忘れていない男たちの渋い最期といつまでも見飽きない星々の輝き、どこまでも広がる暗闇が美しい。
宇宙日誌やプライベートヴィデオ記録、宇宙船を飛ばすのもかったるいような時代に
かったるく「プレイボーイ」風の雑誌を読んでたり、バカバカしいジョークの中に
バカにできないアイデアや要素が隠れてたりする。


『Earth, Wind & Fire The Eternal Vision』(1992)
♪Serpentine Fire
すごい大所帯。ハデハデ衣装で、みんなブラック。

♪September
これはベストに入ってる。ライトの使い方が'70代してる。

♪Boogie Wonderland
レインボーショールのコーラスガールス。この派手さは米米超える。ステージ上だけどみんな口パク。
ホーンセクショングループも身軽に動き回る。トランペットグルグル回してるよ。ダンスミュージックで「ソウルトレイン」向き。

♪After the love is gone
サビがサザンみたい。桑田さんも影響を受けてるだろうね。ビューティフル・ピーポーによるビューティフル・バラッド。
ワオ!このホーンソロはカッコいい

♪Let me talk
青い宇宙的空間にいろんな国の人々、文化が流れてゆく。ファンキーでごきげんなリズム。

♪Reasons
おや?リードシンガーが寂しく太鼓叩いて、この高いファルセットはこの人の声だったのね。
'80代のかったるい時代、こんな本物のグループがステージに立ってたんだ。

♪System of Survive
今もバリバリなんじゃん。ピカピカドレスからレザーにTシャツと地味になっちゃって、NYかハーレムの風景。
キッズダンサーズがスゴイ。このノリいい!

♪Thinking of You
チャイナタウンで撮ったの?みんなスーツでキメてギャングみたい。ラヴ&ピースの観念は捨ててないかしら?
中国風メイクをグチャグチャに落とすシーン。

♪Evil Roy
アニメや町の道や壁画が動くとってもポップアートだね。

♪Heritage
キング牧師にマルコムXなんかの映像を手前のモニターに映してだいぶカジュアル。
忍びこんだ子どもも歌う!ラップ上手い。

愛の使者みたいだった'70から、メッセージソング、ダンスミュージック、ラップもイケる。
大勢で移動が大変だろうね。でもすごく音の調和がキレイ。


『ツイスター』(1996)
監督:ヤン・デ・ボン 出演:ヘレン・ハント、ビル・バクストン ほか
今やハンディカメラで竜巻の猛威を撮って、TV放送する時代。いろんなパニック映画の中で竜巻はまだだったかもね。
巨大なトルネードが生きているかのように追ってくる! CGによるリアルな映像は自然の脅威を恐ろしくも美しく再現。
家具も一気に窓から飛び出し、車が舞い上げられるこの風の力! 普段忘れてるけど、人なんて自然の前じゃ無力。

途中なぜかブランクがあって、作りがホームドラマ的なのが気になるけど、家族愛でまとめた。
これって別に実際の家族の体験談ってわけじゃないよね。そんな終わり方。
こーゆーの見ると何ごともなく暮らす日々が奇跡に思えてくる。
自然災害なんかいつどこで起きて、巻き込まれるか分からないんだもの。

late info;やっぱ実話を基にした著書の映画化だって。


『好きと言えなくて』(1996)
監督:マイケル・リーマン 出演:ジャニーン・カラファロ、ユマ・サーマン ほか
新手のシンデレラ・ストーリーってとこかな。
まず、こんな正直で優しくて、しかもカッコいい芸術家がいないよね、現実に。
女も男を容姿で見てるのも事実。やっぱ信じらんない。美しいものに惹かれる心情はとめられないもの。
“You can't say No to the Beauty & the Beasts!”David Bowie

「美人だから愛してるんでしょ?」
「いや容姿なんか関係ない。誰も振り返らないような人でも愛すると世界一美人に見える」

でも「声からは美人だと思う」って言ってたよ。
チラシ広告で事実がバレて、おしまいになりそうだけど、犬がキューピッドになって最初からやり直し。
でもまだ答えてないよ「最初から会っていたらチャンスをくれた?」

巻末にはサウンドトラックCDのCM、スザンヌ・ヴェガはじめ、スティングなどビッグアーティストの曲ばかり。
このサントラ商売も映画業界では重要みたいね。
コンプレックスの強いヒロインもなかなかキレイじゃん。背は155cmでもスマートで。
そのスマートな脚を持ってない女の子はどーすればいいのかな。
“最愛の人を捜すのは、砂粒の中の宝石を探すようなものだ”ってディランは言ってる。


『クルーレス』(1994)
監督:エイミー・ヘッカーリング 出演:アリシア・シルバーストーン ほか
日本と米の女子高生事情って同じなのね。メディアのせい? TVは世界を結ぶかも。
これを20年後に見たら恥ずかしいだろーね。なにこの白い靴下!とか、この靴底流行った!とかいってネ。
「クルーレス」はダサイって意味かな? ほかにも「as if!」とか「as F!」とか『ウェインズ・ワールド』系の流行語続出。
「ツインピークスみたく複雑」なんて使える。セックスやドラッグ等、思春期の道徳観もちゃんと入ってる。
ハッピーエンドだけど、ちょっと待って、父親が同じってことは従兄弟みたいなものでしょ、ヤバいんじゃないの?

「見た目じゃなくて心を変えなくちゃ」

メグ・ライアンみたくキュートなアリシアがとっかえひっかえ高校生とは思えないブランドのセクシードレス姿を披露。
若いうちはいーけど30、40になってもCDで買いまくるだけの主婦なんてゾッとしない?
今の高校生も社会に出れば変わるよね? 授業風景もダラけ放題。コメディだから? 半分現実?

「パーティの時ならマリファナもOK」
なんてPTAから攻撃はなかったのかな? 携帯電話もかけまくりだし。
カロリー制限のダイエット食でどーしてこーもパワフルに活動できるのか。

BFゲット法は実用的。
「パーティでは先に声をかけない。楽しそうなフリをして、相手から声をかけさせる。話の途中で抜ける。相手をじらす作戦」
「自分にプレゼントを贈り、いかにモテてるか示す。時にセクシーな服で肌を見せて、その気にさせる」
もろボディコンの服で、ほんとに1枚の布を当ててるのと同じだもんね。あんなカッコいいスタイルなら見せなきゃ損だけど。


『バーチュオシティ』(1995)
監督:ブレット・レオナード 出演:デンゼル・ワシントン ほか
ますます役の幅を広げて絶好調のワシントンがSFに挑戦。
今までこんなルックスも演技力も文句なしのカッコいいブラックヒーローがいたかな?
『バーチャル・ウォーズ2』も公開されて、もっとパワーアップしたCG世界の恐怖を描いたこの監督。
今作はサイコキラーデータのアンドロイドがガラスで複製されるシーンがポイント。

いつもスーツにパリっとキメてるワシントンの、アッパラパーなドレッドヘアスタイルは見物!
この人も結構脱ぎっぷりのイイ俳優の1人。余分な脂肪なんかどこにもない鍛えたスマートボディは見せなきゃ損だものね。
最初の日本料亭のミニスカート着物を履いたウェイトレスは笑える。全員灰色スーツのビジネスマン、同じ顔なのも怖いし。
ピリピリっと画面が乱れなければ現実ソックリなVR。重力もないし、怪我や事故ることもないこの世界。ハマるだろーね。
SFには欠かせない顔となったジェイミー・フレッチャーが科学者役で登場する。


『秘密』(1992)

監督:スティーブン・ギレンホール 出演:ジェレミー・アイアンズ、イーサン・ホーク、ジョン・ハード ほか
今年の締めにふさわしいベスト。同名のイギリス文学の傑作の映画化らしい。
徐々に海に沈む小さな町での暗い記憶はアラン・ポーや、マリー・ルドネを思わせる。ジェレミーの退廃的雰囲気はピッタリ。
16歳のトムとメアリー役の俳優の素晴らしい演技が今作を支える。
J.ハードも脇役で登場。話に現実の生徒が遭遇するフシギな構成。
怪しい老婆に頼み、恐ろしく旧式な方法で堕胎手術するシーンは身の毛がよだつ

「第二次大戦で赤ん坊の死体を片付けて納得するには、これは歴史の物語なんだと思うしかなかった。
 話をするのは家の病気なんだ。いつも悲しい終わり方で、
 父に“ハッピーエンドはないの?”“ない。もしあったら教えてくれ”
 それぞれの教わり方がある。だが君たちはまだ若い。なんでもできるんだ!」

ラストシーンにはハッピーエンドの香りが漂う。


『インディペンデンスデイ』(1996)(劇場にて

監督:ローランド・エメリッヒ 出演:ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、ウィル・スミス ほか
7月4日アメリカ独立記念日にUFOが地球侵略を開始。
“人類は反撃する”この予告編だけでSFにハマってる今観なきゃって感じ。

とにかく、ワイドスクリーンいっぱいにはみ出るくらい巨大な宇宙船には、あまりの巨大さに涙が出た。人は大きいものに弱いからね。
好奇心と友好的なイメージも吹き飛ぶ冷淡さと、圧倒的技術力でホワイトハウスを一撃。
NYの高層ビルも吹き飛んで炎が襲いかかるシーンにはもうお手上げ。
ハルマゲドンそのもので人の力など及ばない絶体絶命だったけど、知的生命体にも弱点あり。コンピュータウイルスが鍵か。

宇宙人は『エイリアン』のキャラクターそのもの、足が長いタコ系。
セリフ中にも「今Xファイルの途中だって?」なんてのもあって、ロズウェル事件の解明まである。
もう国同士の戦争なんて目じゃない。ビル扮する大統領の感動ものの演説の通り
「人種問題など超えて、人類生存の権利をかけて戦おう!」

パニック映画の定番は最初フツーの人々のフツーの生活から始まる。
大抵後で助かる一部の人々が描かれるんだけど、そのヒューマンドラマも泣かずにはいられない。
子を守る母と犬が危機一髪トンネルのドアの中に飛び込んで助かるシーンもド迫力。
CG、模型、あらゆる技術と労力の結集だもんね。
これだけ記録的ヒットで大勢を感動させるに見合う労力が必要だってこと。

コメント

notes and movies(1996.12~ part2)

2013-09-01 13:53:35 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『THE X-FILES 3rd SEASON』(1995)
監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか



【FILE No.301 The Blessing Way】
xmasはX-FILESで過ごそう 前回との続きものながらあんまり間があいたから忘れてたストーリー。
ハッカーが過去のUFO関連情報をキャッチして暗号化されたテープをモルダーに渡し、
彼は宇宙人の死体の山を砂漠の中で発見し、一緒に吹き飛ばされたんだった。

さてサードシーズンに入って脂がのった2人のメインキャラクターと連続性が出て、
「1話でもお楽しみいただけます」ってワケにいかなくなった。
もう6巻まで出て、一気に今回3巻分借りれたのは奇跡的。

なんだか『VR5』を思い出すなあ。この2つのシリーズどっかでつながってるんじゃない?
そのうちどっちかのキャラクターが関連して出てきそう。
軍という強力な力、正義もへったくれもない内部の巨大な壁とFBI捜査官という法と正義の上に立つ1個人との闘い。

「殺すのも当然だ。未来をつくるためにね」

このショッキングなセリフもアメリカ人が国を信用できなくなっている状況を鋭く表すシーン。
サードシーズンも緊迫感に満ち、おもしろくなりそう。単に超常現象の話を超えてる。


【FILE No.302 Paper Clip】
いろんな事がいっぺんに起こりすぎて出血大サービスだね。スキナーもなかなかやるじゃん、惚れ直したよ。
廃坑内のファイルは、アブダクトされ、人体実験を受けた人の記録。スカリーもモルダーの妹も入っていた。
この50年以上の間、あんなに大勢が犠牲になってたなんて。宇宙人って友好的じゃないの?
『コクーン』の知的生命体、愛と親しみに満ちた相手じゃないってこと?
秘密はまだあるらしい。ナホバの証言だけじゃ不十分なのか?
相変わらずひまわりの種を食べてるモルダー。ナホバの回復を祝うプレゼントはその種。


【FILE No.303 D.P.O】
とりあえず政府がらみは一時停止。通常任務?に戻った2人。
ゲームに夢中でハードロック愛好者、何を考えてるのか分かんない危ない青年。日本にもいるぞ。
この俳優『The Wonder Years』で転校生役だった子じゃないか?
『ウェインズワールド』の舌足らずなほうみたいな喋り方で、もろオタク風の役作りが真に迫ってて怖い。


【FILE No.304 Clyde Brackman's Final Repose】
1、2、3シリーズ通して最もウィットに富んでて愛嬌のあるキャラクターだね、このミッシェル・ピコリそっくりなおじさん。
『デッドゾーン』のジョニーは犯人や殺す状況までハッキリ見えたけど、この2人は似てる。
「人の不幸を笑うな」「ひきつってるんだ」w
「まだ分かんないのか?殺人マニアなんだよ」犯人「そっか、それでスッキリした」
「隣りの夫人が死んだ。犬は好きかい? 昨夜はちょっとワルサしたけど、普段はイイ子だ」
コリーは飼い主をちょっとかじっちゃのよね、恐ろしい~
毎日、人の不気味な死に様を観るなんて実際耐えられないだろうね。
こーゆー肩の力が抜けたエピソードもいいな。
TVの中ではなぜかローレル&ハーディの古い映画のシーンが出てくる。
こんなところにもこだわりを感じさせる。


【FILE No.305 The List】
結構込み入った話。死刑囚が恨みを抱いて蘇り、復讐するってのは他にも映画であったね。
今シーズンはなんかスプラッター的描写が多くてリアル。
今作のウジだらけの腐乱死体もとても食事中に見られたもんじゃない
増え続ける犯罪と溢れて限度を超えてる刑務所事情、黒人差別、職務乱行、
今作にもアメリカが現在抱えているたくさんの問題が取り上げられている。
いつも霊的、超自然的な話をすると、科学的論理と冷静さで食ってかかるスカリーを見るモルダーの笑いたそうな表情が見所。


【FILE No.306 2 shy】
今回のキャラクターもかなりキテる。脂肪を補うために女性を襲うファット・ヴァンパイア!
それも手口はパソコン通信。コンピュータ犯罪も大きな問題の根源になりそうね。
ゼリー状にドロドロになった死体なんかゲゲゲ。Xファイルらしい変り種のアイデアの1つであとひきそう。

「死のみが孤独から救ってくれる。彼女らの望むものを与え、必要なものをもらっていただけさ」

襲った売春婦にひっかかれた手の皮がパリパリになってるのをハサミでチョキチョキ切ってるシーンなんかとっても不気味。
これでコードネームが“2 shy”だもんね。
よく知ってるつもりでもしょせん他人。相手がまともかサイコかなんて分かんない。
ましてや文通、パソ通で知り合ったら、いきなり会うより何を考えているか分かる点で安心している盲点をついたんだな。
パソ通で犯人像を流して協力を呼びかけるのは、オウムの時もやったみたいだけど、
結局、隣りに住んでる人も分からなかったらしい。
こんなに急ピッチに犯人を捕まえちゃうのはモルダーらだけだね。


【FILE No.307 Te Walk】
私たち現代人がTVでリアルタイムに見た湾岸戦争はほかの国の他人事。
映画のようにしか思えず記憶から消え去ろうとしているが、その後遺症に悩む人間が大勢いる。
今作はサイキックパワーと結びつけ、それをシャープに描いている問題作。
モルダーとスカリーがキビキビと捜査に徹している。
しかし手足を失くして生き続ける気持ちなんて想像できない!
本当に辛いのは死ぬことではなく、苦しみながら生きながらえること。
「あの戦争で一体何が起こったのか」
兵士ら戦争後遺症に苦しむ人々にとって戦争は生きる限り続いているんだ。


【FILE No.308 Oubliette】
考えてみれば毎週このボリュームで、ハイテンション、ハイクオリティにドラマを撮って放送してるってスゴイね。
今作は問題中の問題。幼児誘拐、虐待と、本当にフシギな他人同士のつながり。
憑依霊の話はよくあるけど、双子でもないのに何なんだろう?
相変わらず行方知れずの妹を想うモルダー。2人の姿が悲しい。


【FILE No.309 Nisei】
あらもう0:30。やっぱ2本観るのはつらいか。やっとXファイルの十八番UFOネタに戻り、
ミスターXや、たしか1か2にも出て情報提供してくれた男も再登場。
宇宙人解剖の丸秘映像って日本でもやったね、こーゆー番組。ビデオにもなったし。
なぜかカンフーを使って片言の日本語なんだよね、いまだに


【FILE No.310 731】
おっともう1:30。早いところ切り上げよう。
エイリアンとヒトの混合種だ! 時間制限ギリギリでミスターXの助っ人、モルダーだけが助かる。


【FILE No.311 Revelations】
今作は宗教色が濃い。いつものパターンをひっくり返してモルダーが否定的でスカリーが信じているほうに回る。
ガーディアン・エンジェルを名乗る俳優のキャラクターは強烈。

「奇跡は本当に起こるのか?」
「ひと巡りすれば真実を見つけられることがある」
「神のメッセージがあっても誰も聞かないとしたら恐ろしいわ」

モルダーに向かって「UFOのことなら何でもとびつくくせに!」というセリフは笑える。
インチキ臭い商売にしてる聖職者が多いからね、今も昔も。


【FILE No.312 War of the Coprophages】
今作はシリーズ中でも異色な作り。FBIだっていつもスーツで銃を構えて走り回っているワケじゃない。
今回は2人のプライベートをちょっと覗けるコメディタッチ。主人公はおぞましいゴキブリ軍だけど。

「UFOは発光性昆虫が正体かも」
「宇宙人は灰色で目の大きいものというのはSFの観すぎ。昆虫型ロボットで偵察させているのかも」

仕事以外でもこの2人がなんだかんだ携帯で話してるのが分かったけど、あんまりロマンスには進展しない。
平凡なパターンに落ちやすいからねドラマは。しかしいろんなシンドロームがあるんだね。
スカリーって物知りっていうより、Xファイルスタッフがかな。

「国民の半数以上がなんらかの精神病をもってる」ていうからストレス社会は人類滅亡の要因にもなり得る。
しかし放射能でも死なない、1匹のメスが50万匹も産むってんだから、宇宙人の心配より、ゴッキの敵のほうが手強いぞ。
ラスト、パソコンを打ちながら、モルダーが珍しくヒマワリの種意外のものを食べているのがとってもフンに似てるのが笑える。芸が細かい!

ところで3rd season の前半は6巻まで。後半は3月ビデオ・リリース。延ばすねえ、FOXの商売上手が!
4シーズン続くのってあり得るかな?
ドゥキャブニーのロマンス映画ビデオを見かけて、彼は他のオファーに忙しいみたい。

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notes and movies(1996.12~ part3)

2013-09-01 13:53:34 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『悪魔のような女』(1996)
監督:ジェレマイア・チェチック 出演:シャロン・ストーン、イザベル・アジャーニ、キャシー・ベイツ ほか
この3人の共演なら!って思った割にフツーのサスペンス。
40年前なら「女性がこのような殺人鬼に!」て驚いたかもしれないけど。
麗しい熟女アジャーニとストーンのレズっぽい関係、競演は見物。
悪女役にもどって、妙にはすっぱなストーン。こんなセクシーでワルい女教師はいないと思うな。
彼女の作品のヒットで次々と出ている「悪女もの」「ラストダンス」他のシリアスものに枠を広げている。
ついでに今作にはイザベルのヌードあり。あんまり意味のないところでだけど。


『12モンキーズ』(1995)

監督:テリー・ギリアム 出演:ブルース・ウィリス、マデリーン・ストウ、ブラッド・ピット ほか

♪I'm hearing they say "how do you do?" but they're really saying "I love you"
 I think to myself "What a wonderful world"

生きてて良かったって思うのは、こーゆーイイ映画を観れた時。新春にして話題作もちきり(本当はスクリーンで観たかった
ギリアム健在。3大スターが見事それぞれのキャラクターにチェスの駒のごとくピッタリとハマって
『スローターハウス5』他を思わせる緻密に練り上げられた脚本+タイムパラドックスを利用したフシギな雰囲気、
ウイルス、動物保護などリアリティ感もある完璧な仕上がり

音楽にもウルさいギリアム。B.ウィリスがラジオから流れるファッツ・ドミノ♪ブルーベリー・ヒル を聴いて
「好きだ、この曲」とうなったりするのにもワケがある。
今作のキャンペーンで来日したそうで、MP情報では『ワンダと~2』も撮られて、
J.クリーズ、M.ペイリンも元気という嬉しいニュースも飛んできている。まだまだ見せてよね。

「ヒトが過去を振り返る時、自分の映画を観ているんだ」
ああ、もっと早く夢の現実化に気づいていれば自分の死も予測できたろうに、
でも同時に2人の自分が存在することはできないというのが通説。
未来は決められているのか?って思うと気が滅入る。

エボラ出血熱、O-157等、次々と発生する目に見えぬ敵。ばい菌は実際、核爆弾より身近な恐怖だ。
話は違うけど、12モンキーズのマークのデザインのカッコよさ。もしかしてギリアムがデザインした?
ブチぎれてるブラピ、女科学者をクールに演じるストウ、
そしてウィリスはアクションスター以上の演技でSFもイケることを証明。戸田奈津子さん訳


『ヴァンパイア・イン・ブルックリン』(1995)
監督:ウェス・クレイブン 出演:エディ・マーフィ ほか
不老不死の強靭なパワーを身につけて大ボケ飛ばすのかと思いきや、案外真面目にパートナー探しのマーフィ版吸血鬼。
下町ブルックリンが舞台なのがミソ。ジャスティス役の俳優がカッコいいし、下僕役が笑いをとってる。
スティーヴィ・ワンダーの主題歌。スキナー長官がチンピラ役! こんな端役は悲しいよ。
耳や手、腕や目がポロってとれちゃう副作用が笑える。
A.バセットがひとりシリアス演技で頑張ってる。
銃で撃たれて「剣で刺されたり、焼かれたりしたけど、撃たれたのは初めてだ、ちょっと痒いね」w
こーゆー笑いをもっと聞きたいんだけどね。


『あなたが寝てる間に・・・』(1995)
監督:ジョン・タートルトープ 出演:サンドラ・ブロック、ビル・プルマン ほか
もうひとつのシンデレラ・ストーリー。映画ではよくある人違いものだけど、やっぱ観ちゃうよね。
『ID4』で完全ブレイクしたプルマンがとにかくイイ。
S.ブロックと組んだもうひとつの『プリティ・ウーマン』。大人の魅力で迫る。しつこくない2.5枚目のヒーローだね。
XMASに観たらとってもあったかくなれる1作
サンドラは美人ながらジーンズやだぶだぶセーターが似合うフツーっぽさがウケてるのかな。
記憶喪失と思い込んで掛け算やアルファベットをおさらいする2枚目の俳優も結構コメディセンスあり。


『アウターリミッツ』
監督:バイロン・ハスキン、レスリー・スティーブン 出演:クリフ・ロバートソン、ロバート・カルプ、ヘンリー・シルヴァ ほか

●VALERIE 23
この間の『サイバー・コンパニオン』の逆版。ロボット技術が進化して、いきつくところは人間に限りなく近い機械人間か。
その次は、ヒト自体が機械になる時代? SFって現実化する可能性大の世界だからフィクションとして片付けられない。
こんな強靭パワーさえもってなければ完璧なパートナーになり得るんじゃないのかな?

●THE NEW BREED
Xファイルに劣らぬアイデアとSFショック。
医学と科学が結びつき、進化しつづけるとスーパー人間ならぬスーパー生物ができあがる
ちょっと病気にかかるくらいでもこの見慣れた姿が一番だよね。
ゴキブリ以上の繁殖力。そんなに宿主をガードしてどーすんの?
内臓がバリケードのような骨ではりめぐらされてる様は冗談に近い。
いろんな恐怖があるね。死ぬに死ねないのも恐怖になり得る。
ついでに顔とスタイルも治してくれたらハッピーエンドなのにw


『Mr. WRONG』(1996)
監督:ニック・キャッスル 出演:ビル・プルマン ほか
人気がブレイクした後って大抵こーゆーシンプルなラブストーリーの主役張るのが定番だね、ハリウッドって。
ま、姿さえクリアに観れればファンは嬉しいワケだけど。ストーリー自体は映画館に行って観るほどじゃない。
プレッシャー言語の増えたうちの親には観て学んでほしいけど。
一生いっしょに暮らせるピッタリの男なんてそうそういないってこと。そーとー割り引いて考えなきゃ結婚なんてものは。

でも、考えようによっちゃ'70ロックの趣味は悪くないし、リッチで、妙な母親さえ無視すれば、
これだけ心底愛してくれる人はいないかも。
超シブイ2枚目を演じるプルマンもイイけど、なんかブッ飛んだコメディのほうが妙にあってる。
たくさんオファーを抱えているだろうけど、もちょっと選んでもいいと思うのは私だけ?


『冷たい月を抱く女』(1993)
監督:ハロルド・ベッカー 出演:ニコール・キッドマン、アレック・ボールドウィン、ビル・プルマン ほか
アレックが主演扱いみたいだけど、実質的にはプルマン主演。さすが戸田さん訳、選ぶ目が違う。
一見何の関連もないレイプ事件と、妻との別居がつながる伏線の張り方、ドンデン返しは巧妙。
ニコールは透明な美しさで、優しい子ども好きな妻と、金銭欲のためなら何でもする悪女の両極端を見事に演じている。
周囲を固める配役も豪華。ヒッチコックのようなキレのある展開。
終わってみれば、ちょっと気をつければバレるウソだって分かるけど「善良な人間ほどバカをみる」
いかにも巻き込まれ型のイイ人タイプのプルマンには適役だね。


『THE BEATLES A HARD DAY'S NIGHT(ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!)』(1964)

監督:リチャード・レスター 出演:ビートルズ ほか
初めて見た彼らの映画。今作が初出演でまさに人気絶頂。本人らも若いパワーをもて余すほど弾け跳び回っている。
女の子がヒッチコックの『鳥』みたくどこまでも群集で追いかけてくるのはホラーもの
いつでもショーに追われ、ファンに追われ、マネージャーに子どもが叱られるみたく始終命令され、箱から箱へ移動する。
こんな異常なスター生活がフィクションじゃなかったんだろうね。

ジョン「お前暗いぞ」リンゴ「だからドラムやってんだ」

時代感覚のズレからか、なんか妙な箇所がところどころある。
大体耳慣れたヒットばかりだが知らないのはアルバムで聴き直したい。
マネージャーが「外に出るな。女の子に囲まれる」ジョン「囲まれたい」
こんな気分だったのも幸せなこの時だけだったのね。


『ザ・コンタクト』(1993)
●The Contact
監督:ジョナサン・ダービー 出演:ブラッド・ピット ほか
それぞれ30分程度でヒトを感動させる映像を撮るなんてえらい難しい課題だね。
ガスマスクからの視界の狭さ、言葉が通じなくとも世界共通の笑み、戦争は一部の金のためで
ヒトは皆平和を望んでいるものだと改めて思わせる。アカデミー賞ノミネート作。実話に基づく。

●Leslie's Folly
監督:キャサリン・ターナー 出演:アン・アーチャー ほか
舞台劇のよう。女性の立場から女性を描いた、自分のための選択の話。
自分の生活、自由って何かって言われれば説明できない。卵子と精子で子どもはできる。
ひとつの命の尊さにはかわりないけど、産まれて不幸になることだってある。1回きりの人生。エンジョイしたい。

●Partners
監督:ピーター・ウェラー 出演:グリフィン・ダン ほか
クール! 主演の彼『AFTER HOURS』のヒトでしょ? 知る人ぞ知る名作! こちらもオスカーにノミネートされた。
この時間のズレ感といい、シュールな映像も雰囲気出てる。
ちなみにウェラーは医師役でちょい出演。原作の面白さが生かされたってとこかな。


『禁断の惑星』(1956)
監督:フレッド・M・ウィルコックス 出演:ウォルター・ポジョン、レスリー・ニールセン ほか
'56にしてはすごいデキ。クレルという知性を極めた生物が創ったスケールの巨大なシステムは美しい。
UFOがピロピロと飛ぶ模型撮影はエド・ウッド系だが。
L.ニールセンはどこに出てたの? 後々コメディスターになる予感はしなかっただろうな。

「人類も同じ道をたどり、博士の名は残るだろう。人は神になれないのだ」

まだ電話をジリジリやってた'50で小型コードレス電話や手をかざして反応する自動ドア、レーザーも通さない素材など、
イメージの豊富さはJ.ヴェルヌを思わせる。

コメント

notes and movies(1996.12~ part4)

2013-09-01 13:53:33 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ジム・キャリーのエースにおまかせ!』(1995)

監督:スティーブ・オーデカーク 出演:ジム・キャリー ほか
ジム・キャリーって一体何で出来てるのかしら 全身をフルに操って下品さもお構いなしのキレまくりな動き。
素顔はフツーの兄ちゃんだけど本当にこんな人がいたら怖い。今やドル箱スターだもんね。
お尻や腕に毒矢を刺されてダラダラに痺れながら「やりすぎだよぉ~」とよろけるシーンは泣くほど笑った!

自然派のわりに戦車で木々なぎ倒してるからね。
サイカーには参った。「サイの出産よ!」て、笑いというより『ザ・フライ』の世界! 一人巻き戻し演技もあり。
と一緒に毛づくろいしたり、カバと一緒に池から顔を出したり、
最近ここまで体張って笑かそーとしてくれるコメディアンいないものね。貴重だわ。
昔懐かしいビヨーンってのびるバネで遊んだり、「怖くなんかないぞぉ~」と松明振り回したり、全くの独壇場。
主演じゃなきゃ周囲食っちゃってダメだろうね。食うといえばライオンと一緒にシマウマを食べるシーンもあり。
部族とラインダンス踊ったり、映写機で影絵遊びも笑える。


『フリントストーン』(1994)
監督:ブライアン・レヴァント 出演:ジョン・グッドマン、エリザベス・パーキンス ほか
WOW! B-52's が主題歌歌ってるって聞いて、観たらBC-52's として出演までしてるなんて嬉しい驚き!
確かに年取って'70の映像と見分けがつかないけど、音楽と声、ノリの良さはバツグン。
そしてピストルズもどきの♪アナーキー・イン・ザ・UKのパロまである。音楽にうるさいわけね。サントラCD再チェック要。

足でひたすら走る車、サソリの芝刈り機、生ゴミを食べる生物ゴミ処理機に犬代わりの恐竜ペット、
書類は石板、サインはノミで打つし、ボーリングで手を乾かすのも動物、類人猿やサルとともに労働、
時に鳥恐竜の襲来があったり、コーラまである。
細かい芸の数々。そーとー予算かかってるゾ。元ネタは知らないけど十分楽しめる。

♪ファンキーな街だよ ペブロック トゥイッチ トゥイッチ 「飲んだらこぐなよ」
このほんの2~3分のコンサートシーンなのに、骨のピアノや木琴、ホーンセクションまであって凝りまくり。
もうシンディ脱退後だよね。ケイトがセクシードレス?でシャウト。フレッドもすっかり原始人ルックでノリまくり。
ライヴじゃ明るいじゃん。このワンフレーズだけでも十分ノレるこのリズム。B-52'sマジック!


『世界で一番好きな人』(1995)
監督:アレクサンドル・アルカディ 出演:ジャン・ユーグ・アングラード ほか
やっぱ仏映には新しい風が吹き始めてる。シンプルで分かりやすく、ハッピーエンディングなハリウッド系の風。
次々と初々しい女優スターも誕生してるし。「現代のアラン・ドロン」ジャンがほっとひと息ついた感じのロマンスストーリー。
見かけによらずアクの強い役者だと思うけど。

このひとは本物のピアニストかな? 12~20歳って変わるからね、女はとくに。
20くらいの歳の差、今や全然問題にならないね。
この世の中心から愛し愛される人を見つけるのは大変。単なる確率じゃない。
さすがに今作では自慢のヌードはなし、その代わりやたら部屋の中ではパンツ一丁が多い


『HELP! 四人はアイドル』(1965)

監督:リチャード・レスター 出演:ビートルズ ほか
なんで彼らの映画は全部ナンセンスコメディなんだ? メンバーの好みか、売り込みに都合がよかったか。2作目はカラー。
ラストは指輪の中でカラコロと動く多重でサイケな感じ。いろいろ試されてた時代だったのね。
のわりに表情や曲のトーンが暗め。スーパースターの疲れや諦めが見えるのは私だけ?

催眠ガスでバタッと倒れる近衛兵、セスナからわざわざタラップによじ上って降りるギャグはMP風で笑う。
クリシュナにハマる予兆か、ニセ宗教家をバカにするシーンがあっても東洋思想が反映してる。
でもこうして聴くと改めてビートルズサウンドの奇抜でシンプルな曲作りの類稀さ、それぞれの声の味の良さに聴き惚れる。
どこまで映画のシチュエーションが実生活に近いか分からない。
4人はいつもこんな四六時中肩寄せ会って仲良くしてたのかしら?


『白い嵐』(1996)

監督:リドリー・スコット 出演:ジェフ・ブリッジス ほか
期待通りの秀作。ハリウッド映画は少なからずキャラクターを英雄化し分かりやすく脚色するものだが、
この真実の物語はこの映画より重い意味をもつドラマがあったことだろう。
海という大自然と対峙して自分と仲間の命を助け合い、守り、また共に成長し、自分を見つけること。
この協調性(人だけでなく自然の一部としても)も今作の大きなメッセージの1つ。ラストの音楽はスティング。
「憎まれても構わない」と言っていたクルーの青年たちの信頼をこれほど得ていたと彼自身思わなかったろう。若手俳優は注目要。


『妄想技師』(1993)
監督:エリック・ギュスタヴソン 出演:ビヨルン・フローベルグ ほか
この宣伝文句とジャケット写真の使い方はうまいね。邦題も本作の内容と違ってても、ま、いっか。
北欧のジャック・ニコルソンといった感じのビヨルンが、女性を手玉にとりながらも、どこか憎めない味が出てる。
成りあがり物語といっても、小さな港町での話。
大自然の中で暮らしながらも人間はどんな小さなコミュニティでも同じだけの愚弄を重ねる。

小説の映画化のせいか、土地柄のせいか、どこか現実離れした設定、背景、構成、映像。
名士が自画像を描かせ得意になるという始まりと終わりのシーンもユーモラス。
ギターの弾き語りで歌う、なぜか英語のラブソングは上手い。この俳優は歌手もやってるんじゃないかな?


『サンドラ・ブロック 恋する泥棒』(1996)
監督:ビル・ベネット 出演:サンドラ・ブロック ほか
案外フツーのロマンスストーリー。
設定が30歳のレジ係と35歳のドロボウの組み合わせってのと、サンドラ・ブロックがヒロインだってこと。
今作の見所はちょっとSTING系のハンサムな相手役。
ズボンを履こうとしてコケたり、釣りで自分の耳を釣ったり、やる事は基本的ギャグだけどなかなかガンバってる。
どこかにいそうなこの2人のカップルが7年たっても変わらないでちょっと焦るのを等身大の演技で見せる。

「証言に立ったら釈放」「FBIはなんでもできる」警察の信用もここまで落ちたか。平然と語られるセリフがコワイ。
これで彼の人生すっかり変わるとはとーてー思えないんだけど、本人も言ってる通り「一晩で人格は変えられない」って。
特にギャンブル好きってのは病気みたいなもんだから、結局このキャラクターのいいところは見た目かな。


『THE BEATLES YELLOW SUBMARINE』(1968)

監督:ジョージ・ダニング
肝心のイラストレーターが不明。声は似てるけど声優。なぜか映画では無機質になるメンバーそれぞれの特徴をよくとらえてる。
サイケな色とMPのT.ギリアムそっくりなコラージュギャグもあり。想像豊かな心の旅。
戦争の悲しみ、歌い愛することこそ全てと子に教えるメッセージも含み、ついでにビートルズソングギャグもさり気なく入ってる。
やっぱりおとぼけリンゴが中心。

もうこの頃は歩調がズレてきてたんだよね。今作はアップルから出した最初で最後の映画なのかしら?
リンゴ「僕にはイマジネーションがないんだ」w
ジョンが相対性理論をぶち始めて、皆「はい、はい」って反応したり。性格が出てるシーンが面白い。
写真と組み合わせた構成もあり。ドラッギーといえなくもない世界。


『キルトに綴る愛』(1995)

監督:ジョセリン・ムーアハウス 出演:ウィノナ・ライダー ほか
新旧の女優、男優とりまぜて映画そのものがあらゆる人生劇を織ったキルトとなる作品。
長い人生の間には喜びと悲しみが織り合っているという意味も含む。
結婚は幸せか否かの大きな疑問の答えは?のまま。ラストはキルトの寓話風。

「結婚は最低だと教えこまれて、混乱してメチャメチャよ!」
「大人になったんだから自分で考えて」ってのはヒドイよ。
フィンにはすでにパーフェクトなフィアンセがいるけど、家庭の幸せを知らずに育った子はそんな初歩の関係作りも困難だ。
そして、それぞれの想いのつづられたキルトが仕上がる。

「結婚して幸せだ。どんなことでも愛があれば切り抜けられる」

女性の監督、仏映だったら結末は違ってたかも。
大切なキルトを土にひきずってちゃダメだよ。壁に飾る用だね。とても日常じゃ使えない。


『レスリー・ニールセンのドラキュラ』(1996)
監督:メル・ブルックス 出演:レスリー・ニールセン ほか
このカツラをつけたマヌケなジャケット写真が一番笑えた(作品観る前に)。
あのM.ブルックスがまだ元気で変わらぬナンセンスユーモアを持ち続けてることが嬉しい限り。
ちゃんと出演もして映画の中じゃ一段と若返って、他の役者に負けない怪演。

巻頭のインタビューでも撮影中のこぼれ話やブーブークッション(まだ流行ってるの?)、
自分の作品も「イイものあり、ブー!てのもあり。2も創りたいね。“ドラキュラ still dead”てタイトルで」
ハ~~~って恐い顔を作って、彼自身がハリウッド・エンタテナーなのよね、根っからの。

案外、内容は元ネタに忠実。白髪がカツラでヨイショって外したり、
ペットのコウモリのフンで転んで「全然へーき」が影は「イタタタ~」。
メルの妻アン・バンクラフトだよね。十字架を売りつけてノドをふるわせて喋る老婆。夫婦で好きだねえ
しかし、ニールセンの人気はとどまることを知らない。本人が一番驚いてるんじゃないかな。彼ならこの先なんでもパロにできそう。

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notes and movies(1996.12~ part5)

2013-09-01 13:53:32 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『キッズ』(1995)
監督:ラリー・クラーク 出演:レオ・フィッツパトリック ほか
このほとんど実写の記録フィルムに近い撮り方はスゴイ! 彼らは俳優? だったら名優だね。
N.Y.は昔から危険、退廃地帯だった気がするけど、そーじゃない。
'60のフリーセックス&ドラッグの時代だって、一応信念があってのことだったけど、この子らは単なるバカ。
恵まれた環境の中でただ堕落してる。それも親から子、兄から弟へちゃんと受け継がれてるシステムが恐い。
実際こんなに低脳な連中見た事ないな。
脚のない男に寄付しても障害者への軽蔑は変わらないし、地下鉄で歌う男を褒めても本当に耳には入っていない。
彼らが数人次世代に生き残れたとして、まともな考えをもつ大人になれるのかしら?

テリーは自称バージンキラー「病気もなくて純粋だから」て言うけど、自分の未熟さを女にバカにされたくないからじゃない?
女子と男子の話の食い違いが面白い。死ぬことも彼らにとっちゃゲームの1シーンでどーでもいーって感じ。
この究極の病は生まれるべくして生まれてきた必要悪なのね。
彼らのあり余る力と好奇心を満たすものは、性の快楽、ドラッグの恍惚感の他に何があるかしら?


『魅せられて』(1996)
監督:ベルナルド・ベルトルッチ 出演:リブ・タイラー ほか
油絵の中みたいな美しいイタリアの自然、その解放された異国では違う自分を見て、何かできそうな気がしてくる。
多くの名作を撮り続けるベルトルッチの中に、こんなにみずみずしい感覚とロマンティックな世界があったのか。
今作でブレイクしたリブの少女と女性の間をさまよう美しさはイタリアの自然もかすむ。
深く沈みこむような女性ヴォーカルのブルースがイイ。音楽にも凝ってる

ベルトルッチはリブの魅力を最大限撮りたかったのね。それは成功してる。絵描きとモデルの関係はよくきく話。
こんな場所で一度時間を忘れて過ごしてみたいね。土地の人は都市に憧れ、都市に住むものは自然に憧れる。
今作はこんな素晴らしいエキゾチックな場所にトリップさせてくれる映像だけでも観る価値あり。


『ラストダンス』(1996)

監督:ブルース・ペレスフォード 出演:シャロン・ストーン、ロブ・モロー ほか
人が人を裁くことの難しさ。「死には死の償いを」被害者は当然戻らないから残された者の悲しみの軽減のためか。
「人は変われるけど、許されない罪もあるのよ。許す側も変わらなきゃならないの」
ドラッグ中毒状態での無計画殺人に権力の圧力も絡むこの微妙な死刑執行問題に真向から取り組んだとても考えさせられる作品。
死刑囚に恩赦を与える知事に申請書を書く「恩赦課」なんて仕事もあるのね。
ラストはベルトルッチ『シェルタリングスカイ』を思い出させた。静かで荘厳な余韻を残す。

始まりもアーティスティックで目が吸い込まれた。
少女が草原でたわむれるモノクロ写真の連続のような美しくノスタルジックなもの。
どんな残酷な犯罪を犯した者も子どもの頃は同じ無垢な心を持っていたんだ。
ここでも異常犯罪の多くが幼児期の環境、ドラッグとの深い関連性を示唆している。
人の過去はどんなに細かく記載したとしてもファイルにすべて書きまとめることなどできない。
でも、このシステムがある以上、私も一生檻の中で暮らすくらいなら死んでフリーになるほうを選ぶかもなあ。
地獄へ落ちるような非行少女がここまで変わり、死の恐怖が愛する者が見守るだけで克服される。
人の一生はなんて長く、あらゆる道のりがあって、人の心ってなんて不思議なものだろう。


『ジキル&ハイド』(1996)
監督:スティーブン・フリアーズ 出演:ジュリア・ロバーツ、ジョン・マルコヴィッチ ほか
こうしてホラーや浪漫の古典が次々リアルに映画化され息を吹き込まれてゆくのはとても楽しい。
マルコヴィッチは甘いマスクじゃないけどヘビのような妖しい魅力があるフシギな俳優だね。
ジュリアも今作では大口の笑顔なし。幼児虐待の過去をもつ古風ながら狂気を秘めた役柄を見事演じ切ってる。
こんな初春の雨の日にピッタリな作品。原作が読みたい。たしか「人には善と悪が潜んでいる」っていったんじゃなかった?
中世を見事によみがえらせたセット、衣装、生活環境も興味深い。

主人と召使の遊びなんてほとんど公然と行われてた時代に、
異常に抑圧的、繊細に描かれる誘惑、欲望の描写がかえってエロティック。
ジョンの長いヘビのような舌もCG合成かと思えるほど
同じ『宝島』の作者とは思えないね。舞台はロンドンっぽい感じになってる。
画面全体の湿った暗さが古典ホラーのクラシックさを際立たせる。
売春宿の気の強い女主人役のグレン・クローズはハマリ役。
こんな身分の差の激しいおそろしく野蛮で不便な時代だったのね。今から数百年経てば今の生活も同じように見えるかもしれない。


『誘う女』(1995)

監督:ガス・ヴァン・サント 出演:ニコール・キッドマン、マット・ディロン ほか
おもしろい。悪女ものというより映画がノンストップで巨大化するTV産業を茶化し、皮肉り、警告してる。メディアのパワー全体にかな。

「TVに出るべき。他人に見られなきゃ何もする意味がない。TVに出ると成長する」

彼女も被害者の1人。どーして結婚したのかな。キャリアへの夢とガッツも十分あるのに。
騒いだ割に深層心理まで掘り下げなかったのね。スキャンダル記事はそんなもの。
あっけらかんとして完璧自分をコントロールしてる(狂気を除いて)スザーンは小気味いい。
化粧ひとつで随分イメージ変わるね。いかにもキャリア願望に燃えてる女の感じが出てる。M.デュロンも懐かしい。
♪スージーキュー ♪Season of the witch ほか'70代音楽の使い方もいい。♪All by myself なんてサイコーだね。

一気に有名になるには地道な努力より悪事をやらかすほうが早いってか。名声に正気を失う『サンセット大通り』の女優みたい。
「チャンスはどこにでもある。でも自分からつかまないとすぐ他の人に巡ってしまう」という彼女の持論は正しかったんだ。
ニコールの妖精のような美しさはただ見とれるばかり。


『READY STEADY GO! THE BEATLES』(1986)

出演:ビートルズ ほか
'66か?この番組がなんで'86になって出たか主旨がよく分からんけどピーク時の彼らを知る上で興味深い。
すべて口パクでメンバ自身それをパロりながら、設定はソウルトレイン風、
周囲でファンが踊る、はずが、いつのまにかいつものパターンにおちいってる話。
いろいろ機転のきいた応答で有名だったらしいけど案外フツーに答えてる。

「髪は本物?カツラ?」「本物のカツラさ(ジョージ)」「モバ?」「モバでもロッカーでもない。モッカーさ(リンゴ)」
「クツのサイズは?」みんなに聞いて「ジョンは?」「42だ(ポール)」w

ジョンは自分の本の宣伝。メンバの似顔絵にヒゲとか描いてBUY MY BOOK!
しきりに顔を作るジョン。有名になってもTVが珍しい子どもみたいなのがおかしい。
「キレイな歯ね。盗みをして傷ができたの見せて」「君のも見せて(ジョン)」

ラスト♪イエスタディ が流れてモノクロの英国の様々なスナップがなぜかすごく叙情的。
寄り添うカップルに一人で火の前に立つ男、遊ぶ子どもたち。
♪レット・イット・ビー が流れてエンディングなのがちょっと悲しい。

「眉は剃って整えてるの?」「いや、そのままだよ(ポール)」
ファンが足元から舐めるようにメンバを見つめてるのは恐い

「いつも違う答えが返ってくるけど、ビートルズのバンド名の由来は?」
「思いつきだ(ジョン)」「前のバンド名は?」「クオリーメンさ」恥ずかしそうに言うジョンの表情は印象的で意外。
「指輪はいくつもってるの?」「600以上(リンゴ)」
「ブレスレットに何て書いてある?」「リッチーへ。本名なんだ秘密だけど愛するママより(リンゴ)」

♪ミスター・ポストマン がかかる中、ポールがファンの手紙攻めにあってる。
すごいアイドルってイメージがあったけど、もう物事の分かってる年だったんだよね。
パブリックイメージに合わせる毎日ってどんなだったかしら?
「BBと1000ドルどっちを選ぶ?」「BB(ポール)」「1000ドル(ジョン)」「両方(ジョージ)」
「相対性理論をどう思う?」て意地悪Qには
「What?(リンゴ)」「What's that(ジョージ)」「I like that(ジョンがメモを見ながら真面目に答える)」
こんなギャグ『ウェインズ・ワールド』でもやったね。


『HISTORY OF THE BEATLES』

出演:ビートルズ ほか
こちらもコンセプト的にはあやしいけど歴史に沿って集めた貴重フィルムばかり。
日本語訳がないからせっかくのコメントも意味が分からず残念。
♪ヘイ・ジュード のレコーディング風景で始まり、ライブで終わる。他に♪Dizzy Miss Lizzy 等も入ってる。

英国民栄誉賞を受賞し、ジョン「I went Wow!」、リンゴ「映画も撮るし、米にも行く。Hello Ed」
エド・サリバンショーで歌うシーン。そしてメインは巨大スタジアムが崩れそうなほどファンに埋め尽くされたライヴ。
前座のダンサーが間をつないで「We want BEATLES!」ファンは待ちきれない。メンバはヘリでNY見物?
ジョン「こんなにビルがひしめきあってるところはほかにないね。スゴイよ」

エドの紹介で姿が現れると、ファン1人1人がありったけで叫ぶから集団ヒステリー状態。
曲紹介なんか聞いてなくてポールもジョンも少々呆れ気味。
おどけ者のジョンが意味不明語で喋ってる、グランドに走り出るファンにブーイング。リンゴ♪Act Naturally

次は日本での武道館ライブ!これだけで1本ビデオ出てるけどね。
「盛大な声援お願いします」と司会者がわざわざ頼んだけど、比較的曲を静かに聴いてるから偉いよね。
♪イエスタデイ なんてポールの甘い声がよく響いてるもの。英語の通じない国でしか静かに聞いてもらえないなんて皮肉。
リンゴがマリファナでもやってるように恍惚として煙草をふかしてる。
メンバの表情が次第に冷めた病的なものに変わっていく過程はいつ見ても悲しくなる。

噂のマジカル・ミステリー・ツアーのフィルム。♪I'm the Warus 前にエリックバージョン観てるからね
ジョンが白い帽子をかぶって「I'm egg-man」と歌ってても変な気がしない。
♪Strawberry Fields Forever では逆回転を利用したドラッギーな絵。
♪Fool on the Hill はポールが文字通り丘(というより山かな)の上に立ち、日が沈むのを見てる。
ジョージは座禅して、いかにも宗教色の濃いイメージに変身。

♪Revolution では長髪に丸メガネのスタイルを確立したジョンがシャウト、エレキギターをかき鳴らす。
大勢のファンに押されそうなほど取り囲まれての♪Hey Jude
不思議とどんなに絶叫に囲まれていても彼らの立つスペースは狭いながら聖なる砦のようで
音も声もアルバムに近い完成された演奏をキープしてる。
リンゴが上品な騎馬兵みたいな格好で大砲を撃つと、いろいろ壊れる音がしてコソコソ逃げるショートフィルムがあるw 俳優向いてるね。


『ジョン・レノンの僕の戦争』(1967)

監督:リチャード・レスター 出演:ジョン・レノン ほか
この主演の人が監督・脚本も兼ねているのかな。ザ・フーのボーカルに似てる。
若いパワーから出るメッセージ、手づくり感覚なナンセンスコメディの中に実写も混ぜて、こりゃー冗談じゃないぜって気にさせる。
ジョンは、この作品中でかけた丸メガネがその先もトレードマークになった。
普段からのまんまって感じ。ジョンはすでに彼のフィルムの主人公を演じていたから。
それにしても英のギャグは奥が深いのか、単に外れてるのか理解に苦しむ。なんとも空しいブラックな終わり方。

♪また会いましょう って最初のクラシックな曲は、P.セラーズの戦争コメディを思い出させる。
『未来世紀ブラジル』の♪BRAZIL といいブラックユーモアにオールディーズってピッタリ合うね、なぜか。
戦争がどれだけバカバカしものか、これを見れば一目瞭然。しかし地球のどこかで必ず銃声がしてるのは一体どーいうワケ


『IMAGINE THE FILM』(1972)



♪Imagine
雨っぽい日、ジョンとヨーコが真っ白で崇高にさえ見える家に入り、ピアノで弾き語り。

♪Clipple inside
ジョンを間近で写真撮影するカメラマンとヨーコとホームパーティのフィルム。なんとA.ウォホルまでいる!交流あったのね。

♪Jelous Guy
黒ずくめで霊柩車みたいのに乗ってボート遊び。

♪Fly
いかにもヨーコの作品。真っ白なチェスをする2人。スカートをずり上げるヨーコに駒を口に入れちゃうジョンが笑える。

♪?
思うにヨーコって男性的な顔だね。スタイルがイイイ。ジョンに内緒話して、
ジョンが仏像に話してニッとほほえむシーンはイイ。砂浜にJOHN LOVES。

♪I don't want to be a soldier
兵隊っぽい格好のジョン。聴診器で道や木、慰霊碑の音をきく。泣くノーメイクのヨーコはなんか老けて見える。

♪?
ヨーコと一緒に出てくる有名人がアステア! ジャニスに出た番組の司会者とか。♪Power to the people デモに参加。
本のサイン会。歌詞の紙見ながらのレコーディング風景。♪Gimme Some Truth 粘土人形とテーブル囲む前衛アートは楽しいね。

♪Oh, my love
日本庭園で仲のいい2人。いつも手をつないで長いキスシーン。

♪How do you sleep?
また退廃的ムード。ヨーコのファッションはいつも過激。
ロールシャッハの絵がコウモリみたく空を飛んでる。

♪How
また舟遊び。すごい毛皮。"NO FUR"には参加しなかったのかな? 別の女性も登場。

♪Oh Yoko
入浴シーン。撮影シーン。「ジョン!」「ヨーコ!」とすれ違うw スネークマンショーのパロだよ


『いつか晴れた日に』(1995)

監督:アン・リー 出演:エマ・トンプソン、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・グラント、アラン・リックマン ほか
原作のジェーン・オースティンはどんな女流小説家?
トンプソンは本当にイイ女優だな。『ハワーズエンド』系の作品が好みらしい。
結婚するしか選択肢がなく、金がなければ縁もない。冷たい時代。
でもあふれる緑とゆったりした時間の流れは、今は映画と本の中だけ。

いつもの早口の喋りですっかりベテランの風格がついてきたグラントほかキャスティングも素晴らしい。
またこの邦題も成功例のひとつ。直接内容と関係なくても、この作品の雰囲気が十分出てる。
始終ティーを飲み「お天気の話でもしなさい」といった紳士淑女のマナーが大切だった古き良きイギリスの美しい部分と
貧富の差を気にする上流階級の傲慢さも見事に描かれている。
グラントと1つしか違わないのにエマのほがずっと大人に見えるのがとってもフシギ。

コメント

notes and movies(1996.12~ part6)

2013-09-01 13:53:31 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ハイヤー・ラーニング』(1995)

監督:ジョン・シングルトン 出演:ジェニファー・コネリー ほか
「高等教育(ハイヤー・ラーニング)って一体何なんだ?」生徒は「職につき、高給をとるため」「そーいうシステムなんだ」
学校はその国のミニチュアだ。この学校は、多民族国家アメリカをすでに形作っている。

「校内も決して安全じゃない」

レイプ、人種差別、暴力、不公正な世の中をすでに模倣している。
個人の自由を尊重する育ち方の彼らを寮生活させること自体ムリって感じ。

TVで作家のおじいちゃんが言ってた「人は死によってしか反省しない」て、まさにこの通り。
「苦しみなしに進歩はない」本の中の偉人の言葉に救われる。教育の真の意味はそこにあるのか?

自分についての選択も人に頼ろうとするのは、私たち現代っ子の悪癖だ。
自分の思想を持つのも高等教育の意味。でも社会に出る準備、チャンスをつかむ前に人生を終えるなんて、これ以上悲惨な運命ってアリ?
完全に集団ヒステリーだね。殺された彼女の血を吐きながらの絶叫は絶望的。教育を真向から弾劾した超問題作。

正しい教えは正しい行動と思想に導く。
「人はすべて罪をもって生まれる」なんて信じない。生まれた時は差別や偏見など思いもつかないまっさらな状態なのだから。
ラストのメッセージは「unlearn」(学んだことを捨てよ」


『リービング・ラスベガス』(1995)

監督:マイク・フィッギス 出演:ニコラス・ケイジ、エリザベス・シュー ほか
ここまで酒にこだわる心境って何だ? 最初は心の隙間を埋めるため、あとは平常心を保つためか。
アル中も病気のうちだっていうものね。単に堕落の問題じゃなく。
キッチンドランカーを描いた『男が女を愛する時』『酒とバラの日々』ほかは、愛が命と魂を普通のレールに戻したけど、
彼はすでに死神にとりつかれていた。
「原作者は映画化が決まった2週間後に自殺」目的は果たされたようだ。死ななきゃ名が売れない世の中のほうが曲がってる。

同じ人間の中にこんな凶暴さが隠れているのが信じがたい。どうして動物以下のこんな犯罪行為ができるのか?!
STINGが♪A very thought of you を高らかに歌う。T.ウェイツじゃあまり警鐘にはならないほどハマりすぎるものね
シャンペンのように輝く主演者、スタッフらのクレジットが印象的。

人はどこまで堕落できるのか。ヴェガスもひとつの街でしかないのに。ここでは何でも「アリ」だ。
彼を愛していながらまだ仕事をした理由は何か。アル中と同じく売春も抜けられない罠か。
集団レイプした一見まともそうな連中より、この2人のほうがよっぽど人間的で「イイひと」なのに。
いったんこのレールから外れたら外は迷路で1人じゃ帰れないんだな。


『禁断症状』(1994)
監督:ドン・ボイド 出演:エイミー・アービング ほか
いろんな心の病があるものね。金に困って盗むならまだ筋が通ってるけど、
ありあまる金持ちが盗みで解放感を感じるなんて、理解できない世界。
食べて吐くのも同じ原理。心の隙間って何をしでかすか分からない。
余分な脂肪などどこにもない体でいて、なお太るのが恐い「拒食症」は深刻。
チョコをむさぼり食べたり、皿をつつき回して1口入れただけでトイレで指を喉につっこんで吐いてるなんて異常そのもの。
お酒だけで動いて考えられるなんて車みたい。


『ビューティフル・ガールズ』(1996)
監督:テッド・デミ 出演:マット・ディロン、ナタリー・ポートマン、ティモシー・ハットン ほか
20代後半、人生先の選択を迫られる微妙な時期を恋のさやてを通して繊細に描いた作品。
ティーンのナタリーが看板張って、期待通り「隣りの女の子」役でも十分ほかを食ってるからすごいね。
「君はこれから何か素晴らしいことをする。イイ女になるよ」私たちも10年後の彼女が楽しみ。
ハットンは36、ディロンは32で29の同級生を演じてる。この顔合わせはホット。
タイプは逆でも2人ともアウトサイダーな魅力をもつ。ハットンのような俳優と同時代に歳をとれるって嬉しいね。
♪Sweet Caroline が郷愁を誘う。雪に仲間にバーで飲みながらピアノで歌うって『ディア・ハンター』を思い出す。

窓越しのマーティとの会話「ロミオとジュリエットの逆版ね」「連絡をとりあおう。これから先君が何をするのか楽しみなんだ」
スケート場での会話もよかった。
「5年したら18。そしたら付き合えるわ」
「5年したら君は変わって僕を忘れる。大人になってプーを必要としなくなったクリスみたいにね。プーにはなりたくないよ」

別れ際の友人の言葉「ここじゃ季節しか変わらないよ」そんな郷里が必要なんだな。都会でやっていくには。
まだ20年、それもやっと大人になって数年でこの先何十年死ぬまでのパートナーを見つけ、仕事を見つけるなんてムリだよ。
それにちぢれパーマともみあげがキュートなハットンにセールスマンは似合わない。“Stay be cool, forever.”


『恋する惑星』(1994)

監督:ウォン・カーウァイ 出演:トニー・レオン、フェイ・ウォン ほか
'90の感覚がよく出てる。さわやかな風が吹きぬけてゆく。香港映画は完璧変わった。ウォン作品の他のも要チェック。
主題歌がまたイイ! 透明でキレイな歌声は作品を引きたて耳の奥で響く

「ジョギングをして体中の水分を蒸発させる。涙もだ」「男は夜明けが大切だ」
「この街のどこかに未来の恋人がいるかもしれない」「2人の距離は0.1ミリ。彼女は別の男に恋をした」
「タオルが泣いてる。まだ多感なのが嬉しい」とか雑巾やシャツにも真面目に話しかけるトニーが笑えて、この変さがまたイイ。

シロクマのぬいぐるみを黄色いトラネコに変えられても「遊びすぎるな、白い毛が黄色だぞ」
新しく変えた石鹸にも「ヤケ食いするな。自信をもつんだ」て、全部、結局、自分を励ましてるんだよね。

「行き先が分からないんだ」「再発行してあげる」まるでマンガの世界。映画はこんな夢物語が実現する。
やたらデカイ音で流される♪California Dreamin' 広東語?香港語?日本語、英語が混ざる香港の雑踏が伝わってくる。


『陽のあたる教室』(1995)

監督:スティーブン・ヘレク 出演:リチャード・ドレイファス ほか
これ映画館で観たら涙と鼻水攻めに遭ってたよ
1人の音楽教師の30年間と'70~'90までの激動の米史を見事に融合させた完璧なストーリー構成と脚本。
レン・バリー♪1-2-3、ジョン♪イマジン、R.チャールズ♪I got a woman ほかの名曲、
ニクソン、ケネディ、キング牧師、ジミ・ヘンらの実写の混ぜかたが絶妙。

とくに'80ジョンの銃殺のニュースがどれほど世界中の1人1人にショックを与えたか、
当時を生きてた人も、今改めて知る私たちもリアルタイムのごとく再体験できる。
人生は出会いと別れのドラマだね。ガーシュインのメロディも心に沁みる


『サム★サフィ』(1992)
監督:ヴィルジニ・テヴネ 出演:オーレ・アッテカ ほか
日仏合作か。もっとポップで過激な内容かと思ったらフツーに戻ろうって話。
完璧フツーじゃない“フツーもどき”てとこかな。こんないい加減な娘がお役所試験受かって職につけちゃうんだから、
お国全体がとってもゆるーーーーいのが分かる。
ま、この映画はオーレさんのとにかくデッカイ胸を鑑賞する、ひたすらそんな映画。
ラスト、ケーキや果物をモンスターのごとく口に運ぶ赤ちゃんのたくましい生命力のカットがスゴイ。

「あなたたちは遅れてて、無責任よ!」

キャピキャピゆってる娘さんには、「そっか真面目に働こう」って気にさせるかも知れないけど、
平凡な結婚、子どもを出産、'70の革命を無駄にしてまた元の木阿弥に戻るってわけ?
エイズ問題が解決するまですこし大人しくしてるのは得策だけど。


『心の地図』(1993)

監督:ヴィンセント・ウォード 出演:ジェイソン・スコット・リー ほか

「俺の地図は死の地図だ。祖母、戦友、ドレスデンの。これを見れば結局迷ってると気づくだけ」

4つの大国合作による壮大なドラマ。英×独との戦争で廃墟と化した美しいドレスデンの町。
ケストナーはこのことを言っていたんだ。まさかこの通り1人の指揮官のフラレた復讐心で決められたんじゃないと思うけど。
爆風で裸になり、叫ぶ少女「クリスマスみたいだ」「どうしてこんなことに」
ディランの♪戦争の親玉、や、♪しょせん我々も歩兵の駒にすぎない って歌詞を思い出す。

「貧しくてバカで醜くて、なにかというとハーフだとさげすまれる」'30ならなおさら差別が公だったのかも。
「白人は食人鬼だ。彼らと生きていくことはできない」2人だけの特別な関係は『嵐が丘』のようで時として理解しがたい。
「運は自分で作るものだと悟った」と言いつつ、自分が疫病神だと信じきっていた。彼自身は戦争も生き延び、運はよかったはず。

「本当に苦しいのは、自分のことより愛する者の苦しみを見ることだ」


『デッドマン・ウォーキング』(1995)

監督:ティム・ロビンス 出演:スーザン・サランドン、ショーン・ペン ほか
ティムの才能は本物。文句なしの傑作。
心情を代弁するB.スプリングスティーンの渋い歌声は本作の感動を引き立てる
最初はシスターとともになんの潜在意識もなく観客はどちらかといえば死刑反対の視点に置かれているが、
ラストでまさに胸のムカつく犯罪の様子と死にゆく顔のオーバーラップで完全に個人個人の判断に任せられる。
信仰、良心、公平心、罪と償い、人の命の価値、「死刑」問題は言葉や理性だけでは解きがたい難しいものだ。


『アンダーグラウンド』(1995)

監督:エミール・クストリッツァ 出演:ミキ・マノイロヴィチ ほか
時期尚早ながら'97の最高傑作はこれに決まり。なんとも可笑しく、哀しい歴史絵巻。
退廃美が現実とドラマをミックスし、記録フィルムもまじえて戦争の愚かさ、愛国心、平和と命を愛する心をひしひしと訴える。
喧騒なホーンバンドの陽気な音色が耳の奥に響く
水中で仲間が再会するシーンの美しさは絶句もの。
「許してくれ」「許すが忘れんぞ」「昔、こんな国があった。この物語は終わらない」
私たちももしかしたら一部の者の欲のため、より平和な外界から騙されて遮断されているかもしれない。

コメント

notes and movies(1996.12~ part7)

2013-09-01 13:53:30 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part6からのつづきで、このノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ロングタイム・コンパニオン』(1990)

監督:ノーマン・ルネ 出演:キャンベル・スコット ほか
今や老若男女問わず猛威をふるうエイズが'80最初は同性愛者の乱れた性生活、ドラッグが原因の感染病、がんだと発表され、
世界中に知られるまでにあらゆる憶測が飛び交い、恐怖を倍増させていた経緯が分かる。
最も恐怖に怯え、真正面から向かっていたのは、ほかでもないゲイたちだったんだ。
「人類はまだ進化の途上にある」性の区別なく愛し合う偏見のない世界。
エイズという大きな壁を乗り越えたら、そんな夢のように自由で解放された世界が待っているだろうか?

「疲れた。去かせてくれ」「分かってる。楽にしろよ」“let go”ていう言葉の優しさが胸に沁みる。
俳優ハワードは、最初ゲイ役はその後のイメージも固定され、役がつかなくなると心配したが、
結局その通りとなり、ゲイを援助するボランティア活動に入る。

葬儀を出す、アパートを借りる、そんなフツーのことが同性愛者というだけで断られる。
'89、皆が集まった海辺で再び抱き合うシーンは感動する。
幻から醒め「治療法が見つからなくても、僕はその時生きていたいんだ(I just wannna be there.)」


『Daryl Hall & John Oates The Liberty Concert』(1985)
♪? ちょっとダリルのもみあげトサカヘアがコワイ
♪? ダリルがギター。自由の女神と海。NYビル街をのぞむ野外ステージの眺めはサイコー

♪Rich Girl
キーボードのブルースっぽい始まりがイイ。スゴイ人数。この客をつかむのは難しい。

♪Say it so
このセットも巨大。シンプルな鉄骨組み立て。曲ごとにダリルはピック投げてる。

♪? やっと温まってきて、汗だくになってのこの曲はカッコイイ。
♪? ジョンのリード・ヴォーカルってのもあるのね。ダリルのインナー面白い。2人のアカペラ競演のラスト。
♪? 2人がシャウトしてノリのイイ曲。
♪? すっかり夜。野球のスタジアムも映る。ちょっとレゲエの入ったギタリスト陶酔状態。客とのコール&レスポンスもサイコー

♪Man Eater
これだけ響けばホーンも気持ちいいよね。ダリルは高低音どちらも出せて歌上手い。

♪? 野外コンサートは夕方から夜への移り変わり方も楽しい
夜のほうが断然盛り上がる。掛け声が映えるこの曲。ライヴはアドリブやアレンジも面白いんだよね。
♪? バンドの醍醐味が出てる。このバンドは音楽がスポーツに近い。アンコールもガンバル、ガンバル。

♪Summertime
こりゃE.W&Fの?セットの女神の上だけに炎がともる。最後にカバーでくるとは。
銀色にのびてゆく花火。まさに夏祭り!“Thank you NewJersey, NY city, We love America!”

ジャケットにザ・バンド、Tボーン・ウォーカーなんて書いてあるから出てるのかと勘違い。紛らわしいな。
クイーンほど厚みのある音じゃないにせよ、後半は客もノリノリで巨大野外コンサートは大成功。
女神が現れる気球?も飛んじゃって、女神像はキレイに改築できたのかな?


『プリティ・リーグ』(1992)
監督:ペニー・マーシャル 出演:マドンナ、トム・ハンクス ほか
野球が男のスポーツだってイメージが変わった。この時代に体を鍛えて泥まみれでアザを作り、
声張り上げて、ハードなロードに出たプロ女子リーグ選手がいたのか。でも“かつて”てことは今はもうないわけ?
どっかでまたキッチンに戻ったのかな。そりゃ淋しい。
宣伝のため「野球の間に編み物します」なんて冗談、当時ならやりそーなノリ。
花も人情も根性もある、女のスポーツものもイイ!

音楽がまたイイ 最初がC.キングで、ラストはマドンナ。J.テイラーほかが飾る。
マドンナの才能と並々ならぬ努力に脱帽。息抜きのクラブシーンでは激しいダンスも披露。J.デイヴィスとともに本作のメインだ。
かつての人気バッターでアル中から膝を痛めて女子リーグの監督で復活するジミー役のトムもイイ味出てる。
夫ボブ役でビル・プルマンもちょい役ながらいつもの優男を公演。


『ニクソン』(1995)
監督:オリバー・ストーン 出演:アンソニー・ホプキンス ほか
とことん社会派のストーン作品は、ドラマとしての娯楽性より真実を追う記録フィルム、あくまで社会の弾劾が目的と見える。
『JFK』に続き激動の時代を治めたもう1人の大統領(大統領シリーズでも目指してるのかな)。
彼自身と有名なウォーター・ゲイト事件、そしてアメリカを理解するテキストになればと思ったけど難しすぎる。
セリフの多さと速さ、複雑さは『JFK』にも劣らない。機密に欺瞞、隠し事が本職のヒトたちの話だからなおさら。

「私はいつでも爆弾を落とす権利がある」

米大統領は世界平和と秩序を握ってる、そんなに偉いと思ってるのかしら。
ベトナム戦争終結も再選の票稼ぎとしか思えない。嫌われてることを始終気にしてたみたいなのはよく分かったけど、
ケネディというヒーローの死から人々は政治、政治家、大統領さえも信じられなくなった。
「政治家が世界を変えられる」なんてのは妄想に過ぎない。昔も今も世の中を変えてきたのは民衆で、
戦争で金を作り、平和への足を引っ張ってきたのが政治家。
とくに強欲な者ばかりを集めた政界をまとめて良い方向へ導くなんて到底ムリな話。
政治屋だけにあまり同情もわかない話。政治屋がいなきゃ国の借金もなくなり、もっと平和にスムーズになると思うけど。


『愛に囚われて』(1994)
監督:アンジェラ・ポープ 出演:ティム・ロス ほか
同じプリズンものでも『ラストダンス』『デッドマンウォーキング』と違い
情状酌量によって成立する甘く危険なラヴロマンスに徹している。
女流監督だと情感豊かに描かれるから『フォールームズ』でおちゃらけてたロスも格子ごしの熱い視線が魅力的。
時間はかかりそうだけど、この禁断の愛は実りそうなハッピーエンディング?

ロスのイイ人そうなルックスでとても凶暴な囚人とは思えないからフツーのロマンスとして見れる。
歯医者ってのも親密な関係を連想させる職業の1つかもって気づいた。
ムショに女医はマズイでしょう。若くて、美人ならなおさら飛んで火に入る夏の虫状態。
相手がロスじゃなきゃ、とっくにセクハラで訴えてるところ
原題“captive”=捕虜の意。囚人として、そして愛に囚われたって意味だね。
J.オーモンドの純真な美しさが映える。2人ともイギリスなまりだね。


『THE X-FILES 3rd SEASON』

監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか

【FILE No.313 Syzygy】
さてお待たせのファイナルに向けての後半。
今作は反目するモルダーとスカリーのドラマとしては興味深いけど、超常現象としてはインパクトが弱い。
ガールフレンドも、ノリが『クルーレス』ソックリ。
一方、スカリーはシャーリー・マクレーン的美人刑事ホワイトとモルダーの仲を嫉妬。
ホワイトもモーレツアタックする様子はまるで憑かれてたよう。
ウォッカにアイス?を混ぜて飲んでるモルダーや、ブツブツ文句をいいタバコをふかすスカリーも珍しいシーン。
このシリーズの主題からしてこの2人の間柄はこれ以上進みようがないけど、
後半にくるに従ってプライベートシーンに重きを置いてるみたい。


【FILE No.314 Grotesque】
これぞ本髄。前半と同じ悪魔をテーマとしてもこうも作りが違う。「狂気は心の中にある」てことと、犯人はすぐ分かっちゃったけど。
撮りの鋭さ、緊迫感が違う。『羊たちの沈黙』を思わせる。FBIものの深層心理捜査によるシリアルキラーとりものの火付け役だからね。
「同一化しているうちに悪魔がとりついた」て『沙粧妙子の事件簿』と同じパターンだね。
狂気に憑かれたように捜査にのめりこむモルダーの姿が描かれる。犯人役はシリーズ通しても5つ指に入る強烈キャラ!


【FILE No.315 Piper Maru】
得意のUFOもの。真相に近づくほど2人は危険の渦中にハマる。
目の色が黒くドロンて変わる無表情なエイリアンがなんともブキミでイイ。


【FILE No.316 Apocrypha】
315のつづき。キャンサーマン含め今までのキャラクター総結集って感じ。ミスターXはいないけど。
キャンサーマンもひとつの駒でしかない。本当のボスは一体誰か?
「墓からの死者の声が良心だ」
軽油を媒体として人体から人体へ乗り移るエイリアンか、これは初耳のアイデア。
いつも思うけど、2人の使うライトの光は一直線の強い光、FBI専用?てワケでもないだろうけど、
暗闇捜査シーンでの効果バツグンアイテムの1つ。


【FILE No.317 Pusher】
だんだん国際色豊かになってる。前作は香港で、今回は日本。広告欄にOSU=押すって日本語。
サイコは武士道の達人。しっかし'90になってまだアメリカ人が忍者の話とは恐れいったね!
メディアは両国間で断絶してるのか???
2人が面と向かって殺し合い寸前となり、S「Fight Him!」このシーンの緊迫感がイイ。
それにしても犯人がスーパーで見る雑誌の表紙はどー見ても2ndに出たモンスター!w


【FILE No.318 Teso Dos Bichos】
Xファイルにもペットブームか? モルダーの捜査はいつも人が気にしないことから始めるけど
「ネズミを追おう」「ネコを追おう」て臨機応変なだけかも。今回のテーマは呪い。
毒を飲んだネズミを食べたネコを食べたイヌ・・・マザーグースの言葉遊びじゃない。
最近ネコがネズミをとらなくなったけど、もともとイヌはネコを食べたりしないじゃない? 他国の食性は知らないが。
思うに呪いとゆーよりブードゥー教祖みたいなあの儀式のボスが、ネズミの多いのを知ってて毒をまいたんじゃないかな、
と、なぞなぞの答えを見つけるのがこのドラマの面白味のひとつでもある。目が豹ソックリだったから。






【読書感想メモ】
「エリック・ザ・バイキング」テリー・ジョーンズ著
「THE VIOLIN」Robert Thomas Allen
「THE PAGEMASTER」DAVID KIRSCHNER & ERNIE CONTRERAS
「二年間の休暇」ジュール・ヴェルヌ著(大好き!
「モンスター図鑑 ドラキュラ」ジム・パイプ編
「モンスター図鑑 フランケンシュタイン」スティーヴ・パーカー編
「ジョン・レノン 愛こそはすべて」Tony Bradman
「ドリトル先生アフリカゆき」by Hugh Lofling
「わたしが子どもだったころ」by Erich Kastner
「小さな男の子の旅」by Erich Kastner


【歌詞をメモした曲】
♪ALONE AGAIN(NATURALLY)/GILBERT O'SULLIVAN
♪HI-DE-HO/CAROL KING


【イベントメモ】
・池袋サンシャイン国際水族館、サンシャインプラネタリウム
「世界のオートマタ展」@Bunkamuraザ・ミュージアム

  

photo1:オートマタの精巧さにびっくり。
photo2:ヘール・ボップ彗星が来たらしい
photo3:『インディペンデンス・デイ』の宇宙船のデカさに震えるほど感動した。
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