Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

「理論右翼」って、誰のこと?

2007-11-17 | 構造改革
「もじもじスケッチ」さん「保守思想の国家観とは」より、
理論右翼の主張を聞くと、彼らは決してその言葉を口にしないが、私には全体主義者のように思える。


 「理論右翼」って、誰のこと?ご自分のことですか?

 確かに、あなたは、「国民より国家」、「個人より集団」という考えの「全体主義」チックな人ですね。

 「近代経済学」の素養もない、まっさらの頭に、日経を始めとした「ネオリベ」一辺倒の「経済記事」を日々、流し込めば、きっとあなたのような「ネオリベ脳」が出来上がるのでしょう。

 御用学者の「ネオリベ礼賛記事」を鵜呑みにして、「ネオリベ批判者」の(経済学に対する)無知を嘲笑う毎日をお過ごしのようでなによりです。

 いつもながら、現実に背を向けて、自分の信じる情報のみを頼りに、脳内で捏ね繰りあげた、その理論の素晴らしいことといったらありませんね。

 あなたこそ、「理論右翼」の名に相応しいお方です。

 さて、話は変わりますが、今では、「社会主義は間違いだった」というのが定説になっています。

 これは、マルクスの「資本論」を読んで、その理論の間違いに人々が気付いたからではなく、「社会主義」を国是としていた旧ソ連が、経済的に破綻したためです。

 つまり、理論ではなく現実から、人々は「社会主義は間違いだった」ということに気付いたのです。

 あなたのように、一人よがりの理論を振りかざすだけでは、誰も「ネオリベ」の良さ?に気付きはしないでしょう。

 実際のデータを提示しないと人は納得しませんよ。

 たとえば、私は、『「地域格差』は拡大しているか」・・・日本総合研究所の資料というエントリーで、木走さんの提示された資料を用いて論じています。
指標とすべきは、木走さんのおっしゃる通り、「1人当たり県民所得」なのです。

7.1人当たり県民所得(42KB)
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kenmin/h16/7_skenmin.xls

↑これで、平成8年度と平成16年度を比較して増減率を見てみると、実に悲惨な数字になっています。↓

【表2:1人当たり県民所得】(単位:千円)
都道府県 平成8年度 平成16年度 増減率
01 北海道 2,794 2,535 -9.27%
02 青森県 2,476 2,152 -13.09%
03 岩手県 2,572 2,363 -8.13%
04 宮城県 2,812 2,530 -10.03%
05 秋田県 2,491 2,297 -7.79%
06 山形県 2,604 2,411 -7.41%
07 福島県 2,897 2,712 -6.39%
08 茨城県 3,148 2,929 -6.96%
09 栃木県 3,314 3,062 -7.60%
10 群馬県 3,034 2,828 -6.79%
11 埼玉県 3,324 2,956 -11.07%
12 千葉県 3,116 2,976 -4.49%
13 東京都 4,282 4,559 +6.47%
14 神奈川 3,576 3,174 -11.24%
15 新潟県 2,898 2,688 -7.25%
16 富山県 3,316 3,027 -8.72%
17 石川県 2,979 2,790 -6.34%
18 福井県 2,930 2,832 -3.34%
19 山梨県 2,896 2,548 -12.01%
20 長野県 2,980 2,733 -8.29%
21 岐阜県 2,999 2,701 -9.94%
22 静岡県 3,357 3,247 -3.28%
23 愛知県 3,723 3,440 -7.60%
24 三重県 3,015 2,988 -0.90%
25 滋賀県 3,529 3,235 -8.33%
26 京都府 3,034 2,849 -6.10%
27 大阪府 3,534 3,039 -14.01%
28 兵庫県 3,301 2,651 -19.69%
29 奈良県 2,968 2,599 -12.43%
30 和歌山 2,601 2,525 -2.92%
31 鳥取県 2,621 2,371 -9.54%
32 島根県 2,549 2,425 -4.86%
33 岡山県 2,844 2,578 -9.35%
34 広島県 3,184 2,943 -7.57%
35 山口県 2,899 2,817 -2.83%
36 徳島県 2,784 2,808 +0.86%
37 香川県 2,844 2,630 -7.52%
38 愛媛県 2,637 2,309 -12.44%
39 高知県 2,437 2,171 -10,92%
40 福岡県 2,792 2,570 -7.95%
41 佐賀県 2,597 2,453 -5.54%
42 長崎県 2,380 2,190 -7.98%
43 熊本県 2,460 2,366 -3.82%
44 大分県 2,690 2,653 -1.38%
45 宮崎県 2,415 2,340 -3.11%
46 鹿児島 2,276 2,207 -3.03%
47 沖縄県 2,050 1,987 -3.07%
* 全県計 3,188 2,978 -6.59%
* ブロック別
01 北海道・東北 2,746 2,508 -8.67%
02 関東 3,556 3,427 -3.63%
03 中部 3,374 3,171 -6.02%
04 近畿 3,321 2,868 -13.64%
05 中国 2,935 2,730 -6.98%
06 四国 2,678 2,460 -8.14%
07 九州 2,529 2,391 -5.46%
* 政令指定都市
01 札幌市 3,025 2,700 -10.74%
02 仙台市 3,300 2,935 -11.06%
03 千葉市 3,472 3,348 -3.57%
04 横浜市 3,579 3,110 -13.10%
05 川崎市 3,643 3,281 -9.94%
06 名古屋 3,940 3,241 -17.74%
07 京都市 3,148 2,911 -7.53%
08 大阪市 4,106 3,311 -19.36%
09 神戸市 3,136 2,773 -11.58%
10 北九州 3,048 2,510 -17.65%
11 福岡市 3,338 3,109 -6.86%
* 都市計 3,510 3,052 -13.05%

都道府県 平成8年度 平成16年度 増減率
* 全県計 3,188 2,978 -6.59%

都道府県 平成8年度 平成16年度 増減率
13 東京都 4,282 4,559 +6.47%

 まず平成8年から16年までの9年間で全国平均では3,188千円から2,978千円と-6.59%も平均所得が下がっている中で東京だけが突出して増加傾向にあることがわかります。

 全都道府県計が、この九年間で6.59%の減少。これはひどいものですね。これで、よく景気は「いざなぎ景気を超えた」などと言えたものです。国民を騙すのも大概にしてほしい。


 もう一度、指摘しておきますが、1人当たり県民所得の「全都道府県計が、この九年間で6.59%の減少」ですよ。


 さて、次に、bewaadさんが最近出された「真の失業率」推計最新版(2007-09現在)を引用させてもらうことにします。

「真の失業率」推計最新版(2007-09現在) | bewaad institute@kasumigasekiより、




         真の失業率
            ↓
1990  2.1%     3.2%          134  204

1991  2.1%     2.4%          136  155
1992  2.2%     2.2%          142  142
1993  2.5%     2.8%          166  183
1994  2.9%     3.4%          192  228
1995  3.2%     4.0%          210  266

1996  3.4%     4.1%          225  276
1997  3.4%     3.8%          230  262
1998  4.1%     5.1%          279  348
1999  4.7%     6.3%          317  435
2000  4.7%     7.0%          320  485

2001  5.0%     7.9%          340  551
2002  5.4%     9.4%          359  660
2003  5.3%    10.0%          350  700
2004  4.7%    10.0%          313  705
2005  4.4%     9.8%          294  688

2006  4.1%     9.5%    6.7%    275  671  458


 小泉政権以後の「真の失業率」の凄さときたら、終戦直後を除けば戦後最悪でしょうね。「いざなぎ景気を超えた」景気拡大というのは、「大本営発表」のようなものに過ぎず、実際は、「小泉不況」というべき5年間だったわけです。

 格差拡大も、福祉切り捨ても、「小泉改革」で本当に経済が良くなっていたのなら、これほどの論議にはなっていなかったでしょう。「経済」が駄目で、「格差」も拡大し、「福祉」まで切り捨てられ、さらに「増税」論議ですからね。国民にとっては、まさに、踏んだり蹴ったりです。

 「小泉改革」の結果というのは散々なものだった、小泉内閣の経済政策は失敗だったとしか言えません。

 話を戻します。「もじもじスケッチ」さん。「ネオリベは素晴らしい」、「小泉改革で、経済は良くなった」と主張するなら、「ネオリベの素晴らしさ」や「小泉政権下での経済の立ち直り振り」を是非データで示して下さいな。

 あらかじめ言っておきますが、「金額ベースで、1%のマイナスだけど、物価が2%下がったから、実質1%の成長だ」などというデフレを利用した詭弁を用いるのは止めてくださいね。



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2 コメント

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冷酷で無関心な小泉信者と媚米保守 (蒼龍)
2007-11-17 13:17:46
真司さん、蒼龍です。

さっそく「もじもじスケッチ」とやらいうブログを見てきましたが…。いやはや、ここまで凄まじいコーゾーカイカク、そして小泉純一郎賛美にはいっそ敬意を払いたいものですね。私も以前に筋金入りの小泉信者とバトルをした事がありましたが、この人はそれ以上ですよ。何しろ本人のみならず、家族そろって小泉信者なのですから。さながら小泉マンセー教の教祖といったところですか。

さて、件のブログを過去ログまで少々読んだのですが、何と言いましょうか…。一読した限りでは理路整然とした構成で極めて論理的に思えてしまいます。何も知らない人が読むと「ああ、やっぱり小泉さんはすばらしい人なんだ!構造改革は間違っていなかったんだな!」と思わされてしまうでしょう(でもコメント欄を解放していないのはなぜ?)。

しかし、私にはただそれだけしか感じられなかったのです。つまり、小泉が拉致被害者の家族や不況に苦しむ国民にそうだったように、この管理人からは情と言うか、暖かみが感じられないのです。いくら端々で茶目っぽい雑談を書いていても、本文が論理オンリーなので読めば読むほど虚しさが感じられます。ひょっとしたら、この御仁は小泉や竹中平蔵、その二人が主導した「コーゾーカイカク」への批判を「長期的な視野を持たず、目の前の事しか考えない愚民の遠吠え」と軽蔑しているのではないでしょうか。

私は国柄や伝統を守るはずの「保守」を自称するくせに、米国の邪な対日経済侵略やそれに唯々諾々としている政府与党、それを利用して私服を肥さんとする一部の政財界人に一切批判の声を上げないばかりか、そうした声を「寝言を言うな!」とばかりに冷笑する連中が許せません。そして、そうした「ホシュ」には大きく二つに分けられると思います。

前者が「もじもじスケッチ」管理人のような小泉・カイカク信者。そして後者が以前紹介した「私の主張・ひとりの日本人として」の管理人forest氏のような支那・韓国・北朝鮮や民主党・社民党・共産党や朝日新聞・NHK・偏向文化人などの反日勢力批判に著しく偏った反・反日派。彼らは反日叩き以外には全く興味がなく、また与党政府や米国は反日勢力と敵対関係にあるため批判をしてはならないという思いこみがあるようです。余談ですが「私の主張」の常連の一人は、「年次改革要望書は1993年から毎年日米両政府間で交換されているから、日本への内政干渉にはならない」
と言っていますが、しかし力関係を見れば米国が日本の年次改革要望書など、紙クズのごとく扱っている事は想像に難くありません。

最後にさっき見つけてきた、forest氏の郵政民営化に関する投稿を紹介します。ご参考までにどうぞ。

「ただ郵政の仕事は公務員でなければ出来ない仕事ではありませんので、民営化しても問題ないと思います。黒字だからする必要はないとの意見もありますが、民営化による資産の透明化を図れるし、郵便貯金が政治家や官僚などによって、●●(注:別の投稿者の名前)さんが指摘されるように勝手に特別会計として使われていることを防止できるでしょうから民営化はむしろ遅すぎた感があります」
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Re:冷酷で無関心な小泉信者と媚米保守 (上田真司)
2007-11-18 07:30:12
蒼龍さん、コメントありがとうございます。

>さっそく「もじもじスケッチ」とやらいうブログを見てきましたが…。いやはや、ここまで凄まじいコーゾーカイカク、そして小泉純一郎賛美にはいっそ敬意を払いたいものですね。私も以前に筋金入りの小泉信者とバトルをした事がありましたが、この人はそれ以上ですよ。何しろ本人のみならず、家族そろって小泉信者なのですから。さながら小泉マンセー教の教祖といったところですか。

「小泉礼賛記事」を真に受けて、鵜呑みにし、「小泉批判記事」を嘘と決めつけて批判する。
これを繰り返していけば、日々、「小泉純一郎賛美」の純度が高まるというわけです。

>さて、件のブログを過去ログまで少々読んだのですが、何と言いましょうか…。一読した限りでは理路整然とした構成で極めて論理的に思えてしまいます。何も知らない人が読むと「ああ、やっぱり小泉さんはすばらしい人なんだ!構造改革は間違っていなかったんだな!」と思わされてしまうでしょう(でもコメント欄を解放していないのはなぜ?)。

確かにそうですね。

>しかし、私にはただそれだけしか感じられなかったのです。つまり、小泉が拉致被害者の家族や不況に苦しむ国民にそうだったように、この管理人からは情と言うか、暖かみが感じられないのです。いくら端々で茶目っぽい雑談を書いていても、本文が論理オンリーなので読めば読むほど虚しさが感じられます。ひょっとしたら、この御仁は小泉や竹中平蔵、その二人が主導した「コーゾーカイカク」への批判を「長期的な視野を持たず、目の前の事しか考えない愚民の遠吠え」と軽蔑しているのではないでしょうか。

小泉純一郎や竹中平蔵を信じ、彼らの言ってることこそが正しいと思ってる人は、彼らの非情な発言を肯定して、自らも非情な発言をするのでしょう。

>私は国柄や伝統を守るはずの「保守」を自称するくせに、米国の邪な対日経済侵略やそれに唯々諾々としている政府与党、それを利用して私服を肥さんとする一部の政財界人に一切批判の声を上げないばかりか、そうした声を「寝言を言うな!」とばかりに冷笑する連中が許せません。そして、そうした「ホシュ」には大きく二つに分けられると思います。

>前者が「もじもじスケッチ」管理人のような小泉・カイカク信者。そして後者が以前紹介した「私の主張・ひとりの日本人として」の管理人forest氏のような支那・韓国・北朝鮮や民主党・社民党・共産党や朝日新聞・NHK・偏向文化人などの反日勢力批判に著しく偏った反・反日派。彼らは反日叩き以外には全く興味がなく、また与党政府や米国は反日勢力と敵対関係にあるため批判をしてはならないという思いこみがあるようです。余談ですが「私の主張」の常連の一人は、「年次改革要望書は1993年から毎年日米両政府間で交換されているから、日本への内政干渉にはならない」
と言っていますが、しかし力関係を見れば米国が日本の年次改革要望書など、紙クズのごとく扱っている事は想像に難くありません。

彼らの違いは、外交・歴史認識に強い関心をしめすか、(これは、「私の主張・ひとりの日本人として」の場合)、経済政策に強い関心をしめすか、(これは、「もじもじスケッチ」の場合)の違いなんじゃないでしょうか。

>最後にさっき見つけてきた、forest氏の郵政民営化に関する投稿を紹介します。ご参考までにどうぞ。

>「ただ郵政の仕事は公務員でなければ出来ない仕事ではありませんので、民営化しても問題ないと思います。黒字だからする必要はないとの意見もありますが、民営化による資産の透明化を図れるし、郵便貯金が政治家や官僚などによって、●●(注:別の投稿者の名前)さんが指摘されるように勝手に特別会計として使われていることを防止できるでしょうから民営化はむしろ遅すぎた感があります」

「勝手に特別会計として使われていることを防止できる」・・・これは、民営化する前に法律がかわってるので、正しくないと思います。

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