[ 小魔人の小部屋 ] 枚方市の学習塾“ベスト学習会”の別宮利彦の一昔前の回顧録

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別宮利彦の『小魔人の小部屋』
こっそり垣間見てにんまり微笑んでください

どうして勉強するの

2024-02-03 | コラム
 

勉強は何のためにするの?

子どもから、

 なんで勉強せなあかんの~?

と聞かれたら何て答えたらいいのでしょうか。

かつて「女王の教室」というドラマがありました。
ドラゴン桜の天海祐希版って感じで、天海祐希さんが小6担任役で、鬼教師。

~ このドラマの第10話のシーンから ~

 ある生徒から、
「先生、この前言いましたよね?いくら勉強しても、いい大学に行っても、いい会社に入っても、そんなの何の意味もないって。じゃあ、どうして勉強しないといけないんですか?」
と質問されたとき、鬼教師の担任の先生の言葉。

 いい加減目覚めなさい。まだそんなことも分からないの?
 勉強は、しなきゃいけないものじゃありません。
 したいと思うものです。


 これからあなたたちは、知らないものや、理解できないものにたくさん出会います。美しいなとか、楽しいなとか、不思議だなと思うものにたくさん出会います。そのとき、もっともっとそのことを知りたい、勉強したいと自然に思うから人間なんです。


 好奇心や、探究心の無い人間は、人間じゃありません。サル以下です。


 自分たちの生きているこの世界のことを知ろうとしなくて、何ができるというんですか。

 いくら勉強したって、生きている限り、分からないことはいっぱいあります。

 世の中には、何でも知ったような顔をした大人がいますが、あんなもの嘘っぱちです。

 いい大学に入ろうが、いい会社に入ろうが、いくつになっても勉強しようと思えばいくらでもできるんです。
 好奇心を失った瞬間、人間は死んだも同然です。

 勉強は、受験のためにするのではありません。立派な大人になるためにするんです。

勉強は何のためにするの?

 これは、永遠のテーマですね。

「将来困らないように」「人生の敗者にならないように」というような、ネガティヴな言われ方をすると、余計に〝なんでやねん〟になりますよね。

 このドラマの先生みたいに、「知りたいと思うから人間なんだ。それを思わなくなったら、死んだも同然」と、ドギツイ、パンチの効いたワードを投げかけられると、〝なるへそなあ…〟と思えることもあると思います。

 私自身も、毎日、勉強をしています。知的好奇心は死ぬまで衰えないでほしいと切に願っています。

 好奇心や探究心は失いたくないですね。もっともっと、へえ~、なるほど~と、新たな発見を楽しんでいきたいものです!!


困難を分割する力:井上ひさし、デカルト、ビル・ゲイツの教え

2023-06-14 | コラム

困難な状況に直面したとき、あなたはどうしますか?

私たちは人生の中でさまざまな困難な状況や課題に直面します。そんなとき、あなたはどう対処しますか?解決方法が見えづらくて途方に暮れることはありませんか?

実は、困難な状況や課題に対処するためには、あるシンプルな方法があります。それは、「困難を分割せよ」というメッセージです。このメッセージは、大きな困難や問題を小さな部分に分けて取り組むことで、解決策が見えやすくなり、克服する道が開けるという考え方です。

このメッセージは、井上ひさし氏の著書『握手』に登場するルロイ修道士、哲学者デカルト、そしてビル・ゲイツといった人々の言葉からも見出すことができます。彼らはそれぞれ異なる分野で活躍した人々ですが、共通して困難を分割することの重要性を認識していました。

本記事では、彼らの教えを踏まえながら、「困難を分割せよ」というメッセージの意味と、その実践方法について考察します。

井上ひさしの著書『握手』からの教え

井上ひさしの「ナイン」という小説に収録されている「握手」という短編小説が教科書に掲載されています。「握手」は、第二次世界大戦後の日本で暮らしたカナダ人のルロイ修道士と、彼が園長を務めた児童養護施設「光ヶ丘天使園」で育った「私」との再会を描いた作品です。ルロイ修道士は、戦争中に日本人の監督官に人さし指を潰されたり、天使園の子供たちに強い握手をしたり、指言葉で気持ちを伝えたりするなど、個性的な人物です。彼は、「日本人とかカナダ人とかアメリカ人といったようなものがあると信じてはなりません。一人一人の人間がいる。それだけのことですから。」という考え方を持っており、戦争や差別に対しても憎しみや恨みを持たず、子供たちに愛情を注いでいました。彼は「困難は分割せよ」という言葉を言い残します。この言葉は、ルロイ修道士の人生哲学を表しています。大きな困難や問題に直面した時に、それを大きな問題と捉えるのではなく、小さな問題に分割して、一つずつ解決していくことの重要性を強調しています。ルロイ修道士の言葉は、「私」にとって、人生の大きな支えとなりました。

デカルトの教え

デカルトはフランスの哲学者であり、近代哲学の祖とも呼ばれます。彼は自らの思考方法を『方法序説』という著書にまとめました。この著書の中で、デカルトは「困難を分割せよ」という考えを持っていました。彼は問題を細かい要素に分解し、それぞれに対処することで、複雑な問題を解決する方法を示しました。デカルトのアプローチは、問題解決において論理的な思考と分析力を駆使することを促しています。

デカルトは、自らが抱える疑問や不確かさに対して、以下のようなステップに分割して取り組みました。

  • 疑わしいものはすべて疑う
  • 疑わないものは明白であることを確認する
  • 明白なものから順番に推論する
  • 推論したものを検証する

このように、デカルトは、複雑な疑問や不確かさを小さな要素に分解することで、真理を見つけることに成功しました。彼は、困難を分割することで、その解決策が見えやすくなり、克服する道が開けたのです。

ビル・ゲイツの教え

ビル・ゲイツはアメリカの実業家であり、マイクロソフト社の創業者です。彼はコンピューター業界で革新的な事業を展開し、世界最大の富豪となりました。彼もまた、「問題を切り分けろ」という教えを提唱しています。彼は複雑なプロジェクトを小さなタスクに分割し、一つずつ着実に解決していくことで成功を収めました。ビル・ゲイツのアプローチは、効率的な目標達成のために計画を立て、具体的なステップに分割することの重要性を示しています。

ビル・ゲイツは、自らが立ち上げたマイクロソフト社で多くのプロジェクトに携わりました。その中でも最も有名なものがWindowsというオペレーティングシステムです。Windowsはコンピューターの操作や管理を容易にするソフトウェアであり、世界中で広く使われています。ビル・ゲイツは、複雑なプロジェクトを小さなタスクに分割することで、様々な開発を成功へと導きました。彼は、困難を分割することで、その解決策が見えやすくなり、克服する道が開けたのです。

困難を分割する方法のまとめと提言

以上のように、「困難を分割せよ」というメッセージは、井上ひさし氏の著書『握手』に登場するルロイ修道士、哲学者デカルト、そしてビル・ゲイツといった人々の言葉からも見出すことができます。彼らはそれぞれ異なる分野で活躍した人々ですが、共通して困難を分割することの重要性を認識していました。

困難を分割する方法は、以下のような具体的な手法で実践することができます。

  • ゴールの明確化: 困難な状況や課題に対して具体的なゴールを設定します。
  • タスクの分割: ゴールを達成するために必要なタスクを洗い出し、それらを小さな部分に分割します。
  • 優先順位の設定: 分割したタスクに対して、優先順位を付けます。
  • リソースの確保: 各タスクに必要なリソース(時間、人材、ツールなど)を適切に確保します。
  • 進捗のモニタリング: 分割されたタスクを達成するためには、進捗を定期的にモニタリングし、進展状況を確認します。
  • 成果の統合: タスクごとに解決策を見つけたら、それらを統合し最終的なゴールに近づけます。

この方法は、どんな困難な状況や課題にも応用することができます。あなたも、困難に直面したときは、「困難を分割せよ」というメッセージを思い出してみてください。そして、上記の手法を試してみてください。きっと、困難を克服する道が見えてくるはずです。」


「漢字」はどこへ行く?

2008-06-29 | コラム

昨今の漢字を用いずに平仮名で表記する風潮は、非常に不可解だ。

漢字には漢字の大切な役割がある。

特に固有名詞には、漢字だからこそ分かる名称の由来、漢字の中に生きる歴史があるというものだ。
アルファベットと同じく、平仮名は表音文字で、文字そのものには何の意味もないのだが、
漢字は表意文字であるから、一つ一つの文字にそれぞれ固有の意味が存在している。

人名の漢字には、その人物の印象がマークとして宿っている。
例えば、川多と河田、坂本と阪元、和男と一雄、勇二と祐司は全く異なるのだ。

また、名前には、親の願いや想いが込められている。
それは、多くの場合、音ではなく、漢字に込められていると思う。
そして、大切につけられた漢字は個性の一部となる。

自治体名や地名での平仮名奨励のムードは、先人をないがしろにするものだとも言える。

選挙の際の候補者のポスターでは難解な漢字だけでなく、平易な漢字も平仮名にしているものが非常に目立つ。
ルビを振るならともかく、元の漢字を記載せずに平仮名だけというケースが多い。
小学生が投票するんじゃないねんから…

少子化とともに、各地で高校の統廃合が進んでいるが、新設の校名に平仮名がすごく多い。
これは大反対だ。アホっぽく思えてしかたがない。

市町村合併の際にも、親しみやすさか何だか知らないが、あちらこちらで平仮名で新名称が誕生している。
ほんとうに「どんどん」というペースだから恐ろしい。

例えば、日本初のひらがな市名をつけた『青森県むつ市』。
青森の下北半島の先端部中央付近にある市で、北は太平洋、南はホタテの養殖で有名な陸奥湾に面している。
漢字の【陸奥】だと、本州最北端の陸続きの一番遠いところなんだなというイメージが簡単に想像できるが、
平仮名の【むつ】だと、おむつしか連想しない。

 “こゆうのぶんかをけいしょうし、いくせいしていくというはっそうはうしなわれていくのだろうか?”

 近年、欧米で漢字ブームが起こっているというのも皮肉なことだ…。

「ブリットニー・スピアーズ」も漢字のタトゥーをお尻の近くに入れているそうだ。
彼女は「mysterious」という意味だと信じ込んで、ある漢字一字を彫ったらしいのだが、
後にその漢字の意味は「strange」だと判明して怒り狂ったそうだ。

なんて漢字だかわかりますか?

       ↓ 


       ↓ 


       ↓ 


   「奇」 なんだって。


漢字指定

2008-06-28 | コラム

期末テストの時期に入っているが、
前回の中間テストで出題された問題で、気になるものがあった。

ある中学校の3年生の社会で歴史からの出題だったのだが、

問題の冒頭に解答の際の注意事項として、
「漢字指定は漢字が書けていなければ×です。それ以外の解答は、漢字で書けていなくてもOKです。
ただし、漢字とふりがなを同時にかくことは認めません。最後まで全力を尽くしましょう。」
が書かれてあった。

そのテストは、全部で92問解答欄があったのだが、
漢字指定とされていたのは、たったの5問。
驚きだ。

大日本帝国(憲法)」  「下関(条約)」  「日英(同盟)」  「辛亥(革命)」  「治安維持法

たったこれだけ。

あとは、オール平仮名でいい。

なんて《親切》なテストなんだ?!

国語の先生からは、「漢字は大切だぞ」と言われるのに、
社会の先生からは、「漢字なんてどおでもええぞ」と言われているに等しい。

生徒の方から、
「バカにすんな!、教師という仕事をなんやと思うてんねん!」
というような声が発せられることはないのだろうか。

学校の、教師個人の問題なのだろうか、

あるいは、

昨今の平仮名ムードの蔓延とゆとり教育がもたらした弊害なのだろうか。


鳴り物入り!?

2008-01-15 | コラム

伝説のアニメ「ヤッターマン」誕生30年目の復活!
読売テレビ・日本テレビ系で2008年1月14日スタート!!

ってな具合の触れ込みだったので、

まあ、初回だけでも…と
郷愁に誘われて見てしもた…。

「説明しよう!」
(これも、中年の方はおわかりだと思いますが、
ナレーターの語りが入るときの伝説のフレーズ)

ヤッターマンは、タイムボカンシリーズ第2作目として
1977年~1979年に放映されたテレビアニメ。
竜の子プロダクションの代表作ともいえる。

地球上のどこかにある大金鉱脈のありかを示した石(ドクロストーン)
を捜すドクロベーの手下、ドロンジョたちドロンボーの一味とそれを追う
ヤッターマンたちがくりひろげる痛快ストーリー。

そして、主題歌は52歳(初老?)の世良公則が歌うっていうんだから
これまた中年のハートをくすぐろうとしてやがんなと思う。

世良公則と野村義男(たのきんトリオのよっちゃん)が結成したユニット
音屋吉右衛門がオープニング曲「ヤッターマンの歌」

世良は
「プロデューサーの英断か暴挙か。
僕たちにとってはメモリアルなデビューです」
と語っている。

同曲は「♪ウーワンワンワン」の歌詞でおなじみであるが、
番組が始まり、このオープニングのメロディが聞こえてくるや、
30年の時を超え、幼年時代にタイムスリップ!!

条件反射的に、テレビの画面を見ながら
一緒に口ずさんでしまっている自分に驚いた。

しかも、驚くことに
歌詞を完璧に覚えている。

このアニメは、とにかく
お決まりのフレーズが多いのが特徴だが、

「ポチっとな」
「このスカポンタン」
「全国の女子高生のみなさ~ん」
「ママより怖いおしおきだべー」
「ブタもおだてりゃ木に登る」

なつかしのフレーズのオンパレードに
感涙ものでした。


実りあるいい経験

2007-12-16 | コラム

先日、サッカーのクラブ世界一決定戦、トヨタFIFAクラブワールドカップの
準決勝の試合が行われ、アジア代表の浦和レッズが、欧州代表のACミラン(イタリア)に
0―1で敗れた。

日本のクラブが国際サッカー連盟の公式大会で、欧州王者と対戦するのは初めてで、
クラブ世界一3度、欧州制覇7度を誇る王者ACミランのボールの保持率が高かったが、
浦和レッズも善戦はした。

試合後のインタビューで、浦和レッズの中で私が一番好きな選手であるMF阿部勇樹は
こう話していた。
「ミランとの対戦は楽しみにしていたが、楽しむだけではしょうがない。
ミランとガチンコでやれたので、結果は勝てなかったが、実りあるいい経験ができた。」

この試合を観戦して思うことがあった。

いまどきのちびっ子たちは、
勝負を敬遠したがることが多い。

ちょっとしたゲームでも何でも、
自分に不利な状況での勝負事を好まない。

「負けるとわかってることを何でせなあかんねん。
どうせ勝ち目ないねんから。」と言う。

でも、大切なことを忘れちゃいないだろうか。

例えば、
勝つ確率が10分の1しかないのなら、
負ければそれで当然で、「いい経験ができた」で済む。
勝ったら、相手の勝利の喜びよりも10倍も喜べるってことだ。

敵の方はというと、
勝って当然なのだから、勝利の喜びなんて微々たるもの。
もしも負けるようなことがあれば、どれだけブーイングを浴び、
悲嘆に暮れるかわかったもんじゃない。

この論理でいうなら、勝って当然の勝負をするより、
負けるとわかって戦うことの方が得だよね。

この試合を見てつくづく思った。

世のちびっ子たちよ、
勇気を出して、
勝ち目のない戦い、
無駄だと思うチャレンジを
どんどんやれ!

「実りある経験」 「多大なる喜び」
どちらかが待っているぞ!


日本の仏像

2007-06-07 | コラム

「団塊世代の大量退職者」が増える時代。

シルバーエイジ向けかどうかはわからないが、
文化の再考、趣味の充実などに関するモノが
次々と出現している。

テレビのCMを見て、以前から気になっていた。

講談社から発売されている
『日本の仏像』
を購入した。

1ページ目からかなりの迫力。
原寸大ギャラリーという写真がドカンドカンと出ている。

そして、細部に至る詳しい解説。

巻末には「お役立ち 仏像ハンドブック」なるものもついていた。

いやあ、創刊号はお得やなあ。
満足、満足。

「ふ~ん」
「なるほど…」
「そないなっとったんかぁ!」

などなど、ぶつぶつ言いながら眺め楽しめた。

あれも、これも、
「改めてじっくり本物を見に行きたい…」

そう感じさせてくれる。

今度、この本持って「見仏」に行ってみよっと…


中間テスト

2007-06-04 | コラム

中間テストの集計

今回の1学期の中間テストは実施が早い学校と遅い学校で、日程の開きが2週間以上もあった。
ベスト会牧野校の塾生たちは日程が早かったので、だいたい結果が出揃ってきた。

5科目とも一通りテストが返ってきた生徒は118名。
うち、ゴールデン・スチューデンツ (5科合計450点以上) が31名
    シルバー・スチューデンツ (5科合計400点以上) は36名

今回、トップの生徒は、英語・理科・国語の3科目で100点
ハットトリックを達成した。
   ワーイヽ(゜∀゜)メ(゜∀゜)メ(゜∀゜)ノワーイ

彼の素晴らしいところは、日頃のちょっとした小テストでも、
制限時間いっぱいまで、答案用紙とにらめっこするということだ。
「これでよし!」という自信があっても、裏返して待ったりはしない。
テストと名の付くもの全てに
  謙虚 > 自信  
という心構えで常に臨んでいるのだ。

一方、
返ってきたテストの結果を知らせてくれる生徒から
「もうちょいで450いってたのに~」
「あと、あのつまらん間違いがなかったらなあ…」
というような声をよく聞かされる。

確かに、凡ミスというものは誰にもあることだ。

しかし、

「ああ…、あの凡ミスがなかったら、ホンマやったら~点やったのになあ…」
と決して言うべきではない。

これでは、
「あ~あ、俺の実力では~点取る力はあったはずやのに運が悪かった。天が味方してくれなかった。」
といっているようなものだ。
  過信 > 謙虚
となってしまっている。
その、凡ミスで落とした末の結果が“ホンマ”の得点だということを忘れてはならない。

だから、
「今回の凡ミスはたまたまのこっちゃから、次は気ィ付けよォ~」
なんていうような、能天気な態度では、次も同じようなミスをしてしまう。

真摯に反省し、どうすれば、次は防げるのか。
悔しい思いをしっかり肝に銘じて、対策を講じなければならない。

期末の前に、中間テストでしくじってしまった、“つまらない凡ミスリスト”
をつくって、机に貼っておくくらいの気持ちが必要なんじゃないだろうか。


言葉の貧困を案じる…

2006-10-22 | コラム

前回の「国語」の力についての続きであるが、
語彙(ボキャブラリー)をいかに豊富に蓄積していくかも大きな問題だ。

そもそも、言葉の知識が乏しければ、
国語の問題に解答するときに、
いくら気持ちを込めても、いい表現にはならない。

やはり、TPOに応じて、言葉を上手に使い分ける術を身に付けてもらいたいものだ。
(TPOとは Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとって、「時と場所、場合にあった方法」というような意味である。因みに、この概念の発案者は「VAN」ブランドの創始者である石津謙介によるものだと言われている。)

例えば、『不快』という気持ちを表す表現を考えてみると、
「腹立たしい」、「悔しい」、「悲しい」、「いらいら」、「不安」、「羨ましい」、「妬ましい」、「寂しい」
などなど…。
 たくさんある。

しかし、それをひっくるめた意味で、
ただ「ムカつく」という言葉だけで済ませてしまう…、
そんな表現の乏しい子供たちを見ると、とても切なくなる。

同様に、最近は減少傾向にあるが、「フツー」という言葉。

確かに、子供の側からすれば、「ムカつく」「フツー」というような、
言わば万能言葉は、多種多様なシチュエーションで利用でき、
言葉を選ぶ努力をしないで会話ができるのだから、
とにかく「楽」である。

しかし、普段から万能言葉を多用する子供は、必然的に、
言葉を選ぶ訓練をしないし、語彙も増えないので、
ほぼ確実に国語に苦手意識をもってしまう。

まさに悪循環だ。

このような意味では、家庭においての最も大切な教育は
豊富な会話のキャッチボールの中で、
言葉の知識に幅と厚みを持たせることに尽きると思う。


答案用紙に気持ちを込めて…

2006-10-20 | コラム

秋の深まりを感じながら、中間テストの期間を終えた。

多くの生徒に共通することなのではないかと思うのだが、

英数理社国の五科目の中で、
『他の四科目はいいのに、
この科目だけなかなか思うように点数が取れない。』
また、
『他の四科目は悪いが、
この科目はいつもいい点数取れる。』

というような例外的な得点となる科目とうことで言えば、
「国語」がその代表となるのではないかと思う。


あるときは、自分の意見・考えを反映して設問に答えないといけない。
またあるときは、『自分はこう思う』というのを押し留めて、
たとえ正反対の考えであっても、
筆者の言いたいこと、気持ちを考え、その意見を代弁し、
自分の考えであるかのような書き方をしなければならないこともある。

そこそこ実力があったとしても、い加減な気持ちで問題を解いては、決して高得点は望めない。

知識・経験・直感などを活かし、頭をフル回転させて『思考』しなければならない。

そのせいもあって、入試でも、模擬テストでもフレッシュな頭で、
疲れが出ない1時間目に配置されていることがほとんどだ。

「丁寧に問題文を読み、謙虚な姿勢で細部に気を配る」

そういう、性格的な要素も大いに関係してくる。

また、たとえ性格的には大雑把な人であっても、
『ラブレターを書くように』答案を書くという気持ちを持つことも大切だ。

恋する相手(採点者)に気に入られるように…、
一字一句、慎重に言葉を選んで…。

常にそういう気持ちを持って望んでもらいたいものだ。


今年の漢字は…

2005-12-14 | コラム
12月12日(いい字一字)の「漢字の日」に、京都の清水寺で「今年の漢字」が発表された。

毎年、年末に日本漢字能力検定協会が全国公募して、その年の世相に合う漢字一文字を決定するのだが、残念なことに、私の予想は外れてしまった。12月7日の記事で、自信があると豪語していたのに…、面目ない…。m(-_-;)m

結局、最も応募が多かった字は「愛」。清水寺の貫主(かんす)が縦1.5メートル、横1.3メートルの和紙に大きな筆で「愛」と書き、奉納された。大みそかまで一般公開するそうだ。

私の予想した「株」は4位だった。
全国から8万5322通の応募があり、
1位 「愛」(アイ)  4,019人( 4.71%)
2位 「改」(カイ)   2,338人( 2.74%)
3位 「郵」(ユウ)  2,218人( 2.60%)
4位 「株」(かぶ)  2,125人( 2.49%)
5位 「笑」(ショウ) 1,775人( 2.08%)
6位 「震」(シン) 1,502人( 1.76%)
7位 「幸」(コウ)  1,391人( 1.63%)
8位 「結」(ケツ)  1,314人( 1.54%)
9位 「政」(セイ)  1,195人( 1.40%)
10位 「選」(セン) 1,186人( 1.39%)という結果だった。

 過去10回は震、倒、毒、災など暗いイメージの字がほとんど。清水寺の森貫主は「これほどいい字は初めてだろう。現実は愛でいっぱいとは言えない世の中を、愛で染めたいという人々の気持ちが反映されたのでは」と話していた。

「愛」の字がトップになった理由として、紀宮様のご成婚をはじめ、純愛ブームや芸能スポーツ界での結婚ラッシュなどに身近な「愛」を育む大切さを感じると同時に、世界規模で展開された大型ハリケーンや地震等の被災者救済劇や、21世紀最初の万博「愛・地球博」が大成功したことに世界規模の「愛」を育む大切さを感じたことが挙げられている。そんな中、各界で「アイちゃん」が愛称の女性が大活躍したことなどが挙げられた。

中でも、愛知万博に足を運んだ多数の人が、やっぱり「愛」と応募したんだろうなと思う。まあ、しょうがない結果かというとこだ。そ、そうだよ。負け惜しみだよ。

命名の変遷

2005-10-05 | コラム

新生児の赤ちゃんにつける名前の最新ランキングが掲載された記事があった。チラッと見てみようと思っただけなのだが、「エッ! これ、何て読むんやろ?」というのが、1つや2つでなかったので、見入ってしまった。

以下に、それぞれ上位10位までのランキングを見てみると

[男の子]( )内は前年順位   [女の子]
1位 颯太(2位)        1位 陽菜(2位)
2位 翔太(2位)        2位 さくら(7位)
3位 大翔(1位)        3位 美咲(3位)
4位 優太(7位)        4位 凛(初登場)
5位 翔(11位)          5位 七海(4位)
6位 優斗(5位)                 6位 葵(8位)
7位 蓮(9位)                    7位 美優(12位)
8位 大輝(6位)                 8位 美羽(5位)
9位 翼(9位)                    9位 優奈(9位)
10位 悠斗(12位)             10位 彩花(5位)

 いやァ、カッコいいというか、可愛いというか…。みなさん、おじいちゃん・おばあちゃんから、「そんなハイカラな名前にして…」などと愚痴られてるんでしょうねえ。
最近の傾向としては、男の子には「太」や「翔」「斗」といった漢字を使うのが流行のようだ。「~郎」や「~男」はホント少なくなったなあと感じる。女の子の方も、「~子」は少なくなった。「美」や「優」といった漢字は定番となりつつあるような。また、女の子は平仮名の名前も多く見られるようだ。

ベストの塾生の名前もこの10数年の中での変遷が見られる。かつては、塾生名簿に載せている名前の漢字の後ろに、難解な読み方をする生徒だけに振り仮名を載せていた。しかし、今は、全員に振り仮名をつけている。字は難しくなくとも、「この字はこう読むはずだ」というかつての常識が通用しなくなっているからだ。

アメリカでの同様の命名ランキングを見てみると
男の子                                女の子
1位 ジェイコブ(6年連続)      1位 エミリー(9年連続)
2位 マイケル                       2位 エマ
3位 ジョシュア                     3位 マディソン
4位 マシュー                       4位 オリビア
5位 イーサン                       5位 ハンナ

 アメリカでは、命名に流行?は見られないようですね。女の子1位のエミリーは、9年連続で1位という人気ぶりで、クラスに2人はエミリーがいても不思議はない。男の子のトップ5は全て聖書の登場人物とのこと。親や親戚が同じ名前というのも珍しくはない。ブッシュ大統領にしても、父も子も、ジョージ・ブッシュ。友達の家に電話しようにも、「ジョージいます?」「どっちの?」という会話をしなければならず、ややこしくてしょうがない。

名前というのは、『この世に生を受けて初めての個性』だといえる。アメリカのように、身のまわりのあっちこっちに同じ名前がいたり、家族や親戚に同姓同名の人がいるっていうのは、どうも違和感を感じる。昨今の日本の命名は、バラエティ豊かすぎるような気もするが、様々な親の思いいれもあり、『この世に生を受けける我が子への初めての愛情』でもある。昔のように、生まれた順番に一郎、二郎…というのはちょっと寂しい。やはり、個性豊かであってほしい。  


脳を鍛える

2005-09-25 | コラム

先日、「脳の世界」“脳をいかにはぐくむか”というテーマのシンポジウムに参加しました。
脳科学の第一人者たちによる講演とパネルディスカッションがあったのですが、中でも、東北大学の教授である川島隆太氏の講演が最も興味深く感じられました。子どもたちの間で流行っているNINTENDO(任天堂)のDSというゲームで、「脳を鍛える 大人のDSトレーニング」というソフトを監修をしており、ゲーム上の画面にもその顔が登場する教授です。CMでもやってたと思うのですが…。今回、ちゃっかりとそのゲームソフトのチラシが配布された資料の間にも入っていました。(なんや、宣伝しとんのかい!) 氏のシンポジウムには昨年も一度参加したことがあるのですが、脳科学の分野で現在行われている最先端の研究成果が紹介され、前回とはまた違った多様な角度から「脳」についての話が聞けて、とても有意義な時間を過ごすことができました。

中学の理科では、中2の2分野で脳のはたらきについてちょびっとだけ出てくるのですが(教科書改訂などでかなり削減された)、具体的にどの部分にどういうはたらきがあるかなどを学ぶ機会はほとんどないという状況です。

川島隆太氏は脳科学と教育との関連で言えば、脳のオデコの後ろにある前頭前野が思考や記憶、意思決定、コミュニケーションなどの働きをつかさどっています。また、前頭前野が命令を発することで、脳の、他の領域の機能がはたらくという点で、「前頭前野は、脳の司令塔」ということもできます。したがって、学力を向上させる秘訣は「前頭前野を鍛えることだ」と提唱しています。

前回のシンポジウムの際には、前頭前野がどういう状況で活性化するかを調べた様々な実験例を紹介していました。子供の脳機能を計測すると、前頭前野は、テレビゲームをしている時、ケータイでパチパチとメールを打ち込んでいる時はほとんど反応しない。一所懸命になって指先を動かしているので、一見、脳はすごくはたらいているのではないかと思われがちですが、実際は、脳は休憩しているに等しいとのことでした。それとは逆に、計算問題や文章問題に取り組んでいる時や両親とコミュニケーションをとっている時などは活性化すると説明していました。

昔から、「よみ・かき・そろばん」といわれますが、「読み書き計算のトレーニングで、読み書き計算そのものの技術が身につくだけでなく、前頭前野は活性化し、記憶力や認知力の向上も含め、総合的な学力が期待できると結論付けていました。

また、前頭前野の発達時期ということでは、0歳から3歳までと、11、12歳頃から18歳までの年齢で最も著しい発達があるのだととのことでした。よく、子どもの口から「化学反応式とか、連立方程式を勉強しても、実社会で別に役に立てへんやん?」とか「日本から出て行けへんから、英語なんか使えんでもええわ!」いうようなひねくれた主張があります。しかし、結局のところ、国語・数学・理科・社会・英語というツールによって、バランスよく脳を鍛えるということが、あらゆる面での成長となるのでしょう。肉体の筋トレでも同じです。腕立て・腹筋・背筋など、色々な方法によって、全身をバランスよく鍛えることが大切なのです。腹筋ばっかりやってて、腹の筋肉は6つに割れてるけど、腕立て10回もできない…なんて、カッコ悪いしね。勉強も全く同じですね。

脳科学の研究は近年、急激に進んでいます。これを学力向上に役立てる方策という上でも、はまだまだ可能性はいっぱいあるようです。脳科学の今後から目が離せません。


「勉強は、筋トレと同じだ!」

2005-07-18 | コラム

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 アリ\(*^▽^*)/ガトゥ
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さて、いよいよ夏期講習に突入です。たっぷりとした時間があるように感じられる夏休みですが、実際にはあっという間に過ぎていくものです。「後悔の残らない有意義な夏」にするために、“カタチ”だけの勉強にならないようにしなければなりません。

筋トレをするときも一緒ですが、肘(ひじ)をちょこん、ちょこんと曲げるだけのダラダラとした腕立て伏せなんて、自分に返ってくるモノなんて何もないですよね。それでも「腕立て伏せをやった」と言えるかも知れません。しかし、筋肉もつかない、汗もかかない、充実感を感じることもない。

勉強は、向上心を伴っているかどうかが肝心。だから、親に促されて“しゃあないなあ~”と思いながら机に座るような家庭学習は、まさにこの、「ちょこん曲げ腕立て伏せ」のようなものです。

これまで、そんな勉強をして、「勉強、やるにはやったけど…」などと言っているってことはないですか?

ここ一番、気合の入れてやらなあかんなって時がありますね。
そのときは、床にアゴがつくまでしっかり曲げるような勉強をしないとね。
そして、暑さの汗ではなく、考えて、考えて、必死さによって流れる汗をかき、やり終えたときに、「あ~、しんどかった…」とつぶやけるような勉強を心掛けていこう。

筋トレと家庭学習の共通点は、
情熱×時間=効果(流した汗の分だけ力になる)ということ。また、何よりも持続が大切だということ。

タフな精神と身体でこの夏を乗り切ろう! 日々怠ることなく頭脳の筋力アップをはかり、夏期講習を終えたときに、「よく頑張った、エライぞ!」って、逞(たくま)しくなった自分を褒めることができるようにしよう。私も全力でバックアップしていきます。