MAYURI SHOJI
体当たりリポーターの取材日記
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庄司麻由里のカッパすいすい

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取材後記?/?2006年06月27日 16時07分17秒
私たち患者が勉強して、医療機関を選ぶ時代

昨日の「はなまるマーケット」とくまる「医療費節約術」は、オンエア後、スタッフルームの電話が鳴り止まないほどの大反響をいただきました。
みなさん、やはり知らなかったことが多かったのではないでしょうか?
今回のテーマでとりあげたことは、医療費の算定のしくみは分かりにくいし、言葉は聞きなれないし、計算式などもややこしいし、中々一度だけで全部のことを理解していただくのは、ちょっと難しかったかもしれませんが、とにかくお伝えしたかったのは、「病気やけがになっちゃったらお金がかかるのはしかたがない、と思いがちな医療費も、知っているのと知らないのとでは、全然違う・・・」ということでした。
その詳しい内容について、見逃してしまった方は、こちらの番組の公式ホームページでご覧ください。http://www.tbs.co.jp/hanamaru/tokumaru/060626.html

今回の取材では、私としても、「えぇーっこんなこと知らなかった・・とか「これって、ちょっと納得いかないな・・・・・」と思うことが多々ありました。番組上では、私個人の感情的なことは言えませんが、ここではちょっと私の思ったことも書かせていただきますね。

 まず特定療養費について・・・・
初診料は、診療所(クリニックなどともいわれる所 ベッド数が19床以下)でも、病院(ベッド数が199床以下)でも大病院(ベッド数が200床以上)でも変わりませんが、この大病院で受診する場合、特定療養費が1000円から5000円かかります。ですから、風邪やちょっと転んですりむいた・・というぐらいなら、診療所や一般病院のほうが、診療費は安くすみます。これは、厚生労働省が、医療機関の役割分担を明確にしていこうとするために、設けたものだそうです。つまり大病院は重症の患者さんが行くところなので、風邪の患者さんで込み合って、重症の患者さんが待たされたりしないように、またできるだけ近所にかかりつけのお医者さんを持つように、との目的があります。もし、いつも診てもらうかかりつけのお医者さんの手に負えないケースであれば、そのお医者さんが適切な医療機関に紹介状を書いてくださいます。この紹介状があれば、特定療養費はかかりません。また、「おじいちゃんが倒れちゃった!」などという緊急の場合、もしくは救急車で運ばれたような重症な場合も、この特定療養費は原則かかりません。
この特定療養費の制度はについては知っていましたし、私も、自分の身体について知っていてくださる、かかりつけのお医者さんを持つことは、いいことだと思うので、疑問には思いませんでした。
しかし、この制度を知らない方も多く、しかも、病院は大きければ大きいほど信用できると思って、ちょっとした風邪でもすぐに大きな病院へ行ってらしたかたは、1000円から5000円高く診察費をお支払いになっていたということを、番組で知られたのではないでしょうか・・・?
これと同じようなことで、時間外加算、深夜加算、休日加算があります。つまり医療機関に診察時間外に行って、診療を受けた場合、多く支払うお金のことです。
最初、番組の打ち合わせのときに、節約術にこの時間外加算のことをとりあげるのはどうかと、正直私は思いました。だって、このことを知っていたとしても、夜中に子供が熱を出したなんてときに、「今行ったら、深夜加算がかかるから、朝まで待ちましょう」なんて言ってられないですものねぇ・・・病気は時間を問わないですから・・・ところが、医療機関に詳しい方々にいろいろ聞いてみたところ、現実問題として、「夜、もしくは休日の方が医療機関がすいているから・・・」という理由で、わざわざ診察時間外に、病院に行く方が結構多いそうなんですね。スッタフのひとりも、夜9時ぐらいにピーラーでざっくり指の先端を切り落としてしまい血が吹き出して、あわてふためいて病院に行ったのに、夜だというのに、見た目そんなに重病ではない方々で、ものすごく込んでいて、ダラダラ血が流れているのにそのままものすごく待たされて気が遠くなって死ぬかと思った(正直それもどうかと思うけど・・・・)なんて体験を持っていて、これも番組としては、夜や深夜はよけいにお金がかかるという事実、知らないより知っていたほうがいいということでお伝えしました。

さて次にお薬代の節約について・・・
ジェネリック医薬品という、特許の切れた新薬について出される後発医薬品で、同じ成分同じ効き目で安いお薬についてご紹介いたしました。日本はこのジェネリック医薬品の使用が、他の先進国に比べてまだまだ少ないそうです。というのも今までこのジェネリック医薬品に切り替えるかどうかというのが、すべてお医者さん個人の判断にゆだねられていたところがあったのですが、現実問題として、お医者さんは、すべての薬について、ジェネリック医薬品が出ているかどうか、とてもじゃないが覚えきれず、ついつい今までの使い慣れたお薬を処方しがちだったそうなんです。そこでこの4月からは処方箋に医師がサインする欄ができて、そこにサインしてもらえば、薬剤師さんの判断でジェネリック医薬品に切り替えてもらえることが可能になったとのこと!なんたって、従来のものより、平均で半額、中には8割も安い薬に替えられるかもしれないというのですから、薬を処方されたら、お医者さんや薬剤師さんに「その薬、ジェネリック医薬品になりませんか?」と聞いてみる価値はありますよね!

さて、もうひとつ薬代を節約する方法としてご紹介したのは、いつも飲み続けている薬ならば、
処方してもらうのを2週間に一回ではなく4週間に一回まとめてもらえないかどうか、聞いてみましょう、というものでした。
というのも、例えば、診察を受けずに受け付けに「お薬だけです」と言って薬の処方箋をもらうだけでも、薬代のほかに診察料、処方料などがかかっているのだそうなのです!!
正直、これには私は本当に驚きました。だって「お薬だけお願いします」って言って、診察を受けずに薬をもらうだけで、診察費がかかっていたなんて、みなさんもご存知なかったのではないでしょうか?

番組でもちょっとお話しましたが、私は花粉症なので、毎年春は約3ヶ月、抗アレルギー剤を毎日飲み続けます。いつもまとめてもらいたいのに、お医者さんは2週間分しか処方してくださらなかったので、2週間に一度、なんとか時間を作って薬をもらいに病院に行くのですが、いつもとても込んでいて、ついつい「薬だけください」と受付の看護婦さんに頼んでいたのです。時にはasako さんのように、ご主人や親など、家族のお薬を代理でもらいに行くこともよくあることでしょう。まさかそのときの「お変わりないですね」「はい、ありません」というやりとりが診察料として加算されていたとは・・・・・・・・
このことに関して、akikyoさんがコメントをよせてくれています。akikyoさんは、病院にお勤めで、「お薬だけください」という患者さんにも、診察料や処方料がかかることを、ちゃんと説明して下さっているそうです。また、そちらのお医者さんは「診察しなければ、お薬は出せない」とお断りになる場合もあるそうです。そんなふうにきちんと説明してくださる病院は信頼できますね。私はなにも「診察を受けたって、お薬が変わるわけではないし」とは言っていません。もちろん、病状によっては2週間ごとにお医者さんにちゃんと診察してもらってから、処方箋を書いてもらわなくてはならない場合もあるでしょうから、すべてのケースにあてはまることではないでしょう。でももし、同じ薬をずーっと飲み続けている方、診察してもらわずに薬だけもらうことが多い方は、担当医師に相談してみて、2週間分ではなく4週間分まとめて処方してもらったほうが節約になるのではないでしょうか?・・・・

そして、実は私が今回、一番憤慨してしまったのは、高額療養費制度のこと。
これは、ひと月に支払った医療費が一定の額を超えた場合、費用が返還される制度です。これは、みなさんが加入している健康保険を発行している団体から返還されます。所得によって計算式が違ってくるのですが、だいたい入院や手術をしたとき、入院中の食事代や差額ベッド代を引いた治療費として、一月10万円以上医療機関に支払った場合、その差額が返還される可能性があります。ところがこれが自己申告制なんですね、ですから原則、自分で手続きしないと戻ってきません。例外として、大企業や公務員などの場合は、会社の健康保険担当の人などが自動的に手続きしてくれる場合があるそうですが・・・・・私としては、100歩ゆずって、自分で申告しなくてはならないことはまだしょうがないとして、この制度を教えてくれる方が、なかなかいないということにちょっと憤りを感じました
例えば、病院で入院費や手術費を支払うときに、病院の経理の方がひとこと「高額療養費制度というものがあって、差額が返還されるので、手続きしたらどうですか?」と教えてくれればいいのに・・・と思いますまた、健康保険を発行している団体も、限度額を超えて支払っているのはわかるはずなのですから、通知してくれればいいのにと思うのです。中には教えてくださる良心的な病院もあるそうですし、自治体によってはこの制度をお知らせしてくれるところも少しづつ増えているということですが、国としては義務化していないそうです。ですから、番組でインタビューさせてもらった主婦の方も、入院・手術してひと月に50万円支払ったそうですが、その制度を知らなかったため、手続きせず、本来ならば戻ってくる40万円を受け取っておられませんでした。この主婦の方のように、本来ならば返還されるべきお金なのに申告しなかったがために返還されずにいるお金が、なんと高齢者だけに限っても半年で69億円にもなるとのこと!この手続きが特に高齢者にとっては知られていないのと、煩雑だったのが、大きな原因といわれています。これってなんか変じゃないでしょうか・・・?びーさんの言うとおり、徴収されるときは通知が来るけど、こちらがもらえるお金って、申請しないともらえないんってこと多いですよね・・・・・
この制度2年は遡って申請できます。もし、この2年の間に、ひと月10万円以上医療費を支払っていて、返還されていない方は、ご自分の健康保険を発行している団体(健康保険証の保険者と書いてあるところ)に問い合わせてみてはいかがでしょうか・・?もしかしたら、思わぬお金が、戻ってくるかもしれませんよ!

本当に今回は「知らないと損をすること多いんだな・・・」「病院も、お医者さんも、こちらが勉強して、信頼できるところを選ぶ時代なんだな」とつくづく思った取材でした・・・・・


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