薄日

眺めの良い９階の病室には薄日が差して、心なしか暖かい。

”今回は眺めが良くって、カウントダウンの花火が綺麗に観えるのです”と

すっかりこけたその頬であなたは笑う

最も危険な状況は過ぎ、それでも少し笑顔の見える年末を迎えることが出来そうで

少し落ち着きを取り戻した自分の心に

ゆっくり大きな　深呼吸をして。

虎は千里を帰る

彼の眼にはまだまだ力があり、きっと彼は虎になる。

飾り気のない病室のブラインド越しに夕日が差して

そんな晦日は想像もしなかったけれども・・・・