しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「修道女の薔薇」 キャロル・オコンネル

2024年07月23日 | 読書
「修道女の薔薇」 キャロル・オコンネル  創元推理文庫 
 BLIND SIGHT     務台夏子・訳

消えた修道女を捜してほしい―マロリーのもとに一件の訴えが持ち込まれる。
驚いたことに、同じころ、彼女の甥と思われる盲目の少年が姿を消していた。
そして数日後、修道女は意外なところで発見される。
元投資ブローカーである市長の官邸の正面階段下に置かれた四体の死体、その中に彼女もいたのだ。
市長に恨みをもつ者の仕業か?
一方、消えた少年は、一人の男に囚われていた。
盲目の少年に脱出の機会はあるのか。
      <文庫本1頁目より>

マロリー・シリーズ、最新刊。




市長官邸に置かれた、修道女以外の死体からは心臓が取り除かれていた。
そんなショッキングな事件の始まり。
しかし、物語も事件の捜査も淡々と進む。
マロリーの存在をひたすら知らしめたいように、そちらに重きを置くことが多い。
気を付けていないと、事件の大事な事がさらりと過ぎて行く。
ある種の復讐の犯行だが、なんとなく的外れな感じがして、これで復讐になるのだろうか。
殺された人にあまりに意味がない。
そして、犯行は殺し屋仲介人を通して殺し屋が請け負うという、複雑というよりゴチャゴチャさ。
それぞれの表面的な描写はあるが、心理は分からない。
なので、全体に軽く感じられる。
事件よりも、その雰囲気を大事にしているような。
そして、盲目の少年、ジョーナの物語でもある。
ジョーナと殺し屋イギー・コンロイとのやり取りは、間に修道女アンジェラ(アンジー)・クウィルが入る。こちらも雰囲気が大事なシーン。
マロリー・シリーズって、こんな感じだっただろうか。
もう少し、事件がテンポ良く進んで行けばいいのに。
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