《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

ガザ地区攻撃をやめろ! イスラエルに抗議を!

2014-07-18 21:47:16 | 中東・北アフリカの政治経済―世界の動きⅥ
ガザ地区攻撃をやめろ! イスラエルに抗議を!

●イスラエルに抗議を集中しよう

 イスラエル軍は7月17日深夜、地上侵攻に踏み出し、パレスチナ人を皆殺しにしようとしている。事態は最悪の状況に入った。
 世界中で抗議行動が始まった。今すぐ、ガザ地区攻撃中止の声をイスラエル大使館に届けよう。
 ◇イスラエル大使館 〒102―0084東京都千代田区二番町3番地
  電話:03―3264―0911(代表) ファックス:03―3264―0791.
 ◇在日田イスラエル国名誉領事館 〒877―0004大分県日田市城町2―8―5
  電話:0973-23-3138
 ◇在横浜イスラエル国名誉領事館 〒225-0002横浜市青葉区美しが丘4-36-2
  電話:045-903-4892
 ◇在神戸イスラエル国名誉領事館 〒650-0004神戸市中央区中山手通5-2-3 扇都センタービル4階
  電話:078-361-1248



▲ガザ情勢を描いた風刺漫画
「ガザ」と書かれた女性を背後からイスラエル機が爆弾などを発射して攻撃し殺害している状況。右上のキャプションには「潘基文(パン・ギムン)国連事務総長がイスラエルとガザの相互の暴力を非難した」と書かれている。イスラエルによる一方的な攻撃とアメリカおよび国連がイスラエルを擁護している現状を告発している。

●どこへ避難しろというのか

 イスラエル軍のガザ地区への地上侵攻が7月17日深夜、開始された。
 イスラエル軍は空から戦闘機・アパッチ・無人偵察攻撃機で爆弾・ミサイルを撃ち込む。爆音、ミサイルと爆弾の風を切る音、爆弾の破裂音、建物が一瞬にして破壊される音と振動が一晩中、いや一日中続いている。音響爆弾はすさまじい大音響で人々に恐怖心を植え付け、抵抗心を奪う。今回イスラエルはDIM弾という新型爆弾を使用していると言われている。これまでも国際条約で禁止された非人道兵器と言われるクラスタ―爆弾や白リン弾が使われたが、それ以上に強力な殺傷力をもつ爆弾だという。ガザ地区には防空壕などない。造ろうにもイスラエルの封鎖でセメントが、砂利が、鉄筋がない。人々は家でじっとしている。窓は爆風で吹き飛び危ないので窓を開けっぱなし、窓から離れてじっとうずくまるしかない。

 イスラエル軍は16日にガザ地区に「避難せよ」とビラをまいた。マスコミは、イスラエルが避難せよというのにパレスチナ人の多くは自宅にとどまっていると伝えている。一体、どこに避難しろというのか。ガザ地区はイスラエルから封鎖されて、境界線に近づけば射殺される。防空壕もない。結局、家の中で家族が固まってじっとしているのが唯一の「避難」なのだ。いつミサイルが、爆弾が、落ちてくるかもしれない恐怖に震えながら……。

●パレスチナの少年たちが殺され続けている。これは皆殺し戦争ではないのか!

 陸からは戦車があらゆるものを踏み潰し、砲弾で破壊し尽くす。戦闘装甲車で侵入してきたイスラエル兵は、動くものすべてを標的にする、動くものは救急車であっても標的にする。いや、動かないものも、だ。パレスチナ人が住んでいる家々に無差別に機関銃を乱射する。「ハマス戦闘員が隠れているのでは?」と無差別に、問答無用に、完全武装のイスラエル兵がパレスチナ人の家に押し入る。ライフルを突きつけ、抵抗すれば撃ち殺す。無抵抗でもパレスチナ人の青年、いやパレスチナ人の男性であることが射殺の理由なのだ。将来パレスチナ青年になる子どもたちも射殺される。
 海からは艦砲・射撃が雨のように降り注ぐ。16日には海岸でサッカーボールで遊んでいたパレスチナ人の子どもたち4人が撃ち殺された。イスラエル兵が誤認したのではない。パレスチナ人の子どもだから撃ち殺したのだ。
 地上戦が始まる前、すでにパレスチナ人は200人以上が殺されている。大半は子どもであり女性だ。12年11月には、イスラエル軍が地上侵攻に踏み切らなくても1400人以上のパレスチナ人が殺された。イスラエルはパレスチナ人を皆殺しにしようとしている。



▲ガザの砂浜で恐怖の光景
イスラエルによるパレスチナ少年4人の殺害をNYタイムズ紙写真家が目撃。

 ガザ地区はイスラエルによって封鎖されている。もう一つのヨルダン川西岸地区はイスラエルによって占領が続いている。
 日常的にイスラエル軍と治安部隊はパレスチナ人を殺している。ガザ地区では境界線に砂利拾いに近づいたパレスチナ人を射殺している。西岸地区では若者や学生が射殺されている。理由は何でもいい。パレスチナ人だからだ。

 イスラエル軍は今回のガザへの地上侵攻にあたって「ハマスの基盤、インフラ設備を破壊する」と言っている。だが、封鎖されたガザにはまともな工場は一つもない。電気がないからだ。たった一つしかない火力発電所もイスラエルが燃料搬入を制限し、停電続きだ。ガザ地区の重要な「インフラ」は施設や工場ではない、そこで生活するパレスチナ人だ。そのパレスチナ人を皆殺しにするのがイスラエルの狙いだ。

 ホロコースト(大虐殺)の犠牲になったユダヤ人がパレスチナ人を皆殺しにするとは! なぜ?
 国際社会は他国を侵略する国に厳しい態度で臨み、制裁を課してきた。ところが米国は「イスラエルの自衛権を認める」とイスラエルを擁護している。なぜ?
 今ここでイスラエルによるガザ侵攻に強い抗議をしなければ、この皆殺し戦争をやめさせなければ、正義も人道も反戦平和も、歴史の教訓も、消し去られてしまう。イスラエルに抗議を!

2014年7月18日
博多のアイアンバタフライ

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ガザ・ウクライナ・シリア (一兵卒)
2014-07-20 19:45:25

ガザの虐殺戦争の当事者は、イスラエルのネタニヤフ政権とガザのハマス政権ですが、いずれも真の利害関係人ではないでしょう。簡単に言ってしまえば、どちらもアメリカ政府の政治的持ち駒の一つにすぎません。

そこで問題になるのが最近のヨーロッパにおける右派勢力の拡大とウクライナでの親ファシスト政権の成立、その後の内乱の勃発です。ナチズムを公然と標榜する集団が内乱を主導する以上、ユダヤ教徒やトルコ系住民は、第2次大戦のドイツ占領期と同様の迫害と虐殺の危機に直面しているという事は確かです。
当然、こういう状況でウクライナに留まることは死を受け入れることを意味しますから、その場合ユダヤ教徒の住民にとって選択可能なのはイスラエル以外にはありません。また奇妙なことに、欧米はそれ以外の選択肢を事実上拒否している。

そういう訳で、ネタニヤフ政権としては、大量のヨーロッパからの難民受け入れの為に93年の「オスロ合意」を完全に破棄して、ヨルダン川西岸とガザの再占領を目指さざるを得ない立場に追い込まれつつあると言えます。しかし、ヨルダン川西岸はイスラエル政府の僕であるファタハの協力によってその大部分を占拠することが可能としても、ガザについては住民を追放してそれが可能となります。従って、現在ネタニヤフ政権が目論むものは、ガザ北部の占領とその地の住民の追放であろうと推測されます。いずれにせよこの方策とそれを立案したオバマ政権、ネタニヤフ政権にとってたとえそれが現存の「イスラエル国家」を滅亡に導く道だとわかっていても、それ以外の選択肢はこの体制ではありえません。

オバマとネタニヤフにとって、この戦争の獲得目標は、部分的にせよガザの土地から住民を追放して土地を確保することにあるのですが、追放された住民はガザのより狭い地域に押し込められるでしょう。その上で封鎖がさらに強化されます。そうなるとこれまでとは比較にならない飢餓と欠乏から生命を救うためエジプトの封鎖を突破する方向に向かわざるを得ないでしょう。ハマスとイスラエルの長期的な目標は、パレスチナ人をシナイ半島に追放し、ハマスもしくはダーイシュの支配のもとにパレスチナの諸抵抗勢力を絶滅することにあると言えるでしょう。

しかし、この絵もエジプト政権が屈服しなければ実現しません。最低でもトンネルによる物資の輸出入を確保できなければ、この戦争は、緒当事者すなわち、イスラエル、ハマスとアメリカによる無意味なジェノサイドでしかありません。その上、イスラエルの基幹産業である軍需産業にとっても、その最大の商品である迎撃ミサイルが1/3を撃ち漏らすようでは、宣伝どころか逆効果になっている。いずれにしても政治的損失は、大きいと言えます。

おそらく、2年前であったならハマスとイスラエルの目的は半ばまでは成功したでしょう。しかし、2013年に至ってエジプト全土で生起した、民衆の反ファシスト決起「6月30日」デモとムルシー政権の打倒は、こうした目論見一切を一挙に踏み潰してしまった。
「アラブの春」は、少なくともエジプトでは農民、労働者、貧乏な民衆の間で抜くことのできない根を張っている。ダーイシュの供給源であるインテリ及び中産階級の政治的陣地はエジプトでは粉砕された。

エジプトとトルコを物資と傭兵の兵站基地、出撃拠点としてシリアアサド政権を転覆し、イラク戦争への協力の見返りとして地域的影響力を強めたイランとその支援者ロシアを窮地に追い込もうとするオバマの構想は出だしから順調とは言えなかった。
しかし、今年イラクの旧抵抗勢力のうち有産階級がアメリカの年来の「イラク3分割構想」に転向し、ダーイシュ、クルド軍閥と共にそれを実行するに至ったことで、一気にシリアにおけるアサド政権の優勢は危機に直面している。
多少順序は前後しても、ガザ攻撃とウクライナ内乱はこうしたタイミングで発動されたオバマの当面の世界戦略の一つです。そして、それだけでも、ドイツと日本に対しては十分な恫喝の効果はあるということでしょう。

安倍内閣は、こうした情勢に対して、国内におけるクーデター的体制転換を強行している最中でもあるので、極めて抑制的な目立たない態度に終始している。あえて言えば、オバマ政権の中東・ヨーロッパにまたがる世界戦争の放火政策に無関心を装ってる。これは、「日朝平和条約」の締結をとおして、大陸への再登場を果たすためなら、ロシアともアメリカとも敵対も同盟もしたくないと言う、現在さしあたっての日本帝国主義の立ち位置が要請するものだからです。


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一兵卒さんへ (民兵)
2014-07-27 23:30:27
「一兵卒」さんへ。

一兵卒さんのコメントを、何時も興味深く読んでいます。豊富な知識に裏打ちされた独自の視点で綴られる論考は、一兵卒さん独特の世界へと誘ってくれます。時として投稿者への批判的な内容もありますが、それも良しです。賛否両論、喧々諤々の中から真実が見えてくると考えています。一兵卒さんのピリッと風刺の効いたコメントを歓迎するものです。
そういう立場から7月20日付けの一兵卒さんのコメント「ガザ・ウクライナ・シリア」へのコメントを書かせていただきました。よろしくご検討下さい。

 1 「ガザの虐殺戦争の当事者は、イスラエルのネタヤニフ政権とガザのハマス政権ですが、・・・・どちらもアメリカ政府の政治的持ち駒の一つにすぎません」と書かれていますが、これはどういうことでしょうか?うんうんそいうことかと何気なく読んでしまいましたが、「ちょっと待てよ。だとすれば大変なことが書かれているぞ」と思い直した訳です。「どちらもアメリカ政府の政治的持ち駒の一つ」と判断された根拠をお教え下さい。

2 「そこで問題になるのが最近のヨーロッパにおける右派勢力の拡大とウクライナでの親ファシスト政権の成立、その後の内乱の勃発です。ナチズムを公然と標榜する集団が内乱を主導する以上、ユダヤ教徒やトルコ系住民は、第二次世界大戦のドイツ占領期と同様の迫害と危機に直面しているという事は確かです」

これも詳細に説明して頂ければありがたいです。「最近のヨーロッパにおける右派の拡大」とはヨーロッパ議会選挙で台頭した極右勢力のことでしょうね。だとすると極右の怨嗟の対象は、イスラム教徒、とりわけイスラムの移民労働者のはずです。極右のスローガン「イスラム教徒がヨーロッパを汚染している」「イスラム教徒はヨーロッパから出て行け」がそれを証明しています。それが何故ユダヤ教徒を迫害し、追い出そうとしているのか?浅学な私には分かりかねますので、説明して頂ければ幸いです。一兵卒さんのコメントは、「ユダヤ人がヨーロッパで迫害を受け、追い出し攻撃を受けている」。その解決のために「イスラエルは領土を拡大する必要がある」との認識が骨子になっているように思えますので、お返事を頂ければ幸いです。よろしくご検討下さい。

2016,7,27    民兵
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民兵様へ (NK)
2014-08-01 03:20:54
ご質問の1について
ハマスは、元来PLОに対抗する勢力としてアメリカ、イスラエルの援助のもとに誕生し組織です。この辺の事情は1979年以降のアフガン戦争の過程で集結したムジャヒデーンを母体とするアル・カーイダと同様ですし、武器と資金も今日では、カタール、トルコなどのアメリカの中東政策の作戦基地から提供されています。ムスリム同胞団なども同じですが、これらの運動の本質は、土地を持たない農民および都市の下層労働者の運動に対抗して地主、新旧支配層の利害を白色テロル支配の貫徹をとおして維持しようとするところにあります。そういう意味では、最底辺の大衆の決起からはじまった「アラブの春」に対する反動として、エジプトを例外としてほとんどのアラブ諸国の民衆が、ダーイシュもしくはアル・カーイダ等のアメリカの直接支援する白色テロリストの脅威にさらされている現実は、帝国主義の支配の今日的な形態を示すとともに、またその後がないという意味で、その終焉も準備するものと言えるでしょう。
パレスチナにおいても、西岸のファタハの政府は崩壊し近い将来ハマスの単独支配もとにおかれる可能性が大きいと言えます。ここではっきりさせておくべきことは、彼らの利益が民衆の犠牲の上にのみ成り立つこと、そしてそれは帝国主義の利害に完全に沿うものだという事です。
回答としては誠に不十分ですが私の力量としてはこの程度のもので詳細な記録、根拠が提示できないことをお詫びします。


2についても同様で、詳細な説明は困難です。その上で、ウクライナの現政権は、かつて中南米でやったやり方よってアメリカにより据え付けられた政権であることは確かです。
問題はこの政権の実態が、ナチズムを大ぴらに掲げる右派セクター、スボボダなどの白色テロ部隊によって形成されていることで、オデッサでのテロは、直接ロシア人、ユダヤ系市民に向けられ、しかも白昼公然と行われた。この事件がヨーロッパ中のユダヤ系市民に与えた衝撃は決して小さくはない。かてて加えて、その後のイスラエルによるガザ虐殺に対する抗議のデモが大規模に行われている中では、ユダヤ系市民が周囲に脅威を感じる相当の理由があるでしょう。

では、本題に入ってヨーロッパの右派政党の動向を見てみると、確かに彼らは公然とは反ユダヤ主義は掲げてはいませんし、フランスの国民戦線のようにそれを公約から外して支持を拡大した経緯もあります。しかしそのことは、彼らの本質的なイデオロギーが変わったことを意味しないし、最近のEUへの移民の傾向が東ヨーロッパの住民を主体としている事からも再び反ユダヤ主義が台頭することは避けがたいと思います。
また利害関係から考えてみると、フランス、イタリア、などはアメリカに対抗してイスラム圏及びアフリカ諸国に権益を拡大しようと積極的な介入策をとっているので、国内政策といえども、中東、アフリカ諸国とそこの住民に敵対するキャンペーンはおのずと限度があると考えています。逆にわざわざイスラム教に改宗してシリアに向かうヨーロッパ人が後を絶たないように、アル・カーイダやダーイシュには親和性があると言えますし、その人的資金的後背地でもあるので、右派政党の反イスラムもアル・カーイダと一般のイスラム教徒では矛盾した対応になっているのではないかと思います。最近印象的な事はシリア軍事介入に対してマリーヌ ルペンが反対し、オランド(社会党)がそれを進めようとして失敗した事です。そういう意味で、マスコミの流すステレオタイプの構図は、疑ってかかるのです。

いずれの論点も、自分で言うのもなんですが証明するには程遠い推測にすぎなのですが、右派政党も独自の武装組織や団体をもたないブルジョア政党の右派に留まる限り、ドイツの利害に沿って再編されるEUの利害の枠を超えることはできないでしょう。
しかし、アメリカによるウクライナ奪取を突破口として対ロシア制裁からロシア解体に突き進んでいけば、帝国主義世界戦争の切迫と共に、ウクライナのネオナチ(これは本物)がヨーロッパに拡大していく可能性は不可避ではないかと思います。

イスラエルに関して言えば、ウクライナからは実際にユダヤ系市民の脱出が行われていますから、その受入れが問題となっていることは間違いないでしょう。それはしかしエジプトが屈服しない限りガザを対象とする選択肢はないとみています。
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