風に吹かれて

そして雨音を聴きながら・・・
昨日を悔やみ明日を思い悩むより、今日一日、心を込めて。

長崎へ

2014-11-29 20:52:15 | Weblog






11月22日から三日間、長崎へ旅しました。
結婚25周年の記念です。
出来れば家族四人で行きたかったのですが、
息子は仕事だったので、娘との三人で出かけました。
例によって、朝から快晴で新幹線に乗って、博多~長崎へと乗り継ぎました。
飛行機は信用ならないので(笑)、出来る限り地上で移動します。





長崎に3時に着き、ホテルへ荷を解いて最初に出かけたのは、原爆資料館です。
今回、長崎に決めたのは長崎の原爆資料館を訪ねたいと、30年以上思い続けていたからです。
先の戦争で、日本は加害者であり被害者。そして原爆を体験した唯一の国です。
広島へは三たび訪れましたが、長崎は初めてです。
子供達には広島を見せましたが、長崎も是非見せておきたかったのです。
浦上天主堂で祈り、平和公園を歩き爆心の空を見上げました。









その足で中華街へ行き、ちゃんぽんと皿うどんを食べ、
角煮まんじゅうやカステラ、びわゼリーを食べ歩きました。
そして市電でホテル最寄の駅に降り、ぶらぶらと歩いて稲佐山へ。
これが思ったより距離があり、坂もあり、参りました。
ロープで展望台へ。
長崎の夜景。
きらきらと美しい。
灯りの下には人が居る。
そのことが美しい。









二日目。ほぼ快晴。
この日はレンタカーで九十九島へ。
まずは九十九島パールシーリゾートで、島巡りの遊覧船に乗りました。
波静かな海を、ゆらりゆらり。
下船して、お楽しみの焼き牡蠣。
炭と軍手と牡蠣こじ開け用ナイフと、
九十九島産の牡蠣を買い込み各自炉を囲んで食べるイベントです。
牡蠣がはぜ、汁をかぶり、炭に燻されましたが、
久しぶりのキャンプごっこ。楽しかったですね。
そのあと、近くの展望台に登り、今度は上から九十九島を眺めました。
それはそれは美しい眺めです。
九十九島せんぺいを文字通り、山のように買いました。



帰りは下道を通って、最西端の海岸道路を走り外海(そとめ)へ。
九州は場所柄、先の戦争の名残が多くこの3本の煙突のようなものは、戦時中に使用されたアンテナです。
ここから太平洋各地へ様々な暗号が送られていた、その一つです。
真珠湾攻撃の暗号もここからだということです。















道の駅 夕陽が丘そとめへ。
角力灘(すもうなだ)に面した高台にあり、夕日の名所です。
ボクはここも非常に楽しみにしていました。
まあるい水平線を久しぶりに見ました。
ああ、地球はこんなふうに丸いんだと思いました。
でも、天気は下り坂で曇り空。
予定通り5時過ぎに着きましたが、残念でした。
でも、日が暮れるまではここに居ようと風に吹かれていました。
そうこうするうちに日の位置の時間になり、幸運なことに海の彼方が晴れ、太陽が出てきました。
文字通り太陽はきっちり海に落ちていき、空をだいだい色に染めて褪せていきました。
美しかったです。
ただただ美しい。



その夜は、家族におめでとうと言おうと思い、
ホテルの和食の店で寿司の定食を食べました。
二人の子供が望み通りに生まれ育ち、このことがいつも嬉しいのです。
このあと夜の街に繰り出そうかと話していましたが、
なんとなく疲れ部屋でごろごろして過ごしました。
みんな風呂に入り順番に寝て行ってしまいました。
その夜、テレビで高倉健さんの「あなたへ」を一人、
長崎のホテルで観ることが出来たのは偶然とはいえしみじみ嬉しかった。
















三日目。
カミさんと娘は真珠の店へ行き、九十九島産の一つ玉のネックレスを買っていました。
その後、大浦天主堂、グラバー邸。
グラバー邸からは向かいの三菱重工のドックに、
戦艦大和と同型の武蔵が作られた際に建造されたガントリークレーン(門型起重機)の一部が今でも残っていて、
それを見ることができました。
赤白のクレーンの奥に、サビ色をした一回り小さな格子がそれです。
これは吉村昭著「戦艦武蔵」に詳しく書かれています。
吉村昭さんは反戦と徹底的な取材をされているところが、好きです。
そのあと、卓袱の雰囲気を食べさせてくれる店に寄り、お土産タイムとなりました。
中華街を再訪。びわゼリーやカステラ。
文明堂の本店にてカステラ。
駅に戻り、あれやこれ。

こうして旅は終わり、反芻しているうちに一週間がたってしまいました。
今回の記念の旅はどこでも良かったのですが、
どこでもいいなら長崎へ原爆と戦争の爪痕。
九十九島と外海の落日。
それをすべて実現でき、長年の思いが叶いました。
九州は各地に戦争の爪痕が残っていて、行きたい場所がたくさんあります。
と同時に、自然がたくさん残されている土地だと感じました。
夕日を見に、また訪れたいです。
また、行けるかな。どうかな。
美しい夕焼け。