「おかあさ~ん!早く来て来てっ!!!ほら、アレ!アレがある!」
・・・相変わらずアレとかコレとか語彙の少ない長男の興奮した大声が外から響いてくる。
アレって何だ!?ぬくぬくした部屋から外で出るのはなかなかハードルが高い。えいやっ、と重い腰をあげてようやく呼び声に答えれば、曇り空の下待っていたのは、柔らかな優しい萌黄色の宝石・・・そう、フキノトウ
あそこにも、ここにも、色んなところからポコポコと顔を出していました。いつの間に・・・。ぽわっと心の中に春の暖かさが灯る。
ぱっと見つかるものは、食べるにはすべて開きすぎていたけれど、かがんで土に顔を近づけてみれば、あるある、柔らかな蕾たち。ふふふ。さっそく狩猟採集(!?)が大好きな近所のおうちをピンポーン。
「ここにはなさそうねー」
とぱっと見フキノトウの見えない手前の山も歩けば、きゃっ、踏んでる踏んでる草の陰。宝探しのような感覚が、なんとも採集魂に火をつけるんだなあ、ふふ。
きゃあきゃあと大騒ぎの声に、「なんだ、なんだ?」と別の家からも姉妹がわらわら出てきて採集隊出動!お次は我が家に隣接している山へと移動。こちらは急傾斜なので、壁にへばりつくよう山を探す子供たち。楽し~い。
山には境なんてないから、ずんずん前のお宅の敷地内にも入って行く子供たち・・・行きはよいよい帰りはこわい。なぜか帰りはつかまるところや足場が見つからず戻ってこれない~。山の斜面って奥が深いのであった。
昨年の3月以来、放射能が心配で実のところ山の恵みたちも微妙・・・。幸か不幸か子供たちが夏に食べまくる桑の実は剪定されてしまってほとんどありつけず、秋のシイの実も不作。口にあまりできなくて、正直ほっとしている自分もいた。現実に目をつむるわけでもなく、複雑な思いも抱えつつ、山の恵み、ほんの少し感謝していただこう。
祭り状態の大騒ぎだったので、前に住む大分年上のご婦人たちにも子供たちが届けにいきましたよ~。自分たちでは山に入るのはもうキツイから嬉しい、と春の贈り物を喜んでくれて、こちらもほっこり。
ちなみに我が家では、萌黄色は消えてしまったけれど、フキ味噌にしました~。
実家の床下収納で見つけた亡き母の手前味噌を使えば、作りながらなんだかしんみり。甘くてほろ苦いフキ味噌をお味見してたら色んな思い出がこみあげてきて・・・。ん~、スイート&ビターmemories(←ん?ちょっと違う???)
チビたちも大人になってフキノトウ見つけたら楽しかった幼少時代思い出してくれるのかなあ。忘れちゃうだろうな。でも、潜在的に何かの力になってくれるハズ、うん。
フキノトウより食べるにはタラの芽のほうがホントはいいんだけど~、と内心思っていたのはフキノトウたちには内緒。
都心通勤圏内プチ山暮らしの季節のひとコマでした。
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