(19.9.15修正)
18-1の腓で、「辞典」の音訓索引の訓読み欄に漢字が一つしか載っていないもの(onlyな訓読み)について、訓の書き取りの出題可能性が高いと書きました。
19-1の訓の書き取りは、11問(12字)です。(二)書き取りで出題された「すすぼこり」は、2字に分けました。
1,出題状況
この12字について、「辞典」の音訓索引の訓読み欄に漢字が幾つあるか数えてみました。旧字体は最近出題されていないので除きます。太字が解答です。赤字は常用、緑字は準1級です。 今回出題された漢字の訓について、過去問出題歴を付記します。
1個(only) 5字
すす(煤)
ほこり(埃) 4-1Y
あざみ(薊) 10-1K,15-1K
たくま(逞)しゅうし 9-3K,13-3Y
すこぶ(頗)る 6-3K,8-2K,11-1K,13-2K
2個 4字
もた(凭4-1Y,8-1Y・靠)れる 13-1K 16-3K
すか(賺)す 6-1Y 15-3K・す(透)かす
あがな(購・贖)う(9-3Kと同じ同訓異義問題、尚、標準解答には、貲うもありますが、「辞典」にない訓ですので、音訓索引には載っていません。)
3個 1字
まち(襠・町・街)
6個 2字
かす(滓5-1Y・粕・糟)・か(仮・貸・藉)す
はし(觜・嘴いずれも17-1K・梁・端・箸・橋)
2,音訓索引の訓読み欄に漢字が一つしか載っていないもの(狭義の「onlyな訓読み」)がよく出題される
12字中5字がonlyな訓読みです。「辞典」の音訓索引には、onlyな訓読みがかなりありますから、正確な意味で出題頻度が高いと言えるのかよくわかりませんが、私には多いように思います。
3,意味がonlyな訓の書き取りも出題される
また、同訓異字が2個以上あるものの内、
すか(賺)す≠す(透)かす
まち(襠)≠まち(町・街)
かす(滓)≠かす(粕・糟)≠か(仮・貸・藉)す
ですから、この3字の訓は意味がonlyです。18-1の搗つと同じです。
更に、同訓異義語で出題された「あがな(購・贖)う」は、「辞典」の音訓索引のあがなう欄にこの二つの漢字しかありません。従って、これも意味がonlyです。
4,纏め
結局、12字中10字はonlyです。「辞典」の訓に載っているもので、解答が二つあるのは、「もた(凭・靠)れる」と「はし(觜・嘴)」の2問だけです。もしかしたら、訓の書き取りで、解答が二つ以上あるものは、過去問以外からは出題される可能性が低いのかもわかりません。
そうすると、訓の書き取りは、onlyな訓読みから出題される可能性が高い と思います。解答が一つしかないのですから、採点が容易で正確となり、出題者の信頼を高めることに繋がると思います。
5,過去問との関係
また、過去問に、訓の読みか書き取りで出題されているのは、10字です。今まで読みでも書き取りでも出題されていなかったものは、煤と襠の2問だけです。煤は1級では出題されていませんが、準1級では出題されていたような気がします。
また、埃と滓は、今まで読み問題しか出ていませんでしたが、今回初めて書き取りが出題されました。そうすると、矢張り過去問をすること、読み問題のうち、とりわけonlyな訓については書き取り問題としても学習することが肝要と思います。
6,訓の読み問題は、このような絞り込みは不可
尚、以上は訓の書き取り問題の分析です。訓の読み問題については、音訓索引に同訓異字がたくさんあるもの(たとえば まこと)も出題されています。
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