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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

22年目の記憶

2019-07-02 23:28:31 | 韓国映画
いよいよ日本政府が徴用工の問題無視への韓国への経済制裁が始まったようですが
それは政府というか政治の問題でして
民間レベルの私には韓国映画はやっぱ面白れぇって言うような作品に巡り合えました
所謂韓国映画特有のエグさも不快な描写も丸っきりないんです
さらにアクション映画でもないのに、なんでしょうねぇこんなに面白れぇのは
レディコミに依存してる日本の映画ってもう完全に置いてきぼりにされてしまってますよね

民主化される以前に70年代軍事政権下での韓国では、なんと南北会談のリハーサルの為に
売れない俳優を韓国情報部がピックアップしてオーディションをして北の将軍様
そうだよねまだ70年代だから北の将軍様は北朝鮮の初代将軍様の金日成の役を叩き込むんですねぇ
会談のリハーサルのためだけに

顔も体型も、全く金日成とは全く似ていない売れない役者を演じるソル・ギョング
しかし、見ていくうちに体型、顔は似ても似つかないんですが、
売れない役者が初めて貰ったチャンスですが、観客のいないお芝居ですが
息子のためにもと、仕草や話し方、そして話しそうな内容にまで研究を尽くして
金日成に完全になりきっていくスリリングと親子の絆がこの作品の肝となっている

妻を亡くし、母親とひとり息子のテシクとつつましく暮らしていた売れない役者のソングン
ある日突然「リア王」の主役が降板して台詞を完全に暗記していたソングンに白羽の矢
息子を舞台に呼ぶものの一度もスポットライトを浴びたことのないために
なんと初舞台で上がって台詞が完全に飛んでしまう
そんな彼をスカウトする韓国情報部でして、なんと神のいたずらか彼が金日成に選出されてしまい
情報部の特訓が始まるものの南北会談は流れてしまい彼は完全に要らない人に・・・

そして20年後成長したテシクはマルチ商法を生業にし、借金も抱えながら生きてきた、
借金取りに脅されついに実家に実印探しにいくものの見つからず
今やどっから見ても金日成になりきってるもののチョい認知入ってますが

そして22年の時を経て、やっと来た南北会談でようやっとソングンに出番が・・・
汗だくで臨んだ、年老いた病身のソングンの金日成のなりきり演技の凄さがクライマックスというか完全にこの映画のケレンになっている

なりきり過ぎて、韓国大統領をやりこめる話術の素晴らしさ、
彼の運命を狂わせた金日成のなりきり演技にまぶしてぶつける皮肉な台詞が、
そして彼の金日成演技を見守る息子に向け
昔できなかったリア王の台詞の数々・・・
ただただ圧巻です、

韓国という国の策略に巻き込まれてしまったひとりの市民の、悲劇としか言いようのない運命を横軸に、
その男とと息子との親子愛の物語を、横軸に展開される映画でした
128分の長尺を忘れて見てました

2014年製作、韓国映画(日本公開作品)
イ・ヘジュン監督作品
出演:ソル・ギョング、パク・ヘイル、ユン・ジェムン、イ・ビョンジュン、リュ・ヘヨン

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