従前と同じく、熟字訓・当て字の読みを除き、調べてみました。
1, 分類符号
2以下の問題の前の符号は、次の分類のとおりです。
A 狭義の三点セット (17点)
A-1―1 「辞典」の見出し語にあり、1級漢字で書けるもの(4点) 1級漢字は緑字で付記しました。
A-1-2 「辞典」の見出し語にある1級配当四字熟語について、準1級・常用漢字の方が出題されたもの(2点)
A-4 過去問からの再出題(11点)
B 広義の三点セット(9点)
B-1 準1級・常用だけで構成される見出し語新出(7点)
B-2 1級漢字が含まれているが、旧い版では準1級配当となっており、問題は、常用漢字の部分が問われたもの(2点)
常用、準1級の読み書き別に探しましたので、上記の符号を付けて、検討します。
2,常用漢字の読み(表外音訓) 2点
B-1(一) 圧状(おうじょう)
A-4(十)転(うた)た 7-3Y 9-1Y 10-1Y
3.常用漢字の書き取り 8点(四字熟語の意味の点数は除きます)
A-4(三)もんめ(匁)8-1K 12-1K 19-2K
B-2(五)鏃礪かつう(括羽)
A-1-2(五)しんいん(神韻)縹渺
9-1Kでは縹渺の方が問われています。 1級配当四字熟語で、1級漢字を含む部分が問われず、準1級・常用の方が問われたのは、けんま(肩摩)轂撃18-2K 、まこ(麻姑)搔痒20-1K に続くものです。時々、準1級・常用の方が問われています。
A-4(八)野趣⇔がち(雅致)16-1K 19-3K
4,準1級漢字の書き取り 16点
B-1(二)あらたか(灼)
B-1(二)碁け(笥)
A-1―1(九)年寄りの言うことと牛の しりがい(尻繋or鞦14-1Y)は外れたことがない
尻繋は、熟字訓の書き取りですから、これは書けなくてもよく、1級漢字の方鞦を書けるようにした方がいいと思います。
A-4(九)鶴きゅうこう(九皐)に鳴き・・ 7-1Y 11-3K 16-2Y
B-1(十)びほう(弥縫)10-2Y
A-4(十)しっぴ(櫛比)16-1K
A-4(十)あたか(宛or恰)も 10-2K
A-1―1(十)こんとん(混沌or渾沌)13-3K
5,感想
合計で26点分(1級で書けるものを除くと22点)です。18-1以降では、14~25点分出題されていましたから、今回は、18-1以降では最も沢山出題されたことになります。
ただ、A-1―1(1級漢字で書けるもの)4点分は、準1級・常用漢字よりは、1級漢字の方を学習すればいいでしょう。また、A-4(過去問からの再出題)が11点分もあります。更に、1級配当四字熟語 しんいん(神韻)縹渺は、過去問に出題されていますから、1級四字熟語については過去問では問われなかった常用漢字の方も書けるようにしておくことが必要なのでしょう。
残り9点分は、新出ですが、孰れも狭義の三点セットに含まれず、広義の三点セットに含まれるものです。従前から、準1級・常用の新出熟語は学習しなくても合格できると思われ、あまり重要視する必要はないと思います。
そうすると、今回、準1級・常用から沢山出題されたとはいえ、従前と同じく、狭義の三点セット、就中、過去問をきちんとやればいいと思います。今、私は、朝の厠で、「辞典」の3級親字欄を読んでいますが、準1級・常用の熟語の学習は熟、限がないと思います。高得点を狙われる方はともかくとして、合格のために、準1級・常用について特に新たな対策が必要とは思われません。
6,1級漢字を含む単熟語しか出題されていない小問
(四)語選択書き取り
(七)熟語音読み・一字訓読み
の二つの小問は、いずれも1級漢字を含んだ単熟語が出題されています。
「しりがい」って「紂」とも書きますよね?こちらは○なのでしょうかね。余計な知識、スミマセン。
>「しりがい」って「紂」とも書きますよね?こちらは○なのでしょうかね。
「必携」「捷径」に載っている訓ですね。標準解答にも載っていましたので、勿論正解です。紂=しりがい まで学習されているのですね。
本文記事では、紂は、「辞典」の音訓索引の「しりがい」のところに載っていなかったので、まあいいだろうと思って、割愛致しました。
ただ、紂の音読みチュウは、音符寸(スン)からそのままは読めない漢字ですし、標準解答に記載のある漢字はまた出題されるかもわからないから学習した方がいいのかもしれません。
「辞典」の紂欄には熟語は全く載っていませんが、桀欄に桀紂という小熟語があるのを見つけました。貴殿のコメントの御陰で紂を学習致しました。