しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「蛇の歯」  フェイ・ケラーマン 

2011年09月06日 | 読書
「蛇の歯」  フェイ・ケラーマン    上・下巻    創元推理文庫
 SERPENT’S TOOTH                    吉澤康子・訳

高級レストランで男が銃を乱射。
悪夢のような惨状に、デッカーら捜査陣は怒りと動揺を隠せなかった。
そんななか、犯人らしき男もその場で死亡しているのが見つかる。
やめさせられた元バーテンダー。犯行後に自殺したらしい。
誰かを狙った計画的犯行か、それとも衝動的なものなのか。
動機は?デッカーは犯人と被害者たちの接点を調べ始める。
     <文庫本上巻裏カバーより>

事件の捜査に、身も心も磨りへらすデッカー。
さらに追い打ちをかけるように、死亡した被害者の娘で、社交界の女王ジーニーからデッカーに対して、セクシャル・ハラスメントの訴えが出された。
美しいが、男を支配し思いどおりに操る女性。
事実無恨ではあるが、相手を魅力的だと思ったのは確かだ。
彼女の真の意図は?捜査はデッカーの家族をも巻きこんで、意外な方向へ向かう。
     <文庫本下巻裏カバーより>

ピーター・デッカーシリーズ第10弾。






前作に続き、凶悪な事件の捜査がメイン。
たくさんの銃弾がどこから撃たれたか、順番はどうだったか。
それを調べるのは、まるでCSIのよう。
しかし、ロサンゼルス市警には予算がなく、あまり科学捜査は取り入れられていない様子。
その調べ方が大分違う。
しかし、そこから導かれた事実。
それなのに、その事実が最後の結論ではまた覆っている。
そのことに疑問も出ないまま、終わってしまったのは腑に落ちない。
銃を乱射したのは、何人だったのだろうか。

事件にかかわって起きた、デッカーのセクハラ事件。
疲労と募らせイライラするデッカーを助けようとする家族。
そんな様子は楽しく読めた。
久しぶりの登場、戦友エイベルも重要な役目を果たす。
デッカーの仕事と日常。
登場人物も多いが、シリーズも続くとそれぞれが懐かしく感じる。
子どもたちが成長して活躍し始めるのも楽しい。
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