Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

ピカソになれない私たちー一色さゆり作

2020-09-01 13:42:36 | 

またまた一色さゆりさんの本を読みました。日本一の芸術大学でのキャンパスライフを描いた作品です。このような経験はないのでとても面白かったです。油画科で出された課題を日々制作奮闘する学生たち。最初は描くのが好きだからという理由で始めたものが、難しい課題の中で悩み、妬み、嫉み、劣等感に押しつぶされそうになりながら自分と向き合っていきます。講評会では傷つくようなことを言われたり、また褒められたら天狗になったり、次も高評価してもらえるようにプレッシャーになったり、人のアイデアを盗んだり、と大変です。友達が欠席して来ないと、「ライバルが一人減ったんだからいい」とか一流大学って面白くない世界だろうなと思いました。芸術は好き嫌いもありますし評価は「水もの」、その時は評価されなくても後にすごく人気が出たりすることもあります。妬み嫉みで素晴らしい作品がうまれるはずもなく、その感情と向き合って自分を乗り越えて初めて良い作品が出来ました。卒業制作で初めて自分を乗り越え、友達に感謝できて、最後は良かったです。私の同級生にも二人ほど芸術家がいますが、ある時に「一国一城の主やしいいね」と言ったら、「アイデアが思い浮かばない時は悲惨やで」と言っていました。常に自分を乗り越えていく仕事で、身をすり減らす気持ちにもなるでしょう。それを継続できるのが天才なのでしょうか?

2020-8-31(月) 図書館資料 請求番号:913/イツ


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2 コメント

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アイディアの出ないことは経験済み (aoyama)
2020-09-04 13:38:32
アイディアの出ないことは経験済みです。芸術の関係者でもそうなんですね。

芸術家ではなかったのですが、数年も何の研究するアイディアがでないときがありました。、

まわりが議論してくれたり、激励してくれたりする雰囲気であれば、まだいいのですが、やはり足を引っ張る人もいたりするとひどく傷つきます。

生まれ変わったら金輪際、研究者になんてなるものか。などと考えるものですが、やはり同じような腑雰囲気はどこでもあるのだなとなんとか納得したものです。
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優秀な方ほど・・・ (Sera)
2020-09-04 18:56:05
aoyamaさん、研究分野でも足のひっぱり合いはあるのですね。
そう言えばドラマを観ていてもそうですね。
お医者さんの世界も派閥がありそうですね。
研究者の方には要らないことに巻き込まれず、ひたすら研究に没頭していただきたいですね。
芸術家の人間関係の苦悩を知ったのも初めてです。
そう考えると私の周りのごちゃごちゃしたことぐらい大したことないのかなとと思いました。
特に今は仕事もしていなくてあはは、あははと笑って暮らしています。
aoyamaさんのような頭脳明晰な方には生まれ変わられても
ぜひご活躍していただきたいです。
誰にでも出来る研究ではありませんから。応援しています。
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