志村建設専務の日々坦々

つれづれなるままに…

京都にて その28 桂離宮 ブルーノ・タウトの眼

2011-12-09 18:34:52 | 桂離宮

戦前桂離宮を訪れて、その美しさを絶賛した人がいます。

ドイツ表現派の建築家、ブルーノ・タウトです。

10491 新御殿内部から庭園を観る

桂離宮のデザインは 純粋日本のオリジナルであり世界に類をみないそうです。

10481 新御殿回廊

そして 桂離宮の簡素で機能的な美しさに驚嘆します。

「実に涙ぐましいまでに美しい・・・」


京都にて その27 桂離宮

2011-11-22 20:08:00 | 桂離宮

御殿は雁行した 古書院 中書院 楽器の間 新御殿により構成されています。

Dscn2267 御殿のメイン古書院 

古書院は一番古い建物ですが、桂離宮の真髄とも言える建物で、

とくに池に面した竹縁は、「月見台」として離宮のベストポジションにあります。

Nihont51 入母屋屋根の妻壁がアクセント

NHKの番組でも特集されてましたが、月をめでる為の建物ではないかと思われるぐらい、

月の動きを考えて景観が造られているそうです。


京都にて その26 桂離宮 

2011-11-21 18:36:47 | 桂離宮

いままで苑内を廻って茶室や庭園を観賞してきましたが、いよいよ離宮御殿に・・・

と思いきや 内部参観は順路に入っていません。

それに高床となっているので、内部を覗くこともできません。一般参観の限界でしょうか。

Dscn2234 土橋から御殿正面を見る

高床なのは桂川のほとりなので、洪水への備えですが

庭園を少し高い位置から見渡すという効果もありますね。

Dscn2262 南側から新御殿・中書院を見る

御殿前の広場は 鞠場(まりば) 弓場として使われたそうです。


京都にて その25 桂離宮 笑意軒 2

2011-11-14 08:32:40 | 桂離宮

笑意軒の遊び心は随所にあります。

池に面した景観は 自然に見せていても、実はつくり込んだ遠州流の庭園ですが、

笑意軒の窓から見える立ち木のむこうの景色は なんと田園です。

しかも当時から、桂離宮の苑地として耕作されていたそうです。 

 Dscn2245  Dscn2248
  露地入口の三角燈籠               次の間から見た景色

四季折々の農作業、そして実りまで美の世界に取り込もうとしていたのですね。

「落穂拾い」で有名なジャン=フランソワ・ミレーは19世紀の人

桂離宮は17世紀の建築ですので、ミレーと同様な審美眼を当時の日本人はもっていたのです。

Dscn2254 つくばいの浮月手水鉢

もうひとつ建物の東側にある「つくばい」に注目 手を清める為のものですが

この手水鉢に月が映り込むような配置になっているそうです。

水面に光る月、それを柄杓ですくい取るように水を汲む。風流ですね。


京都にて その24 桂離宮 笑意軒 1

2011-11-13 17:30:00 | 桂離宮

園林堂から 土橋を渡ると池の入り江の向こうに笑意軒が見えてきます。

桂離宮は舟から建物にアプローチすることを考えていますので、

この建物も 正面が舟着場となっています。

Dscn2259 手前にあるのは雪見燈籠

茶室ですが、田舎屋風の造りとなっています。

扁額の文字や、欄間の丸窓のデザインもかなりくだけた感じです。
Dscn2257 縁側から 口の間 中の間を見る

高貴な人が、このような質素な庶民的な空間を求めるというのは

禅や、利休の茶の影響でしょうね。


京都にて その23 桂離宮 園林堂2

2011-11-08 18:18:56 | 桂離宮

園林堂は お寺みたいな造りになっている持仏堂です。

本瓦葺 宝形(ほうぎょう)造りの屋根に 唐破風(からはふ)の向拝(ごはい)があります。

Dscn2242 園林堂を正面から見たところ

桂離宮の様式とは異質の建築ですが、景色として面白い雰囲気が出ています。

Dscn2240 扁額は後水尾上皇の宸筆

遠くから見ると ミニチュアみたいな可愛い建物です。


京都にて その22 桂離宮 園林堂(おんりんどう)

2011-11-07 19:29:38 | 桂離宮

Dscn2235 木立から賞花亭を見返す

賞花亭から下りてくると、径は四角の飛石を進み、園林堂の脇にでます。

小石を帯状に細く敷きつめたのは 堂の屋根から落ちる雨水を受ける雨落石

Dscn2239 右端の縁石は園林堂の境界 

ふらつく切石の飛石が、手前で天然石の雨落石を渡ります。

Dscn2238 交差する敷石
遊び心でしょうか。 


京都にて その21 桂離宮 賞花亭 夏向きの建て方

2011-11-03 17:35:24 | 桂離宮

峠の茶屋風の賞花亭です。北側が開放されており、座ると池と庭を俯瞰できます。

Dscn2233 茅葺切妻で南側に壁

400年前から、自然の中の暮らしがイメージされていたのですね。

造りが 夏向きです。

蝉の声でも聞きながら、昼寝でもしたら気持ち良いでしょう。

Dscn2231 竹の連子(れんじ)窓

秋田でも、庭を北側に配置し、座敷や縁側から眺めるような住宅があります。

樹木や草花を南の方向から見るので、影を見ないで色鮮やかに眺めれます。

けれど冬は 縁側から 家の中に陽光がはいりませんし、

家の陰になって解けにくい雪を見ることになります。

夏は良いのですが、冬の寒さの厳しい秋田には向かないかもしれません。


京都にて その20 桂離宮

2011-10-28 19:00:26 | 桂離宮

松琴亭を後に、池の奥に径は向います。

この近辺は蛍谷(ほたるだに)と言うそうです。

土橋を渡ると、こんどは山を登りことになります。

Dscn2225 古(いにしえ)の道を進みます。

森の中、峠道をゆく雰囲気です。

池や中島が、眼下に広がるようになります。

三次元で庭が構想されているのには、びっくり。

Dscn2228山から池を望みます。

そして、高いところに峠の茶屋、賞花亭があります。


京都にて その19 桂離宮 松琴亭7

2011-10-26 17:22:06 | 桂離宮

Dscn2220松琴亭より 御殿・月波楼を望む

前回は 現代建築との意外な接点を探りましたが、

実はポスト・モダニズム、サスティナブル建築、ロハウスなど

若い世代の21世紀の建築にも影響を与えています。

Dscn2222 縁側 Dscn2223 暖をとる石炉

新しい人は、どういう言葉で桂離宮を表現するのでしょうね。