じいちゃんのつぶやき

生涯学習のつもりでブログを始めました

木村栄文さん さようなら、お彼岸の日に旅立つなんて寂しいです

2011-03-28 18:29:00 | 日記


栄文さん!!
私の家の庭の「卜伴」の花が満開です。そして、沈丁花の香りが庭中にただよって
います。
お中日の翌日22日に、あなたが旅立たれたのを知りました。

私はいろんな場面での貴方の顔を、いつでも思い浮かべることができます。
私が退職したあとも、ご自分の闘病記と愛娘優さんの思いでを作品にしようとする姿を
テレビ番組で見て、とても立派だなあと感心していました。貴方は何ごとにも立向かう
勇気がある方でした。

地方の民放局で、テレビドキュメンタリー番組を企画制作していたあなたの足跡は
偉大なものです。文化庁芸術祭大賞をはじめ、数々の賞を受賞して、とうとう2002年
紫綬褒章まで受けられたことは、同輩としてうれしいものでした。

後年、ドキュメンタリー作家の偉大な先輩として、後進の指導にも当たっていただき
有難うございました。

貴方の作品を皆さんに紹介して、ドキュメンタリー作家としての偉業を偲びたいと
思います。
  苦海浄土
  飛べやオガチ
  まっくら
  記者ありき
  鳳仙花~近く遥かなる歌声~
  祭ばやしが聞こえる
  草の上の舞踏
  鉛の霧
  絵描きと戦争
  あいラブ優ちゃん
  昔男ありけり
  振り向けばアリラン峠
  記者それぞれの夏~紙面に映す日米戦争~
  ハリウッドの光のかげに~日系俳優マコの50年~
  月白の道
  オールドデック
すべての作品は栄文さんが知っている人の実像とその影を描いたものです。
作品に出演した人は演ずる人物の苦悩を真に迫った形で演じていました。
高くもない出演料で、栄文さんと一緒に寝泊まりしながら撮影を続けていたいた
俳優さんや演出者が大勢です。それは栄文さんの作品に取り組む姿勢に共感していた
からです。

石牟礼道子さんは「苦海浄土」を共同で作りあげるときの、栄文さんの取り組む
同志的な気持ちと近代を問う姿勢に共感を覚えるといっておられます。
                        (毎日新聞28日夕刊)
今、人文地理とその歴史に学ばなかった私たちに鉄槌が下されました。
「地震と津波災害」、貴方ならきっと、これをテーマにして制作に取り掛かるで
しょうね。
原子力発電所の破損で、日本国土は危機的困難に直面しています。
近代を問う姿勢のドキュメンタリー作品のテーマがきっと出たと思います。

栄文さん !!
あなたが作った作品それぞれが、椿「卜伴」の花しべひとつのように思え、貴方が
鮮やかな大輪になっているようにみえます。これからは椿の花を見るたびに
貴方のことを思い出すことでしょう。
頂いた「記者ありき」の署名本を大切にいたします。