序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

「民宿物語・糸口」大吉オヤジの独り言6

2010-11-16 17:52:35 | うんちく・小ネタ

差別の心ってよ。悲しい事にどんな人間でもあるもんだ。俺も例外じゃねえ。
特に知らないものに関しちゃ、人間寛大にゃなれねえもんだ。

この時の新婚さんの奥さんがそうさ。チェリーさんがダンサーって聞いて興味を持ったらしいんだが、ストリッパーって聞いた途端に手のひらを返した様な態度と取ったらしいだな。
まあ、無理もねえさ。言葉のイメージだけで、ストリップ自体を見たことなんかねえんだから。

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チェリーさんは大人だからそんな事には動じなかったんだそうだ。

雅子の奴が新婚さんの態度にカチンと来たらしい。

そりゃそうだよ、チェリーさんはもう何回も泊まってる常連さんだ、それにいい娘だしな。

そりゃ庇いたくもなるわさ。


そこまではよかったんだが、チェリーさん、正直なもんだから、俺たち三人が送ったメッセージ付の花束を雅子に見せちまった。達夫君と俺はともかく、昭雄が行ったって事がバレちまった。さあ、大変だ。逃げ遅れた昭雄をとっ捕まえて雅子が吠えまくった。

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無理もねえ。雅子も新婚さんだ。

その荒れようがチェリーさんには応えたらしい。

_ck19870 チェリーさんにとっちゃ妹みたいに思っていた雅子が、まるで昭雄が汚れちゃったような怒りようだ。

チェリー「・・あたしはストリッパーって事に、誇りをもってるんだ、悪いけど。あたしはこれでおまんまを食べてるんだし、家族だって養ってるんだ。そうよ、ちゃんとした仕事なの。それだけの報酬を頂ける踊りをやってるつもりなんだ。だから老若男女を問わず全ての人にあたしの舞台を見てもらいたいのよ。だからあんな言い方されると傷つくんだよね」

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これには雅子も謝るより仕方がねえ。

チェリー「こんな事を言うのもね、普通の人間だって事をわかってもらいたいから。一回観てもらえたらね、話は早いんだけど、世間の人って結構食わず嫌いが多いから」

本当だよ。

俺の中にも知らないものにたいする、そんな気持ちはあるもんな。

さて、この続きは又後で。


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