Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

北朝鮮が地下核実験

2006-10-10 | 拉致・北朝鮮問題
 金正日は、自らの生存のためには、「核カード」を手離すべきではないと判断したんでしょう。実際、アメリカは未だかって、核保有国に対して戦端を開いた事がありませんから・・・。イラクも、核がなかったから、アメリカにいいように攻撃されたのだと彼は思っているのでしょう。

 このような金正日の判断は、あながち間違ってはいないかもしれません。少なくとも、一部で予想されているような、「北朝鮮の核実験が、アメリカの軍事制裁を招き、北朝鮮を崩壊させる」というような流れには、すぐにはならないのではないか。アメリカは、北朝鮮が核実験をしたからといって、すぐに軍事行動を取れるような余力はないように見えます。アメリカは、あくまでも金融制裁等の非軍事オプションで、北朝鮮が音を上げるまで締め上げるつもりのようです。

 北朝鮮の戦略は、世界からどんなに非難されようと、「核カード」を温存して、ほとぼりが冷めるのを待っているのかも知れません。制裁にじっと耐えていれば、インドやパキスタンのようにやがて、現状を追認してもらえるという計算が働いているのでしょう。



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(参考)


北朝鮮が地下核実験 安保理、制裁問題協議へ
2006年10月10日(火)03:03

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国営朝鮮中央通信は9日午前、「地下核実験を安全に成功裏に行った」と発表した。韓国大統領府は、同日午前10時35分(日本時間同)ごろに北朝鮮北東部・咸鏡北道(ハムギョンプクト)周辺で地震波を感知したと公表。日米も地震波を観測したが、爆発規模などで疑問点もあり、確認を急いでいる。北朝鮮の核問題をめぐる6者協議は崩壊の危機に直面し、北東アジアの安全保障と国際社会の核不拡散体制を揺さぶる事態となった。ソウルで9日会談した日韓両首脳は「絶対に受け入れられない」との考えで一致したほか、北朝鮮を除く6者協議参加国の首脳は電話会議で対応を協議。米国は「挑発的行為」と厳しく非難し、中国も「断固反対する」と異例の強い声明を出した。国連安全保障理事会は9日、北朝鮮への制裁問題についての協議に入った。

 朝鮮中央通信は、「放射能漏れのような危険は全くなかったことが確認された」と報じたが、具体的な場所や時間、規模については触れなかった。日米などが大気中の放射性物質などについて調べている。

 北朝鮮は今月3日、「核実験を行う」との声明を出していた。成功が最終確認されれば北東アジアでは中国に次ぐ核保有国となる。

 米地質調査所(USGS)はマグニチュード4.2、日本の気象庁は同4.9の地震波をそれぞれ観測した。ロシアのイワノフ副首相は9日の閣議で「核爆発があったことにいかなる疑いもない」と断言。爆発の規模は5~15キロトンだったとしている。

 韓国の聯合ニュースによると、国家情報院の金昇圭(キム・スンギュ)院長は9日午後の国会情報委員会で実験現場を北緯40度、東経129度周辺とし、「咸鏡北道金策(キムチェク)市から15キロ離れたサンピョン里と推定される」と述べた。また、咸鏡北道吉州(キルジュ)郡豊渓里(プンゲリ)で同日午後3時ごろから人員と車両の動きが見られることを明らかにし、追加実験をする可能性があるとの見方を示した。

 ブッシュ米大統領は9日、ホワイトハウスで緊急会見し、北朝鮮の核実験を「平和と安全に対する脅威で、挑発的行為だ」と非難し、「受け入れられない」と述べた。日本のほか中国、韓国、ロシアの首脳との協議で「国際社会として対応する」ことを確認したとして、「国連安保理で即座に対処する必要がある」とも語った。また、北朝鮮によるイラン、シリアへのミサイル技術の拡散にも言及、核兵器拡散への強い懸念を示した。

 北朝鮮は、実験実施を事前に中国に伝えた模様だ。9日午前9時半(日本時間同10時半)ごろ、中国外務省から北京の日本大使館に電話が入り、「北朝鮮がまもなく核実験を行うだろう」との情報が伝えられた。外交筋によると、中国外務省は米韓の両大使館にも同様の連絡を入れた。

 核関連施設が集中している中部・平安北道(ピョンアンプクト)寧辺(ヨンビョン)の黒鉛減速炉(5000キロワット)から使用済み核燃料棒を取り出して再処理したプルトニウムを利用した可能性が指摘されている。高濃縮ウランを使った可能性も完全には排除できない。北朝鮮の核兵器保有数について、日米は「最大で6~8個」との見方を示し、韓国は「1、2個と推定」(尹光雄(ユン・グァンウン)国防相)との立場をとってきた。

 金正日(キム・ジョンイル)氏の総書記就任記念日(8日)と朝鮮労働党の創建記念日(10日)にあわせて実施することで、国内の引き締めに利用する狙いがあったとの指摘もある。ただ、米国が軟化する可能性は低く、北朝鮮がいっそう孤立するのは必至だ。

 北朝鮮は7月5日、長距離弾道ミサイル「テポドン2」(推定射程3500~6000キロ)など7発のミサイルを打ち上げた。今回の実験で核爆弾の小型化に一定のめどがついたかどうかは不明だが、日本の防衛論議に大きな影響を与えるのは確実だ。

 南北朝鮮に日米中ロを加えて03年8月に始まった6者協議は昨年9月、北朝鮮の核兵器と核計画の放棄を盛り込んだ共同声明をまとめた。北朝鮮は米国による金融制裁に反発して協議への復帰を拒否しており再開のめどはたっていないが、今回の実験で共同声明は事実上、白紙化された形だ。

 北朝鮮は05年2月に核兵器保有を宣言。今年7月のミサイル発射を受け、国連安全保障理事会が北朝鮮非難決議を全会一致で採択すると、北朝鮮外務省は「自衛的戦争抑止力を各面から強化する」と反発していた。