鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

見出し語の別読みを学習するか

2008年06月08日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

(21.11.23 21-1 21-2の出題例を踏まえ、2項追加)

1,別読みは学習しなくても合格点は取れる

 19-3で、歯に涅(でっ)しが出題されました。 「辞典」の見出し語に【涅歯】(デッシ)がありますが、参考欄に「ネッシ」とも読むとあり、この見出し語からは、でっ か ねっ か確定できないと述べました。ということは、参考欄の別読みを学習しなければ、でっ と読めることになります。

 「辞典」の見出し語には、○○とも読む(以下「別読み」といいます)との記載が結構あります。でも、読み問題の場合は、どちらかで読めればいいのです。また、書き取りの場合も、別読みの方から問われることは其程ないでしょう。従って、「辞典」の別読みは学習しなくても合格点には達すると思います。

2,別読みも学習した方がいい場合

 ただ、音読みが複数ある場合に、別読みも学習することで、一つだけの音読みを憶えておけばいい場合は、別読みも学習した方がいいと思います。21-1Yで出題された賦稟(ふひん)や21-2Yの迸散(ほうさん)です。

3, 別読みの書き取りも偶には出題される(高)

 ただ、 19-3Kの故事諺で、

焼け野の きぎす(雉・雉子)夜の鶴

が出題されました。見出し語【雉・〈雉子〉】(きじ)には、「きぎす・きぎし」とも読むとありますので、高得点狙いのためには、きぎすから書き取りが出来るようにしておく必要があるのでしょう。ただ、雉の訓読みとしては、「辞典」には「きじ」しか載っていませんので、 「辞典」に載っていない音訓は憶えなくてもいいとしていましたが、偶にはこういう例外もあるようです。

 また、熟字訓雉子についても、「辞典」巻末索引欄には「きじ」は載っていても「きぎす」は載っていません。熟字訓は、巻末索引欄だけを全部するのもかなり大変ですから、最近の出題傾向から、索引欄だけに絞ろうと思っていますが、こういう例外もあるものです。尤も、19-3Kの上記故事諺は、焼欄の見出し語に載っていますから、これを学習すればよいのかもわかりません。

雉の出題は、「過去問情報」に依れば、

野雉6-2Y
きじ(雉・雉子)も鳴かずば撃たれまい15-1K 

と出題されています。過去問で書き取りの出題されたものは、別読みの書き取りも出題の可能性があるのかもしれません。このことは、以前、斗筲(としょう・とそう)でも触れました。

4,別読みの学習(高)

 私は、今、常用親字欄の見出し音熟語を読んでいますが、別読みも全部見ています。複数の音読みがある漢字の場合、別読みがあったりなかったりします。例えば、有を例にとると

ウともユウとも読むもの 無可有の郷・有情・有徳・有為・有識

ウと読むもの 希有=稀有6-2K・10-1K・有為転変・有縁・有卦8-3Y・有財餓鬼・有心・有相無相・有象無象・有待・有頂天(外)・有髪・有無(相生)・有耶無耶など

ユウと読むもの 有口無口・有厚無厚・有司・有半・有余・・・(一杯あるため省略)

ウは呉音ですので、仏教語がウと読むのは理解できるのですが、この内、あるものはユウとも読み、あるものはウとしか読みません。何故かはよく分かりませんし、とても憶えられそうにもありません。不思議だなあと思いながら「辞典」を読んでおります。なお、複数音読みの区別がよくわからないものは、有の親字下の音読みユウ・ウのところに、区別難と書き込んでいます。

 区別難のものは、常用だけでも、大(ダイ・タイ)、台(ダイ・タイ)、地(チ・ジ)、定(テイ・ジョウ)、日(ニチ・ジツ)、白(ハク・ビャク)、夫(フ・フウ)、覆(フク・フ・フウ)、物(ブツ・モツ)、文(ブン・モン)、平(ヘイ・ヒョウ)、兵(ヘイ・ヒョウ)、便(ベン・ビン)、法(ホウ・ハッ・ホッ)、木(ボク・モク)、幕(マク・バク)、万(マン・バン)、無(ム・ブ)、名(メイ・ミョウ、)明(メイ・ミョウ)、力(リョク・リキ)・・と結構あります。



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