[ 小魔人の小部屋 ] 枚方市の学習塾“ベスト学習会”の別宮利彦の一昔前の回顧録

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別宮利彦の『小魔人の小部屋』
こっそり垣間見てにんまり微笑んでください

「その時歴史が動いた」 ~白洲次郎~

2006-04-08 | 頭の栄養になるテレビ番組

私、小魔人が愛好するテレビ番組の「その時歴史が動いた」が7年目に突入した。

先日の放送は、「マッカーサーを叱った男 ~白洲次郎・戦後復興への挑戦~」
というテーマだった。

この 白洲次郎 は、非常に魅力的な人物で、番組を楽しみにしていた。
期待通り、とても興味深い内容だった。

彼は、現代のなよなよしたイケメンとは違って、ダンディなサムライっていう感じだ。
185cmの体躯で丹精な風貌…。日本で最初にジーンズをはいたといわれる抜群のファッションセンスを備えていた。

17才で単身イギリスに留学。名門ケンブリッジ大学で学んだ。26才までイギリスで過ごし、高級なスポーツカーを乗り回しつつ、Queen's Englishと英国流のマナー・着こなし・コミュニケーションを身につけた。裕福な商家だった実家が破産して帰国し、英字新聞の記者を経て貿易関係の職に就いたが、太平洋戦争の参戦当初より日本の敗戦を見抜き、東京町田に江戸時代に建てられた古い農家と田畑を求め、農業に従事した。

敗戦後、ビジネスマン時代に知己を得た吉田茂に請われて、その右腕としてGHQとの交渉にあたった。憲法制定に深く関与する等、戦後日本の立て直しにおいて大きな役割を果たした。政治家も官僚もみんなGHQにペコペコしていた中、『戦争には負けたけど、奴隷になったわけではない』と、当時アメリカ人と対等に渡り合った唯一の日本人であった。GHQ側の印象は「従順ならざる唯一の日本人」というものだった。

サンフランシスコ講和条約締結の場では、英語の演説原稿を直前に巻紙に書いた日本語に差し替えさせ、羽織袴姿で吉田茂に読み上げさせるなど、負けん気の強さを遺憾なく発揮した。吉田内閣で貿易庁長官を努め、通産省創設にも手腕を発揮しながらも「性に合わない」と、戦後処理が終わった後はあっさりと政界から身を引き、経済界に転身。

その後は東北電力会長・大沢商会会長等の職務を歴任した。公職引退後も80才過ぎまでポルシェを乗り回し、友人であったミヤケイッセイのモデルを引き受けるなど、悠々自適に暮らす。晩年まで長く理事長を務めていた軽井沢ゴルフ倶楽部では、数多くいた入会待ちの人間に対して、たとえそれがどんな政財界の大物であっても便宜は図らない等、その運営に徹底的なフェアプレイ精神を貫き通した。一方で、自分を支えてくれている従業員にはあたたかく接していた。キャディーさんや、工事現場の作業員はじめ、弱い立場にいる人に心から敬意を払っていた。弱いものに徹底的に優しく、私利私欲を持って付き合う人間を極端に嫌い、どこへ行っても地元の子供たちになつかれた人物であった。

白洲次郎の主なエピソード

・昭和天皇からダグラス・マッカーサーに対するクリスマスプレゼントを届けた時に、ぞんざいに扱われたために憤激して持ち帰ろうとしてマッカーサーを慌てさせた。

・戦争直後、GHQの高官に「キミは英語がなかなか上手だね。」と、ケンブリッジ仕込みの英語をほめられると、返す刀で「あなたの英語も、もう少し勉強なされば一流になれますよ。」とやりこめた。

・ある時、時の首相が軽井沢ゴルフ倶楽部でのプレイを要望してきたが、
「プレイしたければまず会員になれ!」

・ある日倶楽部にやって来た会員が、乗ってきた車の運転手に自分のゴルフシューズの紐を結ばせているのを目にして・・・
「テメェには手がないのか!」

・自分の信じた『原則(プリンシプル)』には忠実で、「まことにプリンシプル、プリンシプルと毎日うるさいことであった」と正子夫人は語る。遺言は「葬式無用、戒名不用」であった。享年83才。

エピソードはまだまだあるが、私は、20世紀の『格好いい大人』の日本を代表する一人であると思う。権威には卑屈にならない。弱い立場にいる人間に心から敬意を払った。白洲次郎の下で最下層で働く人たちは、雲の上の人、白洲次郎が、自分たちのところまで降りてきて、実に親切にくれたことを、涙を流しながら回顧する。弱いものに徹底的に優しいという、まるで、どこかの漫画の主人公のような人物であった。


最近も、中3の授業で、敬語をテーマとものがあった。聞いてみると、お店で買い物をしたときに、店員の人に対して、「お金を払う」「買ってあげてる」立場なのだから、客の方は敬語なんて使う必要ないよなどと考えている者も少なくなかった。

それは違うだろう。年上の人、あるいはそんなことは関係なく、人とのコミュニケーションにおいて、相手に対する敬意は必要だと説いた。

私は、お客の立場として、店員さんに注文したり、何かを問い合わせたりするときはもちろんのこと、見ず知らずの人と会話をするときは、立場に関係なく、必ず敬語を使うよう心掛けている。年上の人に対してはなお更である。

レジでお金を支払うときも、「こちらは金を出してるんだから」なんて態度ではなく、必ず「ありがとう」という言葉は欠かさない。

自分と相手との関わりや立場など意識せず、お互い気持ちよく接することが大切だと思うから…

まあ、私なりの小さなダンディズムかも知れませんが…



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