Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

「既得権」

2006-12-24 | 構造改革
 「正社員待遇を非正規社員水準へ」という例の八代氏発言で「大企業の労働者」が「既得権の持ち主」であると認定されました。「既得権」なんていうのも、実は曖昧な概念であり、権威のあるものが「既得権」認定をし、世論が同調したら、「既得権」というものも次々に発生させられるものなのではないでしょうか。

 例えば、「ワーキングプア」とは、「働いているのに生活保護水準以下という人」を指す言葉として使われていますが、八代氏のような人にかかれば、「必死に働いているのに生活保護水準以下というのは、生活保護水準が高すぎるからだ。もっと、生活保護水準を下げるべきだ」という倒錯した論調になるのではないですか。

 こうした論議を経て、「『生活保護世帯』は、『既得権の持ち主』だ。やっつけてしまえ」というような世論になりかねないような風潮になりつつあるのは怖いですね。

 年金についても、厚生年金で月にして、二・三十万支給されている人に対して、「国民年金受給者に比べて、貰いすぎだ。国民年金の支給額まで、落とすべきだ。」となり、「『厚生年金受給者』は、『既得権の持ち主』だ。やっつけてしまえ」となるかもしれません。

 「既得権の持ち主=悪」と決め付け、「小泉さんが悪を倒してくれてるんだ」と拍手喝采をしていたマンセー族の皆さん。あなた方も、まさか霞を食って生きてるわけじゃないでしょうから、あなたやあなたの家族は何らかの収入を得て暮らしているわけですよね。

 もし、「経済財政諮問会議」で、その地位や収入が「既得権」認定されたらどうでしょうか。あなたやあなたの家族が、「既得権の持ち主」と認定され、その地位や収入を奪われてもいいというのなら、もう何も言う事は有りませんが・・・。

 多分、マンセー族の皆さんは、今まで、あなたやあなたの家族が「既得権の持ち主」であるなどとは、夢にも思っていなかったでしょう。あなたは、むしろ、「既得権の持ち主」から、不当に富を奪われている被害者であるという思い込みから、小泉さんを応援していたのでしょう。

 しかしながら、どこかの誰かが持っている権利は、「既得権」で、自分の持っている権利は、「既得権」ではないというような考え、自分だけは大丈夫という根拠のない楽観論で「改革マンセー」を唱えているのであれば、それは、結局のところ、お花畑的発想でしかありませんよ。



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