見聞知・録 福井県議会議員 西本正俊  

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原子力行政 3つの課題   1月27日(水)

2010年01月27日 | 見聞知・録

昨日「民主党・一志会」が毎月実施している「県政課題検討会」を開催しました。

今月の検討課題は福井県の原子力行政課題である「高経年化もんじゅプルサーマル」です。

午前中は電力3社(日本原子力発電関西電力日本原子力研究開発機構)をお招きし、各法人40分の時間で、それぞれが抱える課題について説明をいただき、それにたいして各議員から質疑を行いました。

日本原子力発電は敦賀1号機が今年の3月14日で運転開始40年を迎えます。いわゆる「高経年化」と言われているものです。国内で40年を超えて運転している原発まだはありません。敦賀1号機が初めて40年を超えて運転することを福井県として認めるか否かが求められています。ただ関西電力の美浜1号機と違って、原電の敦賀1号機は平成28年をもって運転を停止すると期限が明確に切られています。このことは現在建設中の敦賀3、4号機が、それぞれ平成28年と平成29年に完成する予定となっているからです。

今後実施すべき「長期保守管理方針」について、国が認可(平成21年9月3日)していますが、福井県としては県原子力安全専門委員会において、国の審査結果を含めて慎重に審議を行い、日常の保全活動などを確実に実施していくことにより、プラントの安全性は確保されると判断しています。
運転停止時期を平成28年としたい日本原電の方針を了承するかどうかは、県議会(平成21年12月)や敦賀市の意見を踏まえてしかるべき時期に西川知事が判断されるものと思われます。
民主党・一志会としては安全を第一にさらに慎重に判断されるよう求めています。

つぎに関西電力です。
関西電力の課題は、「高経年化」と「プルサーマル」です。
関西電力の美浜1号機は今年の11月28日に運転開始40年を迎えます。日本原電と違い40年を超えてどの時点で運転を停止するかについて期限が明確にされていません。これでは、高経年化技術評価におけるひとつの目安となっている運転開始から60年を超えてさらに運転を続けるととられても仕方のない極めて危険な状況になると言わざるをえません。
民主党・一志会からは、40年を超えて運転を継続する場合、早期に運転停止時期なり後継機問題について明確なスタンスを示すよう関西電力に求めました。
福井県としては、国において現在進められている審査結果を待ち、福井県原子力安全専門委員会での審議を通じ、その妥当性を厳正に確認するとしています。
美浜1号機の運転開始40年を超えての運転を認めるか否かの判断は、国の認可が下りて、県議会としても十分議論して判断すべきものと考えます。

一方、プルサーマル(使い終わったウラン燃料を再処理し、回収したプルトニウムをMOX燃料に加工し、軽水炉で再利用すること)については、高浜3号機においては平成22年秋ころ実施予定、また4号機において平成23年度初めに実施したいとしています。
日本国内では九州電力の玄海原子力発電所で営業運転が始まり、プルサーマルが稼働していますが、関西電力ではもともと10年前にプルサーマル計画の事前了解を福井県と高浜町から得ていました。しかしながら、平成11年にイギリスのMOX燃料製造会社による製造データ改ざんが発覚し、MOX燃料の使用が中止されたり、平成16年に美浜3号機での事故において多数の死傷者が出たことにより関西電力のプルサーマル計画は停止していました。
このような状況から、高浜町民のみなさんのご心情や他自治体とは違う経緯を踏まえて、さらに慎重に対応する必要があります。

福井県としては、今後とも節目となる工程の各段階で、関西電力から報告を求め、その内容を厳正に確認するとしています。

3番目に日本原子力研究開発機構です。
機構は「高速増殖炉もんじゅ」です。もんじゅについてはこのブログ1月20日(水)で、小浜市で開催された住民説明会の模様をご報告させていただきました。
もんじゅは平成7年の12月にナトリウム漏れという衝撃的な事故を起こして以来14年にわたって運転を停止しています。
民主党・一志会からは、長期間停止していた設備の運転再開は極めてその判断の重要性が問われるため、起動前点検等について慎重にも慎重を求める意見が出されました。また、もんじゅの耐震性についても危惧する意見が出され、さらに説明を求めました。

機構としては、国の審査状況を踏まえ、今後、福井県、敦賀市に安全協定に基づいて運転再開の協議願いを提出する予定です。

福井県としては、県原子力安全専門委員会の審議を通じて、プラント全体の安全性について、ハード・ソフト両面で厳正に確認するとしています。

日本原子力研究開発機構としては、平成21年度中の運転再開を目指していますが、民主党・一志会としても、機構にたいしてさらに議論を深め判断をしなければならないと考えています。


私は福井県にたいして、「高経年化・もんじゅ・プルサーマル」という原子力行政の課題を抱え、その判断の可否を求められている今日、福井県の原子力行政が新たな時代に入っていく。このような環境にあって原子力の総括をする必要があるのではないかと意見を述べました。
福井県に原子の灯がともり、1970年の大阪万博に原子力の電気を送って40年経過しようとしている今日、総括は必要なものであると考えます。



今日はでした

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