ほりでぃ・キッチン

たわいもない日常を暮らす中で感じた
たわいもない事を綴ります。
*サイト内のテキスト&画像の無断使用厳禁

星になったインコ

2009-03-05 09:39:20 | 徒然なるハナシ
昨年、8月。
娘の調子が最悪だった秋の日。
我が家にお迎えした、セキセイインコの雛。
まだヨチヨチとしか歩けず、
毎日、数時間おきに挿し餌をして、大事に育てたセキセイインコ。

最近は、雛トヤもおわり、羽も綺麗に生えそろって、
おしゃべりも覚えて、家族の頭や手に乗って遊んでいて、
それはそれは、かわいいインコで。

家族でとてもかわいがっていました。

それが、
3月3日の午前。

「さあ、遊ぼうか!」とケージの扉を開けて、
部屋を2,3周飛び回って、
いつものお気に入りの場所へ降り立った途端、
おかしなポーズになり、そのまま、ポトッと落ちて…

そのまま、星になってしまいました…

たまたま、私だけしか家におらず、
突然のことに、どうすることもできず。
さっきまで、元気におしゃべりしていたのに、
ちょこっと飛び回っただけで…

なんで?
どうして?
君は、星になってしまったの?

娘が帰宅する夕方がこわくて。
娘が半狂乱になるだろうことが予想できて。
インコを失った悲しみと、娘の心情を思いぱかって、
私は、ただ、インコの名前を呼びながら、
インコの亡骸を抱きしめながら、
ひとりで泣き叫び続けました。

長い長い時間でした。
たった半日が、こんなに長く感じられたことはありません。

娘が帰宅するのが、
こんなに怖かったことはありません。

しかし、娘は大人になっていました。

あまりに取り乱している私に、
「ママ、この子は幸せだったと思うよ。ママの責任なんかじゃないよ」と、
私をなぐさめてくれました。

そして、
ふたりでしばらく号泣し、
夫の帰宅を待ち、
埋葬に行きました。

「土に還って、また生まれ変わってきてね」
「うちに来て、たくさん楽しい時間をもらって、ありがとう、ありがとう」
「君にもらった元気で、これからも頑張るからね」

泣きました。
こんなに泣いたのは、もう、何年ぶりだろうか…

すべてを終えて、帰宅する車の中。
娘は言いました。

「もう、泣かない」

それは、自分への戒めのようでもあり、
自分を責めている私への慰めのようでもあり、
インコへの感謝のようでもあり。

それが、また、私の涙を誘い、
娘に
「あんまり泣くと、インコちゃんが天国へいけないよ」と
慰められて。

インコちゃん。
娘は、強くなったよ。
あなたと楽しく暮らした数か月。
あなたからは、楽しい時間と、癒しをもらい。
そして「命」の本質を、身をもって教えてくれたね。

あなたは、楽しかった?
幸せだった?

星になって、やっと自由に飛びまわれるようになったね。
これからは、どこへでも、自由に遊びにいってね。

インコちゃん。
ほんとうに、ありがとう。
そして、
さようなら。




*インコが落鳥した理由は、定かではありませんが、
病院の医師の話だと、
雛のころにショック症状を起こしたことがある子だったので、
何らかの理由による心臓発作だろうということでした。
「理由」は、解剖などをすれば、ある程度特定できるというのだけれど、
この小さい体にメスを入れるのはかわいそうだし、
もし、原因が特定できても、
それゆえに、「家族の誰かの責任」になってしまうのがいやだったので。
そして、それによって家族が喧嘩するのは、
星になったインコちゃんも、望まないと思うのです。