がん粒子線治療研究センターの菱川良夫センター長、事務部の住吉和彦部長そして次長の木塲積穂(こばつみほ)の3氏から説明をいただきました。概要は以下です。
メディポリスは公募により命名されており、「医学」を意味する英語「Medical」と、「都市国家」を意味するギリシャ語「Polis」とを苦組み合わせた造語です。
「メディポリス指宿」は、もともと年金基金が所有する保養地「グリーンピア指宿」だったとのこと。初期投資額230億円を投じて1985年にオープン、17年後の2002年に閉鎖されたものを株式会社新日本科学が6億円で落札したものだそうです。東京ドーム77個分の敷地があります。
メディポリス指宿のがん粒子線治療研究センターのセンター長は、兵庫県立粒子線医療センター前院長の菱川良夫さんで、福井県立病院の陽子線がん治療センターともご縁の深い先生でもあります。
とにかく素晴らしい施設です。そして、がん患者とその家族のケアーができる施設でもあります。センターにホテルが併設されており、リゾート滞在型医療で、患者が家族と寄り添いながら治療を受けることができます。もちろん家族のホテル料金は安く設定されています。がん治療により、離ればなれになることで生ずる親子間や夫婦間の心配事が軽減され、がんの治癒する可能性も高くなるのではないかと考えられているようです。
メディポリス指宿は次の4つの柱構想からなっています。
○ 先進医療センター(粒子線治療)
優しいがん治療
・粒子線治療(陽子線)
○ 予防医学センター(統合医療)
健康科学方策立案・研究・普及
・食事・運動療法
・免疫細胞療法
・自然療法(ホメホバシーなど)
・温熱療法(ハイパーサーミア治療)
○こころのケアセンター(スピリチュアルケア)
こころのケア・教育と啓蒙
・自然との触れ合い、瞑想の館、座禅断食療法
・21世紀高野山医療フォーラムとの連携
○トランスレーショナルリサーチセンター
創薬研究・臨床研究
・大学・企業・研究機関との共同研究(九州大学との連携・共同研究)
・乳がん粒子線治療の研究・開発・応用
菱川センター長は、「たとえ県立病院(福井のこと)であっても、これからは例えば患者さんを駅まで迎えに行くサービス部門(外部委託サービスでもよい)の設置と強化に取り組むべきである。そのことが患者を増やす(先進医療のためかなり高額な医療費がかかる)ことにつながる。」と話されていました。タイミングをみて福井県立病院に提案してもよいと思います。また、「国の医療費は37兆円以下に抑えるべきだ。しかし、これから大切になってくるiPS細胞や小児がんはファンド(外国人患者の上り)を設けて治療に取り組むべきだ。」とも述べておられました。
一昨年の3月に開所した福井県立病院陽子線がん治療センターが、患者にとり、より良い治療機関となるようこれまで以上に関心をもっていきたいと思います。