Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

したたかさに強運?安倍内閣1カ月

2006-10-30 | 自民党
 「耐え難きを耐えて、政治はしたたかにやらないといけない」と安倍首相は言ったそうです。

 「耐え難きを耐えて」という昭和天皇の敗戦を決意したときの重い言葉を、この様に軽々に使っていいものなのかと思います。この人が言うとまるでパロディのようにしか聞こえません。

 何故、このような表現が出て来るのか、これは、中国に全面降伏したという事なのか、野党に全面降伏したという事なのか。そしてそれは何故なのか。しっかりと教えてもらいたいもんです。

 「政治はしたたかに」というけど、「したたか」とは、「強くて手ごわいさま、一筋縄ではいかないさま」という意味であって、安倍さんの様に、最初から勝負を避けて、安全圏に逃げ込もうといった姿勢を表わす言葉ではないのではないのですよ。そういうのは、「したたか」と言わず、「怯懦」もしくは「卑怯」と言うのです。自分自身が国会を楽に乗り切るために、「村山談話」「河野談話」の踏襲も止むを得ずと判断したのなら、一時の私益のために国益を犠牲にした愚か者と言わざるを得ません。

 「過去の政府見解を形式的に引き継いでも、その根拠となる事実関係のあいまいさを強調することで、有名無実化を狙う。」・・・なんで、そんな回りくどい事をせにゃならんのか理解に苦しみます。こんなもんは、所詮言い訳です。このような「一見、負けているようで、実は勝っている」という論調は、過去「運スレ」で大量発生した「妄想的詭弁」を思わせますね。

 25日の下村発言にしても、それだけで終わるならば、それこそ、国民の不満をそらす単なるガス抜きにしか過ぎなかった事になります。

 最近の安倍首相の言動を見ていると、煮え切らない小泉首相のもとで、強硬論を唱えていたのも、単なるガス抜き役を演じていただけだったのかも・・・とさえ思えてきます。

 「首相は、自分の主張を変えずに首相としてどこまで言えるかを考えている。一つ一つが極めてマネジメントされている」と首相補佐官の1人は言ったそうですが、ここまで、主張を変えている人を評して、この発言はないでしょう。まるっきり、実のないセールストークです。



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(参考)
【安倍内閣1カ月】(下)したたかさに強運

 ■政敵欠場・靖国…「歴史問題」乗り切る
 慰安婦への日本軍関与の強制性を認めた「河野談話」の見直しに下村博文官房副長官が言及したことが、国会で波紋を呼んでいる。民主党など野党は「閣内不一致だ」と追及する構えだが、安倍晋三首相は「全く問題ない」と余裕の表情で、むしろ自らの政権運営に自信を深めているようだ。
 「求心力は高まっているし、安定している。当選回数と経験の不足という懸念は払拭(ふっしょく)された」
 首相より10歳年長の丹羽雄哉自民党総務会長は手放しで称賛する。その求心力の核となっているのが、首相の「予想外のしたたかさ」(閣僚)に加えて強運だ。
 その予兆は、組閣前日に表れた。首相にとって手ごわい政敵となると指摘された民主党の小沢一郎代表が、自身の再選を決めた臨時党大会直後に入院したのだ。その後、民主党衆院議員による不倫騒ぎなど敵失もあった。さらに北朝鮮の核実験は、安倍政権の強硬路線を引き出し、さきの衆院補選に向けて結果的に追い風となった。身近に迫る核の脅威の前で、政権発足後に足かせとなりかねなかった靖国神社参拝問題は、忘れ去られたかのような状況が生まれた。
 一方、歴史認識をめぐる国会答弁の中で、首相はひそかに布石を打っている。日本の過去に対する反省と謝罪を明確にした村山談話や河野談話に批判的だった首相は、これらを内閣として継承すると表明し、与党内や支持者の間から「変節」「失望した」といった批判の声も漏れた。だが、首相には別の計算があった。
 「耐え難きを耐えて、政治はしたたかにやらないといけない」
 首相は周囲にこう漏らしている。すでに閣議決定され、対外的に発信された談話を破棄・修正するには膨大な時間とエネルギーを要する。それを考えれば「談話は継承するが、中身は骨抜きにしていけばいい」(周辺)と踏んでいるふしがある。
 今月6日の衆院予算委員会では、共産党の志位和夫委員長の河野談話に関する質問に対し、首相は「今にいたっても『狭義の強制性』については、事実を裏付けるものは出てきていなかった」と指摘した。狭義の強制性とは慰安婦の強制連行を指す。政府高官は「国会答弁でこれをはっきり否定したのは歴代首相で初めてではないか」と語る。
 同じ日、民主党の岡田克也元代表のいわゆるA級戦犯に関する質問に対しても「国内法的に犯罪者でないのは、はっきりしている」と明言、「戦争犯罪人だと認識している」としていた小泉純一郎前首相の答弁を事実上、修正した。
 過去の政府見解を形式的に引き継いでも、その根拠となる事実関係のあいまいさを強調することで、有名無実化を狙う。その思惑を裏付けるように、首相は一部の変節批判をほとんど気にしていないようだ。
 首相補佐官の1人は「首相は、自分の主張を変えずに首相としてどこまで言えるかを考えている。一つ一つが極めてマネジメントされている」と強調する。表面的には安全運転に見える首相の答弁に、野党側が攻めあぐねる現象が起きているのも事実だ。
 もっとも、与党内には首相の強気を懸念する向きもある。閣内不一致を野党側から繰り返し指摘されていることを踏まえ、公明党の漆原良夫国対委員長は27日、自民党の二階俊博国対委員長を通じて「しかるべき対処」を申し入れた。強運に支えられた成功がいつまで持続するかは、首相にとっても未知数の面は少なくない。
                   ◇
【用語解説】河野談話
 宮沢内閣末期の平成5年8月、河野洋平官房長官(当時)が韓国から日本政府の関与を認めるよう要請があった慰安婦について「慰安所は当時の軍当局の要請により設営されたもので、慰安所の設置、管理および慰安婦の移送は旧日本軍が直接あるいは間接に関与した」とする談話を出し、謝罪と反省を表明した。
 しかし、談話の根拠は元慰安婦女性からの聞き取り調査だけで、慰安婦を強制的に集めたことを示す文書は見つからなかった。9年3月の参院予算委員会で、平林博内閣外政審議室長は「個々の証言を裏付ける調査は行っていない」と答弁した。
 また、談話の作成にかかわった石原信雄元官房副長官は17年7月、産経新聞の取材に「普通の談話であれば、物的証拠に基づく手法ではああいうものはできない」と述べ、政治判断が優先されたことを認めた。
<産経新聞>