原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

集合修習はこんな感じです

2011-12-02 | 新司法試験制度・情報など
先日,終わりました集合修習の様子について,少し。

集合修習は,A班(東京・横浜・大阪・京都などの修習生)の場合は,7月下旬から9月下旬,B班(A班以外)の場合は,9月下旬から11月下旬となります。A班は集合修習→選択修習,B班は選択修習→集合修習,という順番になります。

場所は,ご存じ埼玉県和光市。東武・東京メトロの和光市駅から,バスで12~13分(徒歩だと25~30分くらいかかるのでは?)。このバスが,混むんです。「司法研修所前」というバス停があり,バスを降りて,道を一本渡と司法研修所があります。建物は,わりと立派。写真を載せたかったのですが,撮影厳禁なので残念ながら載せられません。

登庁時刻は,9時45分。登庁したら,まずは登簿に押印。そして,教室へ。1コマは100分(50分×2)で,1日に3コマ。70人くらいが1クラスを構成して,講義を受けます。私の在籍していた10組は,広島を中心に名古屋と松江の修習生で構成されるクラスで,裁判官・検察官志望者が多いクラスでした。科目は5科目(民事裁判・民事弁護・刑事裁判・検察・刑事弁護)で,各科目に担当教官(講師)が付きます。経験豊富な実務家が教官(講師)となります。

約2か月で何をするのかと言えば,起案とその解説講義が中心となります。論文答練のようなイメージで,起案をして,採点・添削があって,解説講義があります。起案は,各科目2回。朝9時50分から午後16時40分まで,書き続けます。途中,昼休憩を取ってもいいのですが,それをしていると間に合わなくなるので,多くの人は,おにぎりやパンを片手に,昼も書き続けます。100~120頁の記録を読んで,30~40頁くらいの答案を作成します。評価は,一応の目安として,A(5%)・B(25%)・C(40%),D(25%),E(5%)の相対評価のようですが,私のクラスの起案では,これよりも厳しい評価(AやBが少ないなど)のものが結構ありました。裁判官や検察官志望者が比較的良い成績を取り(下駄を履かせるとも言われている),Eの中でも出来が悪い場合には二回試験でアウトになると言われます。私の起案成績は,BかCがほとんどで,1回だけDがありました。司法試験合格者の中での競争なので,Aを取るのは簡単なことではないです。悪い成績を取ると,教官から呼び出し(面談)があるようです。

起案とその解説講義以外は,模擬裁判や講義です。模擬裁判は,民事・刑事ともにありますが,なにせ70人でやるものですから,20人を超える大弁護団を組むことになり,あまり効率の良いものとは言えませんでした。選択型実務修習での模擬裁判の方がはるかに勉強になりました。講義は,民事のものとして,証拠収集方法・和解・不動産登記・執行保全など,刑事のものとして,被害者保護・少年事件・量刑・科学的証拠などがありました。講義は,非常に実務的で面白いものが多かったです。

さて,その他周辺情報ですが,まずは住居について。和光には寮(いずみ寮)がありまして,事前に希望調査が行われます。もっとも,数が十分ではないので,希望した場合でも入れないことが結構あります。B班の場合,関東近辺に住居がある場合はほぼ完全に入寮不可,そうでなくても,入寮不可となるケースが結構ありました。入寮できた場合,寮費は1万3000円/月で,入寮できなかった人は和光やその周辺のマンスリーを借りていたようです(当然,自腹になります)。昼食は,食堂か司法研修所内で販売する弁当の人が多かったように思います(私もそうでした)。有名な話ですが,これが…(以下,略:笑)。あとは,研修所内にデイリーが,道を渡ったところにサンクスがあります。こちらを利用している人もそれなりにいたようです。

和光の2か月間を振り返ると,私は遠方から片道2時間近くかけて通っていたこともあって,しんどかったなぁ,というのが一番の感想です。神奈川県や千葉県から通う人にとっては,結構しんどいです。それから,すぐに二回試験が待ち構えているので,なかなか,腰を据えて勉強するという環境にはなかったなぁ,というのも感想です。

以上,集合修習のレポートでした。

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