畑倉山の忘備録

日々気ままに

小沢一郎・民主党元代表に対して、東京第5検察審査会が「起訴相当」議決

2013年12月15日 | 国内政治
 2010年10月4日に、小沢一郎・民主党元代表に対して、東京第5検察審査会が「起訴相当」議決をしたことが発表されました。議決自体は9月14日になされていますから、民主党代表選の結果をにらんで設定されていたことは明らかです。小沢氏が敗北したので、不自然にならないように発表を延ばしたのでしょう。
 この「議決」はどう見ても不当ですが、マスコミのネガティブ・キャンペーンに乗せられた小沢嫌いの人が多いですから、基本的なことを再確認する必要があります。問題は、小沢氏が違法なことをしたかどうかです。この前提が成り立たなければ、これは暗黒裁判になってしまいます。

 結論から言えば、何も違法なことはしていません。順に説明しましょう。
(1)土地取得が04年だったのに05年の報告書に書かれているという問題
 小沢氏の政治資金管理団体・陸山会が問題の土地の所有権を取得したのは05年で、04年に仮登記しています。検察は契約は04年だから04年分に記載すべきとしてしますが、本登記して所有権の移った翌年分に載せただけです。こんなことを問題にする方が可笑しく、どうしてもと言うなら修正すれば済む話です。
(2)土地購入が記載されていないという問題
 これは(1)で明らかですが、検察の言う04年分に載っていないというだけの話です。翌年に載せているのに記載されていないと言うのは、ヤクザの言い掛かりと同じです。
(3)土地購入に充てた4億円が収支報告書に記載されていないという問題
 04年の収支報告書には、収入欄に「借入金 小澤一郎 4億円」と書かれています。問題視されたのは、一旦小沢氏が提供した4億円を後に銀行借入れに切り替えている点です。これが不自然であるかのように論じられていますが、お金があっても資金繰りを考えて借入れするというのはよくあることで、事業経営をしたことのある人なら直ぐ納得できるでしょう。
そもそも、一時的に用立てる仮受金などは政治資金報告書に記載する必要はないのです。その理由は、ほぼ全ての議員は個人で事務所の経費を立て替えているからです(そうしないと献金が集まるまで秘書の給与などが支払えない)。

 以上のことから、小沢氏が起訴される理由などないことが判ります。検察が行ったのは明らかに「国策捜査」だったのですが、さすがにこれでは起訴できません。そこで検察審査会の出番となったのです。
 検察審査会に小沢起訴を申し立てたのは「市民団体」とされていますが、その正体は「真実を求める会」という極めて怪しげな団体です。しかも今回の申し立てをしたのは、中心メンバーである元新聞記者一人だったそうです。つまり小沢氏は、匿名のたった一人の人物によって政治生命を断たれようとしているのです。これは小沢氏に対する好き嫌いの問題ではなく、我国が法治国家かどうかが問われる重大な事件なのです。
 今回議決した審査員の平均年齢は30.9歳とされていますが、有権者の平均年齢は52歳なのでこれも不自然です。1回目の議決をした審査員の平均年齢も34.3歳であり、若過ぎます。統計分析でこうなる確率を計算すると、0.00067%になるそうですから、当局が意図的に若い人を選んで操ったとしか思えません。
 今後は弁護士に検察の役割をさせて裁判が行われますが、長引いた末に結局無罪に終ることは目に見えています。検察はそのことが判っていますが、弁護士が恥をかくだけなので一向に構わないのです。小沢氏は怪しい人物だという印象を国民に根付かせて、政治力を弱めるのが狙いだと思われます。小沢氏は、検察とその背後にいる米国に徹底的に嫌われていますが、それが何を意味するか、小沢嫌いの人はよく考えてみる必要があります。彼らにとって都合の悪い人物であるからこそ、ここまでやられてしまうのです。

「週刊ポスト」2010年10月22日号

(陽光堂主人)http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-57.html