しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「シンプル・プラン」 1998米

2005年12月15日 | 映画
スコット・B・スミスの同名小説の映画化。
ある雪の日の夕方、借金を苦にして自殺した両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄ジェイコブとその友人ルーとともに町はずれの道を車で走っていた。
途中ひょんなことから、彼らは小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。
そこには、440万ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。
この大金を自分達の物にしようとするルーだが、ハンクは、何も危険がなく誰にも害が及ばないことを確かめてから、この街を出て使うという計画をたる。そしてその時までハンクが預かる事にする。
そんなシンプルな計画だったが、大金の魔力に何かが狂っていく。

大金を見つけた時は冷静だったハンクも、段々欲が出て道を誤っていくと言う、人間の弱さと欲深さが現われた作品だが、その過程が丁寧に描かれていて、ハンクの気持ちが分かる気がする。常識人だった筈なのに、始めの殺人を犯したのもハンクだった。
進み出したら止まらないハンクと反対に、段々冷静になり悪い事をしていると言う罪悪感をもつジェイコブ。2人の兄弟のやり取りも興味深い。
2人はお互いに共通点はないといいながら、やはり愛情を感じていたのだろう。
ラストは、やはり悪い事はうまくいかないという結末。ハンクの空しさが伝わって来る。
悪事は始めてしまったら、途中で止めるのは難しい、何かに魅入られた様に進んでしまうものなのか。現実でもそんな犯罪が今身近にある。
深い雪の風景がこの話に似合っている。雪は綺麗なのに・・・。

原作は何年か前に読んでいるが、とても面白く、そして怖かった。
かなり印象に残る小説だった。映画化された話は聞いていたので、やっと見る事が出来た。映画は小説ほどの怖さはない。ラスト前の事件がひとつないし、多少違っている。
映画のハンクやジェイコブの方が人間的だと思うし、多少救い(登場人物に優しさ)がある気がする。
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