じいちゃんのつぶやき

生涯学習のつもりでブログを始めました

「葉室麟の世界」縄田一雄氏の講演中止、「葉室氏に聞く」座談会となる

2012-06-29 02:46:34 | 日記

6月26日(水)、西南大学での文芸評論家縄田一雄氏の講演を聴きに出かけた。
会場の大学チャペルは満席、若者よりも年配者それもご婦人が多かった。
生憎と縄田氏が体調不良で講演会は中止。急きょ、葉室麟氏に聞く形式の
座談会に切り替えられた。話し相手は西南大学の田村元彦教授(法学部)と
KBCアナウンス部長奥田智子さん。

今年1月、直木賞・芥川賞の受賞者発表会での、葉室氏を映像でご覧になった人が感じられたと
思うが、今回も肩に力を入れずに飄々と話された。応対がゆったりとして、思ったままを
相手に返す柔らかな雰囲気を持った人という印象だった。
司会役奥田さんの質問に、正直に答えてくださっていた。まず、受賞発表会のエピソードから。
葉室氏は発表会での(芥川賞)田中慎也氏の緊張ぶりを披露していた。葉室氏はその場の緊張を
ほぐす役目を演じてくださったようだ。社会経験が豊かな人だからといえるだろう。
いま日本社会は危機に直面しているが、日本人はそのようなときこそ、しなやかに生きる力を持っている
と語られた。

話は次々と飛躍したので、「こんな話はあまり面白くないないなぁ」とこぼしながら
ご自身の作風について、尊敬する筑豊の作家のこと、好きな作家司馬遼太郎さんと藤沢周平さんのこと、
行動に揺らぎがない立花宗茂と同じ志をもつ千代夫人との結びつき、
老成した黒田如水のキリシタンぶり、広瀬淡窓と教養主義、陽明学の役割と革命家など
歴史に学ぶ面白さを語られた。

氏は日本人の人を包み込む優しさと心栄えがあること、心ひかれ人物は行いの正しい人だと述べられた。
地方で文筆活動を続ける理由を、中央の支配者でない人物や負けた側の人が理解できる
ことを挙げられた。ここにいてこそ物事が見えてくることがあるといわれた。作品の構想が湧き出てくる
環境を失いたくないということだろうと私は理解した。

このところ2ヶ月に一冊のペースで、新作を発表することについて、作家としての残り時間を
意識しているという正直なところを披露された。50歳過ぎて作家生活に入られたので、
歴史の中に登場する描きたい人物像が、氏の頭の中にまだ一杯詰まっているようだ。

5度目のノミネートで、見事に選者(5人)満票を得た作品「蜩ノ記」は、選者から「よく書き上げた」と
褒められている。私は、今からこの本を読むつもりでいる。

 撮影 栗橋氏


総合こども園 ようやく政府が撤回

2012-06-18 11:00:01 | 日記

6月12日、政府・民主が「総合こども園」制度案を撤回することにした。幼保「認可こども園」制度の
失敗を繕うために、三つめの幼稚園・保育所認可創設を考えるとはあまりにも不明であった。

厚労省は現行の認定こども園を拡充する方向で修正を考えるとしたが、それが一番いい。
こども対策費を文部科学省、厚生労働省が別々に出すという補助金の二重行政はやめなければならない。
補助金の一本化は、幼稚園の保育総合化を取りやめることで実現できる。

待機児童の解消は3歳児の幼稚園側の受け入れで、解決を計りたい。そのためには、幼稚園側の
教育サービスの拡充がなされなければならない。幼稚園教育に携わる人たちの運営努力が必要である。

私の孫の事だが、無認可幼稚園に通わせていた母親は「遠くて、送迎もないけれど、園児をしっかり
保育・教育してくれる」と喜んでいた。
幼稚園が子供の健康を見守り、集団生活の作法を教えてくれるところが、すばらしかった。

その幼稚園から遠くの「じい・ばあ」への便りが届いた。家族との繋がりの大切さを教えてくださっていたようだ。
足腰を鍛えるための山登りなど園行事など、感心する教育内容だと私は認めた。こんな幼稚園なら
空席施設にはならない。私は幼稚園の運営を預かる全国の関係者のご努力を促したい。

こども対策費を増やすだけでは解決しない児童・幼児問題。費用増を根拠にして、
政府の増税の口実に使われるのは御免こうむりたい。
もっと国民が自力で再生の努力をしようではありませんか。


幼保一体化「総合こども園」、県の壁を乗り越えることが出来るか疑問

2012-06-10 00:58:31 | 日記

現行の幼稚園と保育所の機能を持つ「認定こども園」は4月現在、911施設にとどまる。
幼稚園約1万3000施設、保育所約2万3000施設と比べると、小さい数字でしかない。
06年にスタートしたこの幼保一体化「認定こども園」制度は失敗策であったことがわかる。

県の認可による「認定こども園」は財政の裏付けが必要なので、財源不足に苦しむ県の「サボタージュでこうなった」と
自民党の馳浩氏(元文部科学副相)は指摘した。屋上屋を重ねる今度の「総合こども園」制度が
幼保施設側から急激に受け入れられるとも思えないし、保育の質の低下が心配だどする
母さんたちの声も大きくなっている。新制度の所管は政府総務庁としても、県の担当部署からみれば
監督庁が二つから三つにふえるだけである。県のサボタージュはこれまでよりもひどくなるだろう。

幼保一体化の構想自体が失敗なのだから、保育所は機能を充実させる策に切り替えるべきでありましょう。
そして幼稚園は社会の要望に応えるサービスを充実すべきでしょう。幼保それぞれが内容を
充実させていけば、おのずと子育て問題が解決するはずです。

小宮山洋子厚生労働大臣は「新しいシステムでは都道府県が壁にならないよう、市町村を実施主体に
した」と述べている。地方自治体に幼保一体化の推進役担わせるというのである。
政府は税と福祉の一体化策を掲げて、子育てに関わるかかわる問題の財源を消費税増税に
求めて、これに充てるとしている。

母さんたちはこどもをあずかってくれる保育所が必要とだと言っているのである。
保育所認可の実施を県でなくて、地方自治体に渡して解決するのならば、これが一番いい。
私たちの市町村に子育ての所管と責任を任せる地方自治主体策に切りかえていきたい。
子育ての費用増を国税増税の口実に使われるのは御免だ。

子育ての責任は親が持つべきで、親が住む町はこども在り世帯支援にかかわらなければならない。
行政が出しゃばる福祉の問題ではないのである。何もかも政府に負ぶさろうとするのはやめよう。
行政組織が肥大化し、財政が膨れ上がるのを、力を合わせて阻止しようではありませんか。


屋上屋を重ねる「総合こども園」制度、自治体の対応力不足に目を向けよ

2012-06-04 08:04:59 | 日記

幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「総合こども園」創設を政府が目論んでいる。 
これまでの「認定こども園」制度との違いは、所管する官庁が内閣府と自治体と
いう点にある。
いままでの「認定こども園」はどうなるのか。どうもしない。このまま存続させるそうである。
「認定こども園」(保育所)を所管するのが厚労省・自治体福祉部局、
同(幼稚園)を所管する文科省・自治体教育関係部局はそのまま携わらせるという。

あたらしい「総合こども園」は認定の基準を改めて、公立でなくても私立、民間の組織が
園を創立し経営することができるとしている。さらに申請があれば補助金が、内閣府補助金予算から
資出されるということだ。そして、自治体がその事務をするとう。
これでは文科省、厚労省に加えて、あらたに内閣府が
子育てに関与する官庁として名乗りを上げるということだ。屋上屋を重ねるだけである。

待機幼児が減らないのは、公立の保育所が子供を持つ母親の要望に追いついていない
からではないか。自治体の補助金を出す力不足がはっきりしている。あらたに内閣府が
こども園の補助金申請を受け付けるという。内閣府が「総合こども園」の所管をやる。
「認定こども園」を創設した自公政権の担当者は怒りの拳を振り上げている。
いや、国会では女性議員が育児用コップを振りかざして、政府に抗議をしていた。

3~5歳児の教育機関「幼稚園」が欠員が多くて経営が成り立たなくて閉園に
追い込まれているところが続出しているのを貴方ご存じですか。
おおよそ57万人の欠員だそうだ。全国の学童数は確か、1学年50万人台だと
思うが、幼稚園の欠員数はそれにしても大きい数字だ。

母親の目からみて、「幼稚園」は児童を預ける時間が短く、休日が多いので自分の就業もできない。 
祖父母と同居でもないかぎり通園を続けることは負担が多すぎる。
一時的なら、福祉機関から通園支援も受けられるが、永続的な利用ができない。
要するに、現在の幼稚園は社会からの需要に応じていない。社会の需要が変わりつあるのに
教育サービスの機関であることに安住して、需要の変化に応じていない。

3歳児の親が「幼稚園に通園させよう」と考えるようにならなければ、
欠員数はもっと大きくなる。「総合こども園」が誕生しても「幼稚園定員割れ」問題は解決しないであろう。