しましましっぽ

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「死にゆく者の祈り」  中山七里

2020年09月22日 | 読書
「死にゆく者の祈り」  中山七里  新潮社   

浄土真宗本願寺派導願寺に僧籍を置く顕真は教誨師を務めていた。
教誨師とは刑務所や拘置所で宗教を教え諭すこと。
教誨師は研修を受け推薦を得ると、仏教会会長から辞令を出る。
建前は奉仕活動なので無給である。
顕真は東京拘置所で、集会教誨の講師として40人程の死刑囚・懲役囚の前で話しをする。
その時、見知った顔を見つけ驚く。
講和後、刑務官に聞くと、その男は関根要一で、間違いなく顕真の大学時代の同期だった。
そして、関根はカップル2人を殺した死刑囚だった。
関根とは大学卒業後は会っていなかったが、顕真をは深い繋がりがあり、人を殺すような人物ではなかった。
顕真は関根の教誨師になる事で面会を果たす。
事件の事は話さない関根だったが、顕真は納得がいかず事件を調べ始める。






何だか出来過ぎな物語。
あまり現実感がなくて入り込めなかった。
分からないのが関根の行動。
自首をしながら、裁判で無罪を主張したのはどういう狙いがあっての事だろう。
酔っていて覚えていないから殺しても無罪とは、あまりに驚きの主張。
なにか考える所があると思うのだが。
その辺りは何も語られなく、ただ謎として残ったばかり。
顕真が僧侶という設定だが、もっと何か僧侶だからこその事があるかと思ったが。
死刑囚に会えるという事だけだろうか。
最後の行動は驚いたが、きっと文屋が事態を変えて来るのだろうなと思っていたらその通り。
文屋刑事には、違和感があるならもっと早くに気が付きなさい、と言いたい。

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