斧柯ー四字熟語を構成する二字熟語の書き取りについて

(20.12.31　４項追加等）

　今回間違った書き取りの一つに

（九） 両葉去らずんばふかを用うるに至る　○斧柯　×負荷

があります。

　これについては、一応、毫毛斧柯18-2から類推可能としました。たしかに「ふか」と聞いて、斧柯がさっと出てくると正解に達するのかもわかりません。 ただ、私は、「ふか」から斧柯は全く出てきませんでした。毫毛斧柯は、18-2で間違った問題ですから、四字熟語の小問で毫毛○○と問われれば、斧柯はすっと出てきます。また、読むことはできます。また、「四字熟語」には、「斧柯」とは斧の柄のことと説明されています。

１， 二字熟語が、「辞典」の見出し語にない場合は、狭義の三点セットから外して、広義へ

　しかし、斧柯は、「辞典」の見出し語にありません。他の書き取り問題で、出題されることは全く考えていませんでした。また、過去問を解いた感じでも、「四字熟語」を構成する二字熟語が「辞典」の見出し語にない場合、他の書き取り問題で想起することは難しく、不正解のことが多いです。

　17-3～20-1では、

18-2 （４点）
（二）きたん（奇譚）←異聞奇譚
（十）せんでん（閃電）←霹靂閃電

19-3 （２点）
（九）　しもく（鴟目）大なれど視ること鼠に若かず。←鴟目虎吻

と出題されていますが、奇譚しか書けませんでした。 「辞典」の見出し語にある二字熟語についても、今回、孩提とか讒誣とか想起できませんでしたので、「辞典」の見出し語を書けるようにすることもまだまだ不十分です。従って、二字熟語の書き取りは、「辞典」の見出し語中心で行きます。四字熟語を構成する二字熟語については、「辞典」の見出し語にあるものは、他の小問でも書けるようにしたいと思いますが、見出し語にないものはまあいいことにし、「狭義の三点セット」から外します。

　尤も、「辞典」の見出し語でなくても、四字熟語を構成する二字熟語は、上記のとおり本試験で時々出題されます。従って、高得点狙いの場合は、書けるようにした方がいいでしょうから、広義の三点セットに残します。

２，斧柯は、過去問から解けることにするが・・

ただ、ふかについては、

ふか（斧柯）を視れば爛尽す8-2K＝征114頁14番

で出題されています。過去問の書き取りに出題された単熟語は、「辞典」の見出し語と同等に扱うとの観点から、この過去問から、今回の問題も解けることに一応します。

　しかし、今回の故事・諺は意味が全くわかりませんでした。「両葉」って何だろう？と思いました。「両葉」は「辞典」の見出し語にもありませんので、「成語林」を引くと、芽が出たばかりの二葉のことでした。引けば、そうかと得心し、両＝二なのですが、両葉＝二葉は思いつきませんでした。

　また、両葉の意味が仮に解っても、「両葉去らずんば」という意味は解らなかったと思います。
　「成語林」によれば、

二葉のうちに取り去っておかないと、大きくなって斧で倒さなくてはならなくなる

という意味で、毫毛斧柯と同義でした。 斧柯については、8-2Kでは、「おのの柄」と注記されていますが、今回の問題では、斧のことと思われ、意味も違って使われている様です。「辞典」に見出し語にある単熟語は、当然、「辞典」を引いて意味を確認しますが、 「辞典」の見出し語にない書き取りで出題された過去問は、他の辞典を引いて意味を確認する必要があるということになります。

３， 同音異義語が沢山ある熟語の書き取りは難しい。

 以前,　18-3Kで出題された怱（匆）忙でも書きましたが、同音異義語が沢山ある熟語の書き取りは難しいものです。 斧柯が載っている国語辞典はあまりないと思いますが、「日国」（旧版）には、斧柯を含め、「ふか」と読む単熟語が２３個載っています。この内、「辞典」の見出し語にあるのは、

不可、付加、附加、負荷、浮華、孵化、賦課、鱶

の７つです。私は、孵化や鱶は浮かびましたが、「を用いる」には繋がらないと思い、結局、負荷と書きました。既に、ふかと読む熟語をいくつか知っているため、そこへ、斧柯を仲間入りさせることはなかなか難しいものです。ふかの同音異義語を確認するには、国語辞典を引く必要があります。最近は、割と国語辞典を引くようになりました。

４，「問題と解説」に載っていた。

　20-2以降、「問題と解説」を見直していたら、故事・諺・四字熟語3-5の穴埋め問題に、冒頭の故事・諺と同じ問題が載っていました。20-2以前に解いていたのに全く忘れていました。問題集に出てくる故事諺を全部憶えればいいのでしょうが、私にはとても出来そうにありません。

　これだけ、しつこく書いておけば、今後は、ふか　が出れば、斧柯が先ず浮かぶでしょう。