序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

料亭老松物語16

2014-07-25 17:29:09 | インポート

 

第十一場

 

 

 

霧笛の音が近く鳴り響く港町。

 

今か今かと知らせを待つ富田と時江の居る美代松に二人を無事に確保したという電話がかかって来る。喜び合う圭吾と時江。

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時江は大吉からの話で、綾乃の助力で権藤寛治が自分の体を張って借金の事を解決した事を知る。

 

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時江はこれまでの経緯の許しを請い、改めて富田の助力を乞うのであった。

 

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これは富田にとって積年の願いであった。

 

 

 

と霧笛の音が闇、店の入り口から夕陽が差しこんでくる。

 

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それは二人の積年の闇を打ち払う光の様であった。

 

 

 

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時江は父が老松を守るために自分を売った様に、咲江を売ろうとした自分を恥じる

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そんな時江に富田は云う。

 

「それは守る家を持っている当主の責任がそうさせるんです。恥ずかしがることじゃありませんよ」

 

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夕日の中に過ぎ去った時間をみる二人は・・・・

 

  

 

今までの自分達を振り返り

 

「それも人生ね」

 

「ええ、これも人生ってやつですよ」

 

二人の間に 取り戻せない過去を思い、ほろ苦い感情が高まるのであった。

 

 

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幕。

撮影 鏡田伸幸

 


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