逆立ちすれば

「考え方しだいで世界は丸かったり　
考え方しだいでコンペイトウに見えたり
僕の住む世界は　ゆがんでいるらしい
だけど　
ちょっぴり見方を変えてみたら　となりの成金おやじが仏に見える
逆立ちすれば答えがわかる
きのうのうそがきっと本当に見える」

ずっと昔、好きだった唄です。
世の中の真実ってなんでしょう？
宅間被告は一度の謝罪の言葉もなく処刑されました。
判決台で大泣きして罪を償った男が、又人を殺しました。
獄中で毎日、読んでもらえるかどうか判らない手紙を、被害者の方に送り続ける人がいると、先日テレビで見ました。

幸せって、何を指すのでしょう。
他人には決して見えない憎悪が、悲しみが、苦しみがその人にはあって、それでももしかしたらいつもは笑って過ごしているのかも知れません。

もしも核戦争が始まって、大きな爆弾が日本に落ちた時。
シェルターで生き残る人と、何も考える暇もなく、消えて無くなる人がいて、どっちが幸せなんでしょう。
もしかしたら、その後の不毛の日本を見ずにいられたことが幸せかも知れません。
もしかしたら、その後の”生”を得られた事が幸せかもしれません。

でもそれは誰にもわかりません。
もしかしたら本人もわからないかも知れません。
逆立ちすれば全然違う答えが待っているかも知れません。

でも逆立ちしても変わらないものを知ってるんですよ。
”空”です。
雲ひとつ無い青空は、逆立ちしても、見上げても、上から見ても、したから見ても青いですね。
子どもの頃、芝生に大の字になって空を見て、吸い込まれそうになった事ありませんか？
もしかしたら空が下で、私たちは上から空を覗いてるかも知れない。

休憩室からは夕暮れが去ってゆく方の空が見えます。
今日は曇って見えないけれど、その向こうの青空は変わりません。
朝起きたら、青空は何も言わずにいなくなっていました。
私は今日もコーヒーを飲みながら、窓の向こうの晴れ渡る秋の空を待っています。