ここは東京郊外の昔ながらの仕舞屋が立ち並ぶ下町。
ここに便利屋スマイルマミーの事務所がある。
ここは二年前まで畳の立花の屋号で営業していた畳屋であったが、主人の徳三が亡くなったのをきっかけに、妻の範子が自立する為に便利屋を立ち上げたのであった。
現在は娘の恭子もスタッフに加わり、範子を含めた四人のスタッフと数名の登録メンバーで切り盛りしていた。
創立当時のメンバースタッフの岩村孝夫は真面目な好青年であったが、何らかの事情をもつ影をもっていた。
スタッフの由美は子持ちのバツイチという過去を持ち、生活と子育てに疲れ切っていた。
また範子と恭子の親子はある事情で、他人行儀な関係を続けていた。
それぞれの事情が絡み合って、スマイルマミーの事務所も沈滞した空気に包まれていた。
そんなある日、一本の仕事依頼の電話が入る。
それを代行業務する為の条件を示すとそれを承諾した先方は、ATMで現金化してくれと要望してきた。
不審に思った恭子は依頼を断り、他社を紹介しようとするが電話は切れてしまう。
孝夫によると振込め詐欺などが便利屋を利用しようとして噂があるというのだ。
危うい電話が落着し、孝夫が仕事に出かけた。
そこへ男が訪ねてくる。
さてこの男何者なのか・・・
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