夕焼け金魚 

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小川軽舟「名句水先案内」ショール掛けて

2024-08-17 | 日記
今回の名句は池田澄子句集「此処」2020年所収です。

 ショール掛けて下さるように死は多分   池田澄子

 池田は「じゃんけんで負けて蛍にうまれたの」の口語俳句の印象が強い。
 その口語が近年いよいよ自在になった。
 死ぬ瞬間は誰も教えてくれない。
「死は多分」の心許ない結び方は死を想像する心許なさそのものだ。
ショールを掛けて下さるのが例え死に神でも、その瞬間はたぶん安らかなのだと思いたいのだと軽舟は評している。

 死ぬときは箸置くように草の花  小川軽舟
 嵐山映れる水に扇置く      後藤比奈夫

 と違って、池田はショールを掛けて貰うのだ。
 男はなんとか自ら死を見つめるのに対して、池田は例え死に神であろうと導いて貰いたいと言うのだろうか。
 金魚の若い頃、レディーファストに対して否定的な意見を述べたことがある。
 その時「男に守って貰うなんて、思ったことも無い。男にさせてやっているのよ。車のドアを開けるときに色々持っている女にドア開けさせて、男は何しているの」と言われたことがある。
 そう、あの感じ。
池田もきっと「死に神にも何かさせなくちゃね」と言うと思う。

 ちなみに、金魚の好きな辞世の句は
 
 死に水は三ツ矢サイダー三口半  
 真鍋呉夫全句集のもので、真鍋氏が亡くなった以後に弟子の近藤洋太氏により紹介されたものです。
 軽舟氏も軽やかで茶目っ気のある辞世の句に感銘を受けたと評している。 
 金魚はまだまだと思いながらも、もしかしたら明日とも思う歳になってきましたので、辞世の句もどきを。
 私は箸や扇を置くと言うタイプじゃないので、

    逝くならばコーラ一気でプハァッとね    夕金魚 

   てなかんじです。
    

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