(21.12.12 まこ(麻姑)搔痒 を点数に追加)
19-3 と同じように、熟字訓を除き、調べてみました。緑字は、1級漢字です。 問題の前の符号と内訳は次のとおりです。
A 狭義の三点セット(7点)
A-1-1 1級見出し語でも書けるもの(2点)
A-1-2 「辞典」の見出し語にある1級配当四字熟語について、準1級・常用漢字の方が出題されたもの(2点)
A-2 過去問からの再出題(3点)
B 狭義から除外した広義の三点セットに含まれるもの(「辞典」の見出し語新出)(5点)
C 三点セット以外(2点)
1,常用漢字の読み(表外音訓) 2点
B(一)28僮僕歓び迎え、稚子門に候(ま)つ(18番と同じく、 「帰去来の辞」より)
A-2(十)刈穫(がいかく)13-3Y
2.常用漢字の書き取り 4点
A-1-1(二)御前に家臣が大勢しこう(伺候or祗候)8-2Kしていた。
候は、読みと書き取りと両方で出題されました。こういう出題は珍しいと思います。
B(十)・・・商賈(しょうこ)職工は四方に雑散して復せきえい(隻影)だも見ざるに至れり。
3.準1級漢字の書き取り 6点
A-1-2(五)まこ(麻姑)搔痒
9-3K 15-2Kでは1級漢字痒を含む搔痒が問われましたが、今回は、6-1Kと同じく、常用+準一級の方が問われました。
A-2(八)齟齬⇔ふんごう(吻合)15-2K 17-2K
B(九)藜羹を食らう者は たいろう(大牢or太牢)の滋味を知らず。
意味等は、しのぶん様の記事参照。尚、大牢は、大纛(たいとうorだいとう)とは異なり、「だいろう」とは読まないようです。
C(十)・・と(堵)を安んぜず、・・
4,計
合計14点(1級配当で書けるものを除くと12点)です。18-1以降では19-2と同じく最少です。
(三)国字の書き取り
(四)語選択書き取り
(七)熟語音読み・一字訓読み
の三つの小問について、いずれも1級漢字を含んだ熟語が出ているのも19-3の傾向と同様です。
また、問題に出た漢字(全229字)を一つ一つばらばらにしてざっと数えると、
1級 131字(57%)
準1級 14字(6%)
常用 84字(37%)
です。1級 131字のうち、畳語や音訓の出題の重複分を差し引くと、出題漢字数は123字です。
>「だいろう」とは読まないようです。
拙記事作成時に、「太」に通じる意味であることを知りました。
「太」なので「たい」の読みになるのですね。
意味がよくわからない言葉を調べると、そのつどちょっとした発見があって面白いです。漢字の勉強は大人にとっては知識欲を刺激するいい原動力になりますね。
「辞典」を見てもよくわからなかったので、しのぶん様がよく引証されている「新字源」(旧版)を繙きました。
一タイ(漢音) ダイ(呉音) 二タイとあって、二は「はなはだしい」という意味、同義語として、太とあります。
つまり、大をはなはだしいという意味で使い、太とも表記できるときは、ダイとは読まず、タイとしか読まないということですね。
「辞典」で拾うと、太古=大古、太虚=大虚、太簇=大簇があり、何れもタイとしか読みませんね。一つ賢くなりました。
最近、「新字源」はあまり見ていないのですが、音読みの使い分けについては良くできた辞書ですから、これからも時々は参照しようと思います。
ただ、更にわからないことはあります。
1,一タイまたはダイと読む場合の意味として、大いに、盛んに、はげしくという意味があり、これと、二「はなはだしい」との意味の違いがよくわからないこと。「辞典」では、③おおいに、たいへん、ひじょうに、はなはだが一緒になっており、挙げられている熟語「大安」はダイアンともタイアンとも読みます。
2、大きいという意味の場合でも、タイとしか読まない熟語があること。大逵とか大旆とか。
しのぶん様が最近記事にされた、客(キャク・カク)の読み分けも難しいですね。