夕焼け金魚 

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家に住みつく害獣

2017-05-18 | 創作
町中のアパートや借家にも、実は害獣という動物が住み着くことがあります。
主に天井裏に住み着いて、夜うるさいとか糞尿で臭いと言う苦情になるわけです。
最初は夜、天井裏をゴソゴソ歩いたりするので、気味が悪い程度なのですが、それが住み着くともううるさいわ臭いわと言う事になるのです。
「金魚さん、お願いね」と不動産屋は簡単に言いますが、害獣を特定しないうちにうっかり天井裏に入って、手や頭をガブリと噛みつかれて人もいるのですから。
私が知っているので、一番ビックリしたのは熊でした。
空き家の床下に熊が冬眠していたのです。これは、さすがに私の手に負えませんので、猟銃会に仲間に捕まえてもらいました。
先日もそんな苦情が持ち込まれました。
天井裏でゴソゴソ音がするというのです。
感じとしたらハクビシンか狸だろうという事になって、業者に任せたのです。
ところが、何度仕掛けを作ってもかからないし、何よりカメラにも姿が映らないというのです。
普通だと床下または壁に穴が開いていて、そこから侵入するだろうという穴が見つかるものなのですが、その穴もありません。
これには業者の方が音を上げまして、お化けか心霊現象だよと言う話にまでなったのです。
こんな面倒な話になると「金魚さん、お願いします」と言うことになるのです。
で、仕方なく出るであろう夜に泊まり込みで調べることになりました。
昼間の間に天井裏に照明を付けて、ボタン一つで天井裏隅々まで照らすような仕掛けをしておいたのです。

泊まり込んで二日目の夜、天井裏でゴゾゴソと音がしたのでも頃合いを見計らって、照明のスイッチを押して天井裏を覗いたのです。
そこには、二本足で立っていて赤い目をして背中に甲羅を背負った動物が立っていました。
手足には水かきまで付いています。
「河童」と思わず声をかけたとき、狭い天井裏を四つん這いになって猛然と私の方に向かってきたのです。
河童の対処法は考えていなかったのですが、蜂用の殺虫剤と動物用の唐辛子で作った目潰しを河童の顔にかけたのです。
殺虫剤をかけると河童は思わぬものをかけられてビックリして立ち止まり、唐辛子の目潰しは粉状でかけると凄い匂いがして、
私も目から涙が出てきてしまったのです。ゴホゴホと咳き込みながら、天井裏から転がり落ちて、天井を見るとバタバタと音がしてそのうち静かになってしまいました。
そっともう一度天井裏を見ると、天窓が開けられていてそこから庭の木を伝って隣の家に抜けられるようでした。
隣の家には、大きな池があって、後で聞くと川から直接池に水を引いているという事でした。
河童が木を伝って天窓から天井裏に入るなんて聞いたこともありません。
第一、河童がなんて言っても誰も信用しないでしょうから、頭の良い狸がいたと報告しました。
もちろん天窓には鍵を付けて開かないようにして、お隣さんには庭の木が伸びすぎていると言って、枝を少し伐採していただきました。
これで河童が天井裏に来ることは無いと思いますけど、貴方この話を信じますか。
信じる信じないは貴方次第。なんちゃって

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