風に吹かれて

そして雨音を聴きながら・・・
昨日を悔やみ明日を思い悩むより、今日一日、心を込めて。

東北うろうろ旅日記 7

2006-10-17 13:23:20 | Weblog
夜半、寝袋にくるまって寝ていたら、
いきなり後ろからヘッドライトに照らされた。
毎晩、ドアはロックして寝てはいるが、
ぼんやりした頭の片隅で緊張する。
ライトはゆっくりゆっくり近付いてくる。
私の車の真後ろから。
ついに暴走族か何か良からぬ者が現れたかと思いつつ寝袋からはまだ出ない。
携帯電話は手の届くところにあり、
キーも挿してあるのでとりあえずは車は出せる。

近付いてきた車は直後で止まり、
ドアが開いて人が降りてきた。
まだ何も起きていないので狸寝入りを決めこんでいると、
窓をノックされる。
懐中電灯で照らされる。
これはヤバイことになった思いつつ外の人の顔を見ると、
笑っている。
街の若い駐在さんだった。
パトロ-ルの途中、他県ナンバーナンバーを発見したからとのこと。
少し話をして、規則だからと免許証を見せる。
この辺には暴走族は出ないからと、笑って帰っていった。

駐在さんが帰ってしばらく眠れず、ぼんやりと夜の海を眺める。
旅に出たときにはなかった月が、
半月になって海に落ちていくのをぼんやり眺めた。

明け方また車がやってきた。
四時半。
今度は釣りの人で数人がテトラポットで糸を垂れていた。
五時半まで車でぼんやりしながら今日はどうしようかと考える。
予定では鳥海山に車で登り山形県側へ下り、
酒田で土門拳記念館や、月山を見てまわりもう一泊して帰る。
そのつもりだったが、
実は前日からなまはげ館で観たビデオの、
子供たちの泣き顔が頭にちらついて、
自分の子供たちに会いたくなっていた。

コーンフレークを食べ八時出発。
鳥海山は登っておいでと言ってくれてる気がするが、
無視をして7号線を下る。
酒田には九時。
土門さんの記念館の開館までまだ一時間。
そのままバイパスを下る。
庄内平野に入ると正面に月山、後ろに鳥海山。
三川の道の駅で最後の東北土産と写真を撮る。
そのまま南下を続け温海温泉のガソリンスタンドで給油。
スタンドの人に正面の島を尋ねると、
粟島と教えてくれた。
空気が澄んでいると粟島の向こうに佐渡島が見えるという。
晴れ渡っているが霞んで佐渡は見えない。
この後ひたすら新潟まで海沿いに南下していくが、
結局、芭蕉さんの見た佐渡を望むことは出来なかった。

新潟から高速に乗り、
中央道を経由して六時、家に着いた。
期待に反して家族は買い物に出掛けていて、
家には誰も居なかった。
一人、最後のシャッターを切る。



三川からの月山

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